じじぃの「カオス・地球_63_習近平独裁新時代・米中の宇宙覇権競争」

REVEALING : US And NASA Shocked At China’s Mars Landing Mission #usa China Technology #nasa ftx

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=BnneTbPeUz4

US Hegemony Ends by Seppuku


US Hegemony Ends by Seppuku (Part 2)

Jul 14, 2021 Decode Diagnose Demystify
The following commentary reflects on how China is slowly catching up to the USA in terms of AI technology and moving away from informatized warfare to intelligentized warfare.
China is no longer in a position of technological inferiority and is slowly making its presence felt in the world.
https://usanasfoundation.com/us-hegemony-ends-by-seppuku-part-2

習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン

【目次】
序に代えて――歴史の分岐点となった第20回党大会
第1章 江沢民の死と白紙革命
第2章 習近平「平和外交」の正体

第3章 コロナ政策転換でも光が見えない「新時代」経済政策

第4章 全人代から始まる新たな粛清
最終章 習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウンのボタン

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習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』

福島香織/著 かや書房 2023年発行

第3章 コロナ政策転換でも光が見えない「新時代」経済政策 より

経済制裁下でも加速する宇宙開発

中国の有人宇宙船「神舟16号」の打ち上げが2023年5月30日に行われた。

宇宙飛行士3人を乗せた神舟16号は中国宇宙ステーション(CSS:Chinese Space Station)のコアモジュールとドッキングし、2022年11月に打ち上げられた「神舟15号」がCSSから切り離されて6月4日に帰還した。これでCSSに滞在する宇宙飛行士3人のメンバーチェンジが行なわれた。神舟16号打ち上げ成功は、米中ロの宇宙覇権競争において、1つのマイルストーン、節目的な出来事といわれた。

まず、新たに宇宙に旅立った中国人宇宙飛行士の1人が初の非軍人出身者、つまり民間人であるということ。そして、2022年の神舟15号の打ち上げで完成したCSSの本格的実験運用がスタートするということ。さらにもう1つは、米国の激しい対中半導体輸出規制を受けながらも中国が着々と宇宙開発を進めていることを世界にアピールできた、ということだろう。

アメリカ、日本、欧州諸国、ロシアなどによる国際宇宙ステーションISS:International Space Station)の運用は、とりあえず2030年ごろまで延長されるそうだが、老朽化しており、いつ終了になっても不思議ではなく、ISSが終了すればCSSが世界で運用中の唯一の宇宙ステーションとなる。このアドバンテージは、習近平が目論む「国際社会の新たな枠組みのリーダーになる」という野望を加速させる可能性もある。
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さらに2022年11月に打ち上げられた神舟15号を受け入れ、2つの神舟乗組員6人が軌道上で5日間、共に生活したのち、神舟14号の乗組員3人が帰還するという初の軌道上の宇宙ステーション要員交替を実施した。

これにより、CSS、愛称「天宮」が一応の完成を見た。コアモジュールに2つの実験モジュール、無人補給船「天舟」を連結したT字型をしており、定員6人、中は中国語が公用語で、コアモジュールには電子レンジのあるキッチン、3つの個室・寝室、ジムが揃った居住空間となっている。2024年に宇宙望遠鏡「巡天」が打ち上げられ、さらに居住空間も拡充され最終的には十字型の形態になるという。

神舟16号には、初の民間人である桂海潮教授がペイロード実験要因として参加したが、これは実験モジュール運用がスタートするということだ。

中国はまた月面探査・嫦娥計画を2003年からスタートさせており、すでに2019年には初の月背面着陸に成功。2020年には月面のサンプル回収にも成功し、2030年以前には初の中国人宇宙飛行士の月面着陸を計画している。

CSSの経験は将来的に中国の月面基地建設に応用する計画であり、中国の宇宙開発の目下の最大目標は、米ロに先駆けて月面資源の開発に着手すること。つまり月面に五紅星旗を建て、その開発権を確保することだろうと見られている。

こうした中国の宇宙開発計画のスピード感は驚くべきものがあり、その成果も決して過小評価すべきではないだろう。

米国はハイテク領域で中国に対して半導体半導体技術製造に必要な設備機器、核心技術に対する対中禁輸を強化し、EUや日本にも足並みを揃えるように要求している。日本は7月から先端半導体の製造装置など23品目の事実上の対中禁輸措置を実施。

これだけ核心的技術領域の制裁を受けて、中国の国産半導体発展計画は大きく阻害されているはずなのに、なぜ宇宙科学領域でこれだけの成長を見せることができるのだろう。

1つ指摘されていることは、軍用の半導体、あるいは宇宙開発用の半導体というのは、家電やスマートフォンのように小型化を追求する必要がないので、実は中国国産開発のハードルは他国が思うほど高くない、という意見がある。

そして、中国の国家主導の技術開発は、実は決して侮ることのできないレベルであるということにも気づく必要がありそうだ。

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宇宙開発のように巨額の金が必要なプロジェクトは、民間企業の求める利益や庶民のロマンとは別に国家の野望の後押しがないと進まない、ということかもしれない。

中国は民間人飛行士が参与することで、一般中国人の宇宙へのロマンを掻き立てるようになったが、本来の目的は月面資源の先取りであり、ライバル米国からの世界の領袖の地位を奪うことだ。

仮にロシアの国力が衰え、米国がレームダック化し、世界の宇宙開発の主導権を中国が握ることになると、おそらく世界中の宇宙飛行士、宇宙開発研究者を中心とする頭脳が中国と協力したいと願うだろう。

そうなれば、先進国は国家として中国をデカップリングしようと考えても、宇宙関連の研究者、エンジニアら優秀な個人たちが中国に選ばれるために、中国語や習近平の思想を勉強しようとする時代になるやもしれない。

こうして見ると、中国経済は間違いなく長期停滞時代に入ったが、それが決定的に習近平「独裁新時代」に歯止めをかける、あるいはとどめを刺すことになるかは、今なお不透明と言える。
庶民の暮らしが貧しくなっても、国家主導のプロジェクトは強引に進められるであろうし、そのことは半導体国産化や宇宙開発など軍事を支える経済領域に一極集中で資金と頭脳が集められることになる。だが、それが習近平「独裁新時代」を強固にして延命させるのか、あるいは民草(たみくさ)の暮らしを一層圧迫し、「人民の不満」という時限爆弾のカウントダウンを早めることになるのかは、まだいくつかの不確実要素があろう。