じじぃの「眼の奪い合い・カンブリア紀・生命大躍進の謎!表示の雑学」

目はいかに進化したのか / ジョシュア・ハーヴェイ

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qrKZBh8BL_U

擬態 ナナフシモドキ


虫の面白い擬態!木の枝や枯れ葉以外にもあるすごい擬態たち

2018-12-14 ネイチャーエンジニア いきものブログ
動物は、自分の姿を何かに似せる「擬態」という技を使います。
擬態を使うことで、天敵から身を守ったり、逆に獲物に気付かれずに近付いたりするのですね。
https://www.nature-engineer.com/entry/2018/12/14/164013

生命大躍進 第1回 そして"目"が生まれた

2015年5月10日 NHK BS1
進化の歴史をDNAの解析でたどると、何度か大躍進と言えるような激変があった。
第1回は「目の誕生」の物語。
今からおよそ5億年前のカンブリア紀
それまで目を持たなかった祖先が、突如として精巧な目を持つようになった。
いったいなぜ、急に目を持つように進化できたのか?私たちの「目の誕生」に秘められた驚きのドラマに迫る。

脊椎動物の祖先ピカイアの生き残りに相当するのはナメクジウオだが、ナメクジウオには明暗のわかる眼しかない。
カメラ眼はないのだ。
DNAを調査するとヒトでは同じ遺伝子が4倍になったことが判明。
例えばHOX13遺伝子など。
1倍体そのままを両親から受け取って2倍体の子孫ができ、
さらに次の段階で2倍体どうしの両親から遺伝子を受け継ぎ4倍体の子孫ができた。
こうして、増えた遺伝子が変化し、カメラ眼が生まれていったのだ。
https://www.nhk.or.jp/special/detail/20150510.html

『人類学者と言語学者が森に入って考えたこと』

奥野克巳、伊藤雄馬/著 教育評論社 2023年発行

他者のパースペクティヴから世界を見る より

2つのパースペクティヴィズム

他者の観点(パースペクティヴ)に立って、自分たちが見ている世界とは違う観点から世界を捉えることを「パースペクティヴィズム」と呼ぶ。パースペクティヴィズムには、明確に切り分けられないのだけれども、「宇宙論的」なものと「実用的」なものがある。

生物進化と「眼」の奪い合い

今から5億数千年前のカンブリア紀に「眼」を持ち、視覚を宿すようになった生物は、生存競争において優位になった。眼を持つ三葉虫は、外界の環境を識別することが可能になり、捕食を有利に進めることができるようになったのである。
逆に、捕食される側からすれば、捕食されないように、体表を覆うことや、周囲と見紛うくらいに体色を変化させるといった進化を促すことになった。その意味で、生物の進化とは「眼」の奪い合いであったのだと言える(パーカー2006:甲田2022)。

生物はある固定した観点から世界を見ることだけでなく、相互作用する多種のパースペクティヴを自らが取り入れることによって、世界を眺めることに展化したのである。それは、「眼」の奪い合いの歴史であったのだと言えるだろう。

生態的課題を達成するための「実用的」パースペクティヴ

文化人類学エドゥアルド・コーンは著作『森は考える』で、その点に気付いている。コーンの主題は、人間以外の生物の「思考」であり、あらゆる生物は多種のパースペクティヴィズムに拠りながら「思考」する。

木の枝のような昆虫ナナフシは、トリなどの捕食者から見て、周囲の木枝と区別がつかないように擬態する。幽霊のようにその背景に溶け込むため、その学名は”Phasmatodea”(ファントムのような生物)である。
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カミキリムシは、後翅(こうし)だけで飛ぶ。カミキリムシの中には、トリに捕食されないようにハチに擬態しているものもいる。ハチに擬態したカミキリムシは、通例に反してハチのように翅を閉じて飛ぶため、捕食者から見ればハチが飛んでいるように見える。日高は言う。「そうなると、このカミキリムシは自分がハチになっていることを『知っている』ことになりますね」(日高X観世1981:183)。

トリが吐き出してしまうほど、不味いチョウがいる。それは悠然と飛ぶ。一方で、それとそっくり擬態したチョウがいる。本来はすばやく飛ぶが、擬態したチョウをまねて悠然と飛翔する。ところが、日高がこのチョウを捕まえられずに逃がすと、たちまち本性を露わにして、ものすごいスピードで逃げていくという。

果たして、ハチに擬態したカミキリムシは自らハチをまねていることを知っているのだろうか? 不味いチョウに擬態したチョウは、自分がまねをしていることを知っているのだろうか?

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どうでもいい、じじぃの日記。

再放送だったが、NHK BS1 「生命大躍進 第1回 そして"目"が生まれた」を観た。

生き物が「眼」を持った経緯を簡単に説明すると、

海の海草が光合成をするようになった。
その海草をプランクトンが食べた。
クラゲなどが、そのプランクトンの光を感知する遺伝子(HOX13遺伝子)を身体に取り込んだ。

生き物は、初めは明暗を識別するだけであったが、一応「眼」を持つようになった。
これが約5億年前のカンブリア紀の生命の大躍進なのだそうだ。

「生物はある固定した観点から世界を見ることだけでなく、相互作用する多種のパースペクティヴを自らが取り入れることによって、世界を眺めることに展化したのである。それは、『眼』の奪い合いの歴史であったのだと言えるだろう」

眼がより進化した生き物が、後の生き残りに有利に働いた。

「果たして、ハチに擬態したカミキリムシは自らハチをまねていることを知っているのだろうか? 不味いチョウに擬態したチョウは、自分がまねをしていることを知っているのだろうか」

「擬態」の不思議だ。

擬態は相手の目をごまかすことで、自分の身を守ったり、逆に攻撃したりすることだ。

しかし、カメレオンが自分の肌の色が周りの環境に合っているとか、認識しているのだろうか。

何となく擬態にも、光を感知する遺伝子と似たような遺伝子があるような気がする。