じじぃの「カオス・地球_110_プーチンは何をしたかったのか?ワグネル創設者・プリゴジン」

【聞きたい】“プーチンの料理人”プリゴジン氏が反乱 理由は「プーチンへではなく官僚への強い不満」と専門家 一方のプーチン大統領は“暗殺”指示との情報も ワグネル今後は…

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https://www.youtube.com/watch?v=qOjC468f5R4

搭乗機墜落のプリゴジン氏、遺体から手りゅう弾が


搭乗機墜落のプリゴジン氏、遺体から手りゅう弾-プーチン大統領

2023年10月6日 Bloomberg News
ロシアのプーチン大統領は、ジェット機墜落事故で死亡した民間軍事会社ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏と他の同社幹部らの遺体から手りゅう弾の破片が発見されたと明らかにした。
同大統領は、プリゴジン氏が薬物使用者であったことも示唆した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-06/S22TTET1UM0W01

プーチンは何をしたかったのか?

【目次】
はじめに
第1章 プーチンは、何をしたかったのか?――なぜクリミア併合、ウクライナ侵攻へ至ったか
第2章 プーチンとは、いったい何者なのか?――スパイを夢見た少年時代、若き日の挫折、そして一大転機で権力者へ
第3章 どうやってロシア大統領になったのか?――最高権力者まで上り詰めた疾風怒涛の4年間
第4章 権力者となったプーチンをとりまく人々――政治を動かすオリガルヒ、愛すべき家族や親族

第5章 プーチンが築きあげた“盗人支配”と“監視”のシステムとは?――クレプトクラットが盗み、シロヴィキが見張る

第6章 プーチンの支配はいつまで続き、どう倒れるのか?――プーチンの哀れな末路と、ロシア再生への道

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プーチンは何をしたかったのか?』

寺谷弘壬/著 アスコム 2023年発行
妻に恐怖の「ヴァンパイア」と言われたプーチンの真実!ロシア研究60年の著者がQ&Aでズバリ回答!

第5章 プーチンが築きあげた“盗人支配”と“監視”のシステムとは?――クレプトクラットが盗み、シロヴィキが見張る より

雇兵部隊のワグネルを創設した「プーチンのシェフ」とは?

――異色クレプトクラットのもう1人、「プーチンのシェフ」と呼ばれているのは何者ですか?

以下、強調印字は筆者による。
10代で窃盗と詐欺を働き9年間もムショ入りしていた、61年レニングラード生まれのプリゴジン(ワグネルの創設者、ジェット機墜落事故で死亡したといわれる)という男です。

90年に出所すると、ホットドッグ販売チェーン、レストラン、カジノ、ケータリング事業(コンコルド社)などで大儲け。98年には水上レストラン「ニューアイランド」をオープン。店は政治家や金持ちに人気のたまり場となり、彼はプーチンとますます親密になっていきました。

プーチンは02年に米ジョージ・ブッシュ大統領を店に招き、店で満50歳の「大統領誕生会」を開いています。プリゴジンのケータリング会社は、軍・学校(学童)・役所などへの食事提供で莫大な利益を得ています。クレムリンの宴会からもです。

そのカネでインターネット・リサーチ・エージェンシーという情報収集・操作・宣伝機関をつくりました。これは国防省や軍参謀情報総局CRUに情報や分析を流すだけではありません。

ネット上の偽情報づくり――政府系サイトに熱烈支持を、野党や反政府サイトに誹謗中傷を大量投稿(いわゆる荒し)、フェイクニュースをでっち上げて拡散といった世論操作をおこなうプリゴジンの”メディア工場”です。ハッカー攻撃でもプーチンに貢献し、アメリカの16年大統領選や18年中間選挙にも介入して暗躍しました。有力オンライン・メディアの連邦通信社にもプリゴジンの金が入っています。

プリゴジンは14年、ウクライナ東部2州へ戦闘員を派遣する民間軍事会社「ワグネル」ヒットラーが愛した音楽家ワグナーのロシア語読み)を創設。中央アフリカ共和国マリ共和国・シリア・リビアなどの内戦にも介入しました。

ウクライナ侵攻では8000人規模のワグネル軍が投入され、25%が戦死したとの報道もあります。ワグネル隊員はブチャなどで残虐な民間人殺害に関与。ゼレンスキー大統領が遭遇した暗殺計画3回のうち2回の実行者はワグネルです。22年8月にルハンスクのワグネル根拠地をウクライナ軍が攻撃したときは、1日で隊員100人以上が戦死しました。

22年7月以降は、プーチンの許可を得てモスクワ周辺の刑務所をめぐり、ウクライナの戦いに送る戦闘員を募集しています。「第三次世界大戦が起こっている。諸君に祖国のため戦うチャンスを与えよう。死ぬ確率は15%にすぎない。給料は充分支給する。半年でまったく無罪となって家に帰れるんだ」とプリゴジン自らが勧誘。その映像まであります。

個人的な趣味が高じてか、情報機関をつくったことは、チェロ奏者ロルドゥギンと似ています。2人ともロシア銀行株を3.3%ずつ保有するプーチンの”財布”。プリゴジンのほうは、決死の戦闘員まで出してくる”打ち出の小槌”というべきでしょうか。