初上陸の中国EV BYD の ATTO3 をラブカーズTV 河口まなぶ が内外装チェック&試乗! その完成度の高さに思わず唸る!
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https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=E6Vb6sc--c8
BYD(比亜迪) 最新EV3車種を日本で2023年から順次発売
最新EV3車種を日本で2023年から順次発売
2022.07.21 BYD
BYD Auto Japanが発売を予定しているのは、最新のテクノロジーが満載のスタイリッシュなミドルサイズe-SUV「ATTO 3(読み:アットスリー)」と、日常に溶け込むサイズでさまざまなライフスタイルにマッチするe-Compact「DOLPHIN(読み:ドルフィン)」、BYDの最新技術を結集したハイエンドなe-Sedan「SEAL(読み:シール)」の3車種です。
2023年1月に発売予定の「ATTO 3」を皮切りに、2023年中頃に「DOLPHIN」、2023年下半期に「SEAL」の発売を予定しています。
https://byd.co.jp/news/2022_0721_94.html
なぜ世界はEVを選ぶのか――最強トヨタへの警鐘
【目次】
はじめに
第1章 攻めるテスラ、BYD どうするトヨタ、VW?
第2章 フォルクスワーゲン “地獄”からのEVシフト
第3章 これはトヨタの未来か VWが直面する5つの課題
第4章 「欧州の陰謀」論から世界の潮流へ
第5章 EVユーザーの実像 もはや「ニッチ」ではない
第6章 高級車勢は「EV専業」 ボルボ・メルセデスの深謀遠慮
第7章 フェラーリとポルシェ 半端では生きられぬエンジン
第8章 テスラとBYDの野望 電池と充電が生む新ビジネス
第9章 EVリストラの震源地 部品メーカーの下克上
第10章 EV化で仕事がなくなる?労働者たちの苦悩
第11章 「出遅れ」トヨタの課題と底力
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第4章 「欧州の陰謀」論から世界の潮流へ より
土壇場でのエンジン車容認の「取引」
土壇場での修正だった。2023年3月下旬にEUが開いたエネルギー相理事会。35年以降のエンジン車の新車販売について、合成燃料を利用するクルマ限定で認めることで合意したのだ。「eフューエル」とも呼ばれるCO2と水素でつくる合成燃料は、再生可能エネルギーを使って製造すれば走行時のCO2排出量が実質ゼロと見なされる。
欧州委員会が示した規制案の合意に向けた最終段階でドイツ政府が強力に反対し、欧州委員会が押し切られた格好だ。環境担当として欧州の自動車規制も統治する欧州委員会のフランス・ティメルマンス上級副委員長は、正式合意の3日前にツイッターで「我々はeフューエルの将来的な利用について、ドイツと合意を見いだした」と述べた。
合成燃料の許可はHVの追い風か
合成燃料の開発や利用に積極的な高級車メーカーにとっては、今回のEUの決定は朗報だろう。
VWのCEOでポルシェのCEOも務めるオリバー・ブルーメ氏は、EUが認める前から合成燃料の利用に強い意欲を示していた。フェラーリのベネデット・ビーニャCEOも、EUの決定の後に歓迎の意向を示した。フェラーリはEV開発に力を入れているものの、エンジン車の熱狂的なファンもいるからだ。22年にビーニャCEOにインタビューした際には、水素エンジンの開発を進めていることを明らかにしていた。
トヨタなどの日本勢への影響はどうか。日本勢はエンジンを用いるHVの開発と販売に力を入れている。EUにおいてもHVの販売台数は伸びており、電動パワートレーンの中で最も販売シェアが高い。
合成燃料の許可は一見するとHVの追い風になりそうだが、コスト構造を考えると利用拡大は簡単ではない。合成燃料は再生可能エネルギーを使って水素をつくり、CO2と化学的に合成する。生産過程で大量のエネルギーを使うため、コストが高くなりやすい。日本の経済産業省の試算によれば、安価な再エネを利用できる海外で製造すると製造コストは1リットル当たり約300円、国内だと同約700円になるという。
ドイツの自動車アナリストのマティアス・シュミット氏は、「合成燃料は非常に高価なので、エンジン車を利用する99%のユーザーには関係ないだろう」と指摘する。合成燃料は主に。電動化が難しい航空機での利用拡大が見込まれている。
HVは車両価格とガソリン価格を含めたコストパフォーマンスの高さでユーザーに選ばれてきた。そのHVで高価な燃料を使うとなれば、競争力を失いかねない。トヨタの関係者も「合成燃料は高級車用がメインになるだろう」と話す。
中国勢が脅威に
――自動車産業は多くの雇用を抱えているため、それぞれの国にとって非常に重要な産業です。既にEVシフトに伴い、人員を削減したメーカーもあります。EVシフトで、欧州の自動車産業は競争力を保ち、雇用を維持できると思いますか。
競争力の強化につながると考えています。国際的に何が起こっているのかを見なければなりません。日本とも一緒にやっていけたらと思います。日本の自動車産業ともっと強力してやっていきたいですね。
中国で何が起こっているかを見てください。中国企業は既に多くの新型EVを発表しています。ほぼ毎日、新しい名前の車の広告を目にしますよね。見た目もいいし、専門家によると非常に良い車だそうです。これはもちろん、中国勢が電池産業で持つ優位性を利用し、既存の自動車産業を追い詰めようということでもあるわけです。米国はインフレ抑制法(IRA)の下で、EVや電池の開発にも大量に投資し始めるでしょう。
私たち欧州の人々にとって、自動車産業は必要不可欠な産業です。欧州の自動車産業の競争力を高めるために、あらゆる手段を講じるつもりです。私たちは将来を見据える必要があります。そして、乗用車の未来は、主にEVになるでしょう。私たちは、その未来を中国勢や韓国勢に委ねたくはありません。私たちもその一員でありたいと思います。
化石燃料が安い時代は終わった
――最後にもう一度、聞きます。ティメルマンスさんは30年までにはEVのコストが大幅に下がるという確信をもっていますが、22年に電池材料の採掘や供給に制約があり、電池コストが上がりました。なぜ、そこまで自信があるのでしょうか。
確かに原材料とエネルギーの価格が合わさり、電池の価格が上昇しています。しかし、イノベーションによって電気料金を下げることは可能だと思っています。それだけではなく、技術革新で全固体電池など新しい電池も生まれるでしょう。おれらの電池はさらに安くなるでしょう。
米国はIRAにより、電池生産に大規模な投資をすると思います。そうなると競争が激しくなり、中国製の電池ばかりが市場に出回る状態ではなくなるでしょう。世界の電池の市場は、中国製が過半を占めているといわれていますが、ここに米国が参入してくるでしょう。中国製の市場シェアはかなり小さくなる可能性があります。
ですから欧州は自国の電池産業を育成し、この市場に参入し、日本とも燃料電池の技術で協力することになるでしょう。こうして競争が激しくなり、クリーンモビリティーが安くなります。今のところ、電池技術に軍配が上がっているように見えますが、水素を使った燃料電池が巻き返す可能性もありますので、勝負はより面白くなると思います。
この点ははっきりさせておきたいのですが、クリーンなモビリティーは手ごろな価格になるということが私の結論です。化石燃料を使ったモビリティーよりずっとです。
化石燃料の探査がより高値になることは、火を見るより明らかです。化石燃料が永久に安い時代は過去のものです。終わったのです。もう戻ってこないのです。
中国、EV伸長で世界一の自動車輸出国に
欧州と共に、強烈にEVシフトを進めるのは中国だ。2013年ごろからEVなど新エネルギー車(NEV)の購入を補助する政策を本格化し、紆余曲折を経ながらメニューを拡充してきた。22年の中国におけるNEVの販売台数は688万台に達する。
23年4月に開催された上海国際自動車ショーは世界のEV市場を中国がけん引していることを見せつけた。「上海ショック」。海外からの来場者たちがEVを手掛ける中国勢の実力に驚いた様子はこう呼ばれている。
中国・比亜迪(BYD)が日本円で200万円を下回る廉価版EVや1000万円を超える高級EVを発表し、多くの来場者の耳目を集めた。その一方で、VWやメルセデス・ベンツ、BMWなどのドイツ勢、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなどの日本勢のブースには、中国勢ほどの熱気はなかったとモーターショー参加者は回想する。その傾向は、様々な販売データにも表れている。
中国では22年末にNEVの購入補助が打ち切られ、EV販売台数が減少した。23年はEV販売の勢いが止まると見られていたが、そんな気配はなくなりつつある。EV販売台数は1月こそ前年同月を下回ったものの、2月以降はいずれも前年同月を上回った。
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中国汽車工業協会によれば、23年1~3月の中国の自動車輸出は107万台で、日本を上回った。これまでは長年にわたり日本が世界1位、ドイツが同2位の自動車輸出大国だった。中国は22年にドイツを抜き、23年1~3月に日本を抜き、自動車輸出を基幹産業とする2つの大国をしのいだ。
中国は電池や充電に関する特許出願でも世界をリードしており、EV関連の技術力を高めていることが明らかになっている。世界の市場で、中国メーカーのEVが台風の目になりつつある。