じじぃの「科学夜話・エクソソーム治療・脂肪由来幹細胞より抽出した再生医療!世界を変える100の技術」

第166回老年学・老年医学公開講座/エクソソーム:大きな可能性を秘めた小さなメッセンジャー

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=OzmK-I9JAGU

図4 エクソソームは細胞間のコミュニケーションに使われる


エクソソームは細胞からのメッセージ!?

東京都健康長寿医療センター研究所
●エクソソームはどんなことをしているの?
細胞から分泌されたエクソソームは細胞と細胞の間に存在するだけでなく、体液(血液、髄液、尿など)にも存在しており、体中を循環しています。エクソソームの重要な機能として注目されているのは、細胞間の情報伝達に使われているということです。
前述のようにエクソソームはその内部に核酸、タンパク質などを含んでいます。分泌した細胞の核酸(マイクロRNAメッセンジャーRNA)がエクソソームを介して受け取り側の細胞に伝達され、機能していることが報告された(文献1)ことから、エクソソームは細胞間のコミュニケーションツールとして働いていると考えられています(図4)。
最近では、悪性度の高いがん細胞から放出されたエクソソームが悪性度の低い細胞に働きかけ、その細胞の性質を変化させることを証明した報告も出ています(文献2)。
https://www.tmghig.jp/research/topics/201704-3381/

『世界を変える100の技術』

日経BP/編 日経BP 2023年発行

エクソソーム治療 細胞由来の物質をエイジング治療に活用 より

体内のさまざまな細胞から放出される、直径100nm前後で脂質の膜を持つ小胞を精製し、投与することで、組織の再生などに役立てる研究が進んでいる。
研究成果に先立ち、民間ではキーワードとして注目されており、エクソソームを使うエイジング治療をうたう美容クリニックなどが出てきている。

生体内の細胞や培養中の細胞が産生、放出する直径100nm程度の「細胞外小胞(Extracellular vesicle:EVs)」は脂質二重膜で囲まれており、mRNA、miRNAなどの核酸、骨格たんぱく質や各種酵素などを含んでいる。細胞から分泌されたEVsは体内を循環し、細胞間の情報伝達を担うとされている。

EVsが生まれる過程は色々あり、厳密に言うと、エクソソームはエンドサイト―シス(飲食作用)と呼ぶ過程から形成される小胞を指す。細胞はエクソソーム以外のEVsも産出し、放出しているため、近年はエクソソームではなく、EVsという呼称が用いられる。

EVsの臨床応用への期待は高まっている。例えば間葉系幹細胞(MSC)由来のEVsを単離・精製して投与することで、組織を修復したり免疫を抑制したりできると考えられている。世界では複数の研究チームがMSC由来EVsの開発を進めており、臨床試験も開始されている。再生医療での応用が長年有力視されていたMSCの機能の多くは、MSCが分泌するEVsによるものであることが明らかになってきている。
最近では遺伝子組換えなどによって一部機能を改変したEVを開発する動きも活発化している。例えば、改変型EVに特定の治療薬を内包し、薬物送達システム(DDS)として利用する。EVsは送達指向性を持つことが示唆されており、安全性の高いDDSキャリアとして期待されている。

国内でもEVsの治療応用に向けた研究開発が本格化しているが、薬事規制が不明確な部分が多かった。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2023年1月、「エクソソームを含む細胞外小胞(EV)を利用した治療用製剤に関する報告者」を公表した。専門部会がEVs療法を開発・審査する際の留意事項をまとめたものだ。

なお、自由診療の枠組みの中で「エクソソーム療法」を実施する動きがある。厚生労働省が2020年4月に設置した再生医療等安全性確保法の見直しに係るワーキンググループでの報告によれば、121ヵ所以上の医療機関が美肌や毛髪再生、勃起不全を対象に、自由診療で培養上清を投与しており、一部の医療機関が培養上清にエクソソームが含まれると紹介していることが分かっている。

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どうでもいい、じじぃの日記。

「生体内の細胞や培養中の細胞が産生、放出する直径100nm程度の「細胞外小胞(Extracellular vesicle:EVs)」は脂質二重膜で囲まれており、mRNA、miRNAなどの核酸、骨格たんぱく質や各種酵素などを含んでいる。細胞から分泌されたEVsは体内を循環し、細胞間の情報伝達を担うとされている」

今年(2023年)のノーベル生理学・医学賞の受賞者に新型コロナウイルスのmRNAワクチンの開発によりハンガリー出身で、アメリカの大学の研究者カタリン・カリコ氏ら2人が選ばれた。

カリコ氏らは人工的に合成した遺伝物質のメッセンジャーRNA=mRNAをワクチンとして使うための基礎となる方法を開発した。mRNAにはたんぱく質を作るための設計図にあたる情報が含まれている。

mRNAはたんぱく質を作るための設計図

mRNAにより、新型コロナウイルスだけではなく、他の感染症や難病とも闘える。

しかし、新型コロナウイルスを科学的方法に寄らず社会的方法(ゼロコロナ政策)で撲滅しようとした国があった。

中国政府は国の威信をかけて都市封鎖などの取り組みを進めるが、上海ではかえって新規感染者が拡大したり多くの犠牲者を出した。

中国問題に詳しい女性ジャーナリストの本には、こんなことが書かれていた。

  江沢民胡錦濤のように外交に比較的明るい指導者なら通じたとしても、習近平の視野にあるのは国際社会ではなく、中国国内における自分の立場だけなのだ。

国家主席 習近平は今でも、「ゼロコロナ政策」は正しかったと思っているのだろうか。