じじぃの「警戒心と不安・娯楽としての恐怖・キャリー?錯覚の雑学」

CARRIE (1976) | Official Trailer | MGM Studios

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=j9Mg-GRS46Y

『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』

ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行

第2部 心が物を支配する より

念力

科学者だけでなく起業家までもが、ブレイン・マシン・インターフェースBMI)に注目している。彼らは、こうした絢爛たる発明の多くを、ビジネスプランの一部に必ず含めたがっている。BMIはすでに、脳波センサーで扱うビデオゲームや玩具という形で、若者市場に入っている。バーチャルリアリティーでも現実世界でも、心で物をコントロールできるわけだ。2009年には、ニューロスカイ社が、最初の玩具マインドフレックスを上市した。これは、脳波センサーを使ってボールを動かし、迷路を抜けさせるというものだ。マインドフレックスの脳はデバイスを装着して意識を集中すると、迷路に仕組まれたファンの回転数が増して、小さなボールがルートに沿って進むのである。
    ・
こうしたテクノロジーは、戦争をいっそうひどいものにするとも考えられる。いつの日か、白兵戦はすべて、ハイテク兵器をごてごて装備したサロゲート同士でおこなわれるようになるかのかもしれない。生身の兵士は、何千キロメートルも離れた安全な場所にいて、民間人を巻き添えにすることなどほとんど気にかけず、最新のハイテク兵器で撃ちまくる。サロゲートで戦えば、兵士自身の命は守られるとしても、恐ろしい人的・物的被害がもたらされるおそれもあるのだ。

さらに大きな問題は、この力が強大になりずぎて、ただの人間には制御不能になるおそれもあることだ。小説『キャリー』永井淳訳、新潮社)で、著者のスティーヴン・キングは、つねに仲間からいじめられる少女の世界というものを探っている。少女は仲間外れにされ、その人生は侮辱と屈辱の連続だった。しかし、少女をいじめていた連中は、彼女についてひとつ知らないことがあった。少女は念力の持ち主だったのだ。

                • -

『恐怖の正体―トラウマ・恐怖症からホラーまで』

春日武彦/著 中公新書 2023年発行

第1章 恐怖の生々しさと定義について より

警戒心、不安

一般的に、不安はそれをもたらすものの正体が曖昧である。他方、恐怖は正体が明確化して棄権やダメージが予測されるけれども、逃げたり逆に立ち向かうのが困難な際に生じる感覚だろう。いずれにせよ、無力感やもどかしさが大きな要素を占める。

あらためて恐怖を定義する

①危機感、②不条理感、③精神的視野狭窄――これら3つが組み合わされることによって立ち上がる圧倒的な感情が、恐怖という体験を形づくる。
    ・
なお、興味深いことに、①の「危機感」が実在していなくても、人は恐怖に駆られることがある。いわゆる恐怖症、精神科領域に属するとされる症状である。たとえば高所恐怖、閉所恐怖、尖端恐怖、視線恐怖、対人恐怖、広場恐怖、自己臭恐怖、醜態恐怖、不潔恐怖、学校(職場)恐怖、巨像恐怖、人間恐怖、甲殻類恐怖など。

第4章 娯楽としての恐怖 より

床の上のカブトガニ

村田基(むらたもとい)という作家がいる。同姓同名のプロ釣り師がいるので、ややこしい。最近は小説を書かなくなったようで寂しい限りなのであるが、彼の短編に「裂け目」という作品がある(『悪魔の通り道』角川ホラー文庫)。初出である『ミステリマガジン』1992年8月号で読んだのだけれども、かなり恐怖度が高い。いや、妙にリアルというか生々しいために強く印象に残っているのだ。

小学生と思われる和彦が、「お母さんはカブトガニみたいな虫を見たことない?」と範子(のりこ)に尋ねるところから物語は始まる。どこにそんな虫がいるのかと訊くと、眠りに落ちる瞬間に見えると和彦は言う。目覚めている状態と眠っている状態とのあいだには隙間があり、そこにクレパスのような裂け目がある。カブトガニみたいな虫は、その裂け目にへばりついているらしい。
    ・
スリッパよりも大きな「カブトガニみたいな虫」が、ゴキブリさながらにダイニングの床を走り回る。やがて虫の数は増え、錯覚だと思っていたが、虫が範子の足の「くるぶし」を擦った際には、甲羅の周囲のぎざぎざによって彼女の皮膚に赤い痕が残った。

和彦の「覚醒と睡眠との境目にある裂け目ないしは地割れ」からカブトガニに似た虫が現実世界に溢れ出したきたのだとしたら、いずれ黒くて球状の生き物も出現するのではないか。
その通り、確かにそれも出没するようになった。「直径1メートルくらいのボール状のものだ。表面に黒い毛が生え、熊が丸まっているのに似ている」それが転がり回って消える。それが次第に実在感が高まってきた。
    ・
こうして現実世界に黒い毛むくじゃらの玉がどんどん転がり出て、大人たちを次々に飲み込んでいく。凶暴そのものなのだ。

もしもスティーヴン・キングに書かせたら、おそらく上下2段組みで2冊にわたる長編に仕上げそうな話だ。しかし村田はあっさりと、だが壮大な世界観を持つ短編に仕上げた。いったいカブトガニのような虫や黒い玉とは何だったのだろう。和彦の無意識領域から這い出し現実を侵食する存在なのだろう。黒い玉に女陰のイメージを重ね合わせる読者もいるだろうが、では虫のほうは? 種明かしはされない。ただし小学生の無意識領域から現れ出たという設定がたまらなく不気味で、まさに恐怖小説と呼ぶに値する。

                • -

どうでもいい、じじぃの日記。

2023年のノーベル文学賞は、ノルウェー出身の劇作家ヨン・フォッセ(64)に決まった。

残念ながら、日本の作家 村上春樹は受賞を逃した。

発表前にノーベル文学賞のオッズを見たら、ホラー作家のスティーヴン・キングの名前があった。

「もしもスティーヴン・キングに書かせたら、おそらく上下2段組みで2冊にわたる長編に仕上げそうな話だ」

スティーヴン・キングといえば『シャイニング』や『IT-イット-』、『キャリー』などの作品がある。

映画『キャリー』では、
映画の中では、ダンスパーティに出向いた主人公キャリーに、いじめっ子たちがバケツに入った豚の血を彼女に頭から浴びせるというショッキングなシーンがある。

彼の作品『ザ・スタンド』は、疫病に襲われた終末的世界を描いた作品だ。

本の内容は、
研究所からウィルスがリークし、人類はほぼ死に絶えるといった内容がどこか現在の現実世界で起こっているパンデミック新型コロナウイルス)を連想させる。

実は、図書館からスティーヴン・キング著『異能』という本を借りてきたばかりだった。

『異能』は上下2段組みで2冊にわたる小説で、「テレパシー」の超能力をもった少年の物語だ。
かなり集中して読まないと、読み切れない分厚さだ。

マイクロソフト創業者 ビル・ゲイツは、新型コロナウイルスが発生する前 2015年から、世界的なパンデミックの危険性を訴え続けてきた。

未来を予言することは誰にでもできるが、ビル・ゲイツの予言は的中した。

スティーヴン・キングもその予言者の1人という感じだ。

「恐怖」のなかに「甲殻類恐怖」というのがある。

ついでながら、
作家 三島由紀夫は、「カニ」をひどく怖がったらしい。