じじぃの「カオス・地球_77_デンジャー・ゾーン・フィリピン侵攻作戦」

九段線不?要變"十段線"? 陸新版地圖多國怒了! 國民大會 20230901 (3/4)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=8qWkDiG24p8

中国の新地図 領有権主張「十段線」に拡大


中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大

2023.9.1 Yahoo!ニュース
中国が発表した新しい地図に対し、アジアで非難が一斉に広がっている。
地図には、中国が南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線「九段線」を拡大した「十段線」が記され、領有権を争うフィリピンやベトナムなどのほか、台湾も反発。一方的な領有権の主張は、9月上旬にアジアで相次ぎ開かれる国際会議で火種となる可能性がある。
地図を巡ってフィリピンは31日の声明で「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」と反発。南シナ海での中国の主権主張を退けた16年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めた。
ベトナムも31日に「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」との声明を発表し、台湾の外交部(外務省に相当)報道官は「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」と批判した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9cbfa294291ce445586d7cc6381bedea4780549

デンジャー・ゾーン――迫る中国との衝突

【目次】
序章
第1章 中国の夢
第2章 ピークを迎えた中国
第3章 閉じつつある包囲網
第4章 衰退する国の危険性

第5章 迫る嵐

第6章 前の冷戦が教えること
第7章 デンジャー・ゾーンへ
第8章 その後の状況

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『デンジャー・ゾーン――迫る中国との衝突』

ハル・ブランズ、マイケル・ベックリー/著、奥山真司 /訳 飛鳥新社 2023年発行

第5章 迫る嵐 より

チャンスの窓と戦争

ピークに達した過去の大国たちは皆そうしてきたし、中国の歴史はその足跡をたどるものと思われる。中国がいつ、なぜ武力を行使するのかについて、数多くの研究で分析されているが、いずれも同じ結論に達している。つまり中国は、台頭しているときではなく、安全保障環境が悪化し、交渉力が低下しているときに戦う、というものだ。

言い換えれば、中国共産党は、通常は閉じつつあるチャンスの窓を利用するため、または脆弱性の窓が開いてしまうのを避けるため、武力行使に及ぶ。ライバルは追い詰められると、中国は座して攻撃されるのを待つことはしない。その代わり、戦略的な状況がさらに悪化する前に戦術的な優位を得るため、通常は最初に発砲するのである。

実際、中国は優勢な敵に対して戦争を始めることが多いが、最大の戦いで勝つことはそもそもあまり期待していない。その目的は、懸命に戦う(そして多大な犠牲を払う)意思を示すことで、敵を後退させることにあるのかもしれない。ここで発せられるメッセージは、通常は傍観しているライバルに向けられると同時に、リング上で中国と争っている敵にも向けられることになる。
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今日において「殺すべき鶏」や活用できる「懲らしめる出来事」は豊富にある。人民解放軍はすでに2020年にヒマラヤ山脈でインド軍との間に暴力事案を発生させ、ワシントンとニューデリーの間にくさびを打ち込もうとしたが失敗している。だが中国共産党が台頭しつつある反中同盟を本気で潰したいのであれば、自国の沿岸にあるアメリカの同盟国や友好関係の輪を断ち切らなければならない。

ここでのターゲットは明らかに日本であろう。日本は憎き歴史的な敵国であり、現在は中国が「釣魚島(日本名魚釣島)」と呼ぶ尖閣諸島を統治しているのだ。日米同盟は、アメリカの東アジアにおける封じ込め戦略の「要(かなめ)」である。日本に中国の強さを思い知らせると同時に、ワシントンとの同盟関係に圧力をかけることは、包囲された中国にとって魅力的であろう。

中国はすでに武装した沿岸警備隊の艦船を尖閣諸島の領海に送り込み、日本の実効支配に対抗している。中国のエスカレーション・ラダー[梯子]を上げる次の動きは、尖閣に兵士を上陸させることだろう。そこから周囲50マイルに侵入禁止区域を宣言し、中国本土のミサイルに援護された艦船、潜水艦、戦闘機、ドローンの大群で島々を包囲するのだ。

そうなれば日本は中国による尖閣の併合を受け入れるか、もしくは鳥の糞で覆われた小さな岩礁をめぐって核保有国と戦争をするかの、どちらかを選ばなければならなくなる。アメリカも同じようなジレンマに直面するだろう。

これに対して、経済制裁と弱々しい外交面での抗議で対処すればよいのだろうか? それともアメリカは2014年と2021年に約束したように、日本が尖閣諸島を守るを助けるべきなのだろうか? 前者の対応は、日米同盟を破壊しかない。後者のアプローチだと、アメリカのシンクタンクが実施したウォーゲームによれば、第三次世界大戦になってしまう可能性がある。

もし中国が日本のような地域大国と争う準備ができていないのであれば、その代わりに南シナ海周辺の弱者である近隣諸国を脅かすことができる。北京はベトナムを打倒したいと思っているはずだが、それ以上に格好のターゲットとなるのは「完璧な敵」という条件にすべて当てはまるフィリピンであろう。

「軍事的に弱いか?」という項目はイエスだ。フィリピンは徐々に中国に反旗を翻しているかもしれないが、今のところその能力は哀れなものであり、北京はフィリピンの海軍と空軍を一度の小競り合いで一掃することができるだろう。

「象徴的に重要か?」という項目もイエスだ。2016年、マニラは北京を常設仲裁裁判所(またの名を「世界裁判所」)に提訴し、中国の南シナ海での主張を無効とする判決を獲得して勝利した。中国はこれに対して、地球の裏側にある「傀儡(かいらい)」裁判所の判決に拘束されることはないと宣言した。
フィリピン軍を南シナ海のその孤立した無防備な前哨基地から追い出すか、北京がすでに占領しているがまだ開発していない岩や岩礁に軍事基地を建設すれば、中国の宣言を裏付ける素晴らしい方法となる。

「戦略的に重要か?」という項目もイエスだ。米比同盟は地域の安全保障に欠かせない存在だが、冷戦時代からしばしば揺らいできた。アメリカは南シナ海のフィリピン領を守ると宣言しているが、北京はそれを信じないかもしれない。統合参謀本部議長は2016年に「スカボロー礁をめぐって本気で戦争をするつもりか?」との発言をしていたと盗み聞きされている。

もし中国がフィリピン軍を攻撃した場合、アメリカは非常に厳しい選択を迫られることになる。

領土の主張に関して曖昧な立場をとる同盟国を守るのか、それとも中国が国際法を無視して南シナ海の支配を拡大し、アジアにおけるアメリカの同盟へのコミットメントの信頼を台無しにするのを承知で介入しないかの、どちらかしかないからだ。