じじぃの「カオス・地球_149_2050年の世界・アメリカ大陸の将来」

【ゆっくり解説】2050年までに大国となる国5選を解説!未来の覇権国は意外なあの国です【雑学】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=7oMmejGAmd0

2050年の覇権国は? (2016年当時)


2050年予測~米中覇権争いの「次」を見据えるバフェット、ソロス、ロジャーズ=東条雅彦

2016年5月8日 マネーボイス
ジョージ・ソロスは2008年1月のダボス会議にて「ドル基軸通貨体制崩壊」に言及していました。
2016年1月のダボス会議では「中国経済崩壊」を断言していました(2016年4月にも同様の発言を繰り返しています)。ソロスのスタンスは少しわかりにくいのですが、「中国もアメリカもゆっくりと衰退する運命にある」と言っているように聞こえます(諸説あり)。
https://www.mag2.com/p/money/11566

2050年の世界――見えない未来の考え方

【目次】
序章 2020年からの旅
第1章 わたしたちがいま生きている世界
第2章 人口動態――老いる世界と若い世界
第3章 資源と環境――世界経済の脱炭素化
第4章 貿易と金融――グローバル化は方向転換する
第5章 テクノロジーは進歩しつづける
第6章 政府、そして統治はどう変わっていくのか

第7章 アメリカ大陸

第8章 ヨーロッパ
第9章 アジア
第10章 アフリカ・中東
第11章 オーストラリア、ニュージーランド、太平洋
第12章 この先の世界を形づくる大きなテーマ――不安、希望、判断

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『2050年の世界――見えない未来の考え方』

ヘイミシュ・マクレイ/著、遠藤真美/訳 日経BP 2023年発行

第7章 アメリカ大陸 より

アメリカ合衆国――偉大なグローバルリーダーでありつづける

アメリカ合衆国は2050年も支配的な大国でありつづけるだろう。経済規模こそ中国をわずかに下回るが、それ以外では世界をリードする。世界でいちばん豊かな大国であり、おそらくは世界最速で成長している。「知」のグローバルリーダーとして先頭を走りつづけ、ドルは世界で最も重要な通貨でありつづける。

なによりも重要なのは、20~30年間もわたってつづいた国内外の緊張がゆるんでいることだろう。変わらないものなどなく、世界が直面することになる課題はとても大きい。そしてそれに立ち向かうには、アメリカがリーダーシップを発揮しなければいけない。しかし長期の見通しは、緊張をはらむ2020年代はじめに多くのアメリカ人が感じるよりも明るい。

どうしてそう言い切れるのだろう。なにか予測できない惨事が起きて、この明るい見通しが崩れる可能性はもちろんあるが、先行きを楽観する確かな理由が3つある。
第1に、アメリカは世界の才能を引き寄せる磁石でありつづけるだろう。世界中にいる有能で、エネルギッシュで、起業家精神あふれる人たちが、いまもアメリカで生きる道を選択している。移民問題が国内に緊張をもたらしてはいるが、この吸引力が衰えるとは考えにくい。ほかにどこに行くというのか。
第2に、アメリカが抱える社会、政治、経済の問題は解決できる。いまから2050年までに、機会の平等を促進する、社会のセーフティネットを拡充する、国民の健康を向上させる、環境を守るなど、アメリカが直面するすべての課題に資源が投じられていると考えていいだろう。
そして第3に、アメリカの覇権に挑む中国は、人口が高齢化し収縮していき、活力の大部分を失う。中国がどうなるかについては、この部の後のほうで探っていく。そこで、才能を引き寄せる磁石であることがつぎの30年にアメリカをどう変えていくのか見ていこう。
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どの社会にも、個人の自由と集団としての責任のあいだに緊張がある。問題のない社会などない。だが、アメリカは重大な問題を抱えているが、それに立ち向かう資源もある。アメリカが抱える問題の深刻さを、ノーベル賞受賞者であるサー・アンガス・ディートンが克明に分析している。アメリカでは自殺、偶発的な薬物の過剰摂取、アルコール性の肝疾患による死亡率が上昇しており、ディートンはこれを「絶望死」と呼んだ。近著の『絶望死のアメリカ』(アン・ケースとの共著)で、問題は資本主義システムそのものにあるとしている。アメリカ経済の大部分は「富裕層に奉仕させられ、政府はそれを黙認してきた」という。

しかし、アメリカはほんとうに自国の経済システムそのものを根底から変えるのか。そしてそれは問題の核心なのだろうか。

答えははっきりしている。どちらも「ノー」だ。この先、混合市場経済が生み出した格差に対処するよう企業と政府に強く求められるようになるのはまちがいなく、そうした格差を小さくするために、規制や税制が変わっていくだろう。それでも、経済のシステムが抜本的に変わるとは、少なくともつぎの30年については考えにくい。なんと言っても、これはアメリカとヨーロッパでさまざまな形態でうまくいっていて、その後に世界中に輸出されているモデルである。中国は世界最大の経済国になるが、それは中国がアメリカのシステムの要素を大幅にとりいれているからである。したがって、このシステムは継ぎ当てされていき、覆されることはない。

カナダ――多様性を享受する国

アメリカが繁栄すれば、カナダは繁栄する。
南の隣国との関係抜きにカナダの将来を語るのは難しい。前に述べたように、カナダの人口の約90%はアメリカとの国境から100マイル(約160キロメートル)以内に住んでいる。ここで問題になるのは、カナダの市民権とアメリカの市民権では、どちらのほうが魅力的でとりやすいかだ。カナダの人口がアメリカと歩調を合わせて増えていくには、アメリカ以上に移民を受け入れる必要がある。というのも、どういうわけかカナダの出生率はやや下がっているからだ。カナダは南の騒々しい社会よりもヨーロッパ寄りの文化をもっており、これからも移住先として人気を集めつづけるだろう。