じじぃの「カオス・地球_58_習近平独裁新時代・江沢民の死と白紙革命」

【白紙革命】國際聲援「白紙革命」!海外青年激喊:習近平下台 @newsebc

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【解説】中国“白紙運動”は習近平指導部批判に発展も…「PCR検査いらない!自由がほしい!」ゼロコロナ政策に不満噴出|TBS NEWS DIG

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上海の抗議デモの様子 「白紙運動」


習近平退陣!」「封鎖解除!」上海などで異例の抗議デモ 大学生が掲げた白い紙の意味は?白紙革命か?

2022/11/28 Yahoo!ニュース
11月24日(1124)に中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市のマンションで発生した火災で10人が死亡したことをきっかけに、中国各地の大学生など若者を中心に政府のゼロコロナ政策への不満が一気に噴き出している。
26~27日の週末、北京や上海の街頭に若者たちが集まり、抗議活動が行われた。

彼らは「習近平は退陣せよ!」「封鎖を解除せよ!」「自由が欲しい!」「民主政治!」などの言葉とともに抗議を行ったが、数百人の警官が対峙して抑え込まれた。27日、同様の活動は首都の北京にも広がった。習近平国家主席の母校である清華大学北京大学など複数の大学のほか、広州、武漢、南京、成都など、およそ10都市で抗議活動が行われた。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9a2152ac7431b809cf1df6081cb61d8ef3b65aa0

習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン

【目次】
序に代えて――歴史の分岐点となった第20回党大会

第1章 江沢民の死と白紙革命

第2章 習近平「平和外交」の正体
第3章 コロナ政策転換でも光が見えない「新時代」経済政策
第4章 全人代から始まる新たな粛清
最終章 習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウンのボタン

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習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』

福島香織/著 かや書房 2023年発行

第1章 江沢民の死と白紙革命 より

「白紙革命」はなぜ起きたのか

江沢民の死と白紙革命の時期が重なったのは、偶然なのか、それとも白紙革命を抑え込むために江沢民の死を利用したのか。いずれであっても、ともに中国の時代の転換期であるという天の告知のようでもある。

ここで、白紙革命とはなんであったかを振り返ろう。

11月26日から中国全土の主要都市で200前後の大学で、「白紙革命」と呼ばれるセロコロナ政策への抗議活動が燎原(りょうげん)の火のように広がった。これは、天安門事件の原因となった民主化希求の学生運動以来の規模となった。

原因は長期にわたるゼロコロナ政策への不満の蓄積であり、導火線は11月24日のウルムチ大火災だった。この運動は、現場が主に大学のキャンパスであったことから、春節休みを前倒しにすることで年明けには収束したように見えるが、その火種はずっとくすぶっている。11月30日に江沢民の死去を発表したのは、この「白紙革命」を抑え込むためふだったのではないか、という説もある。国家的に喪に服すことを建前に、学生たちが集まりそうなイベントを抑え込める、あるいはネットニュースの関心を白紙革命からそらせる、という狙いがあったとか、なかったとか。

そのくらい共産党当局にとっては、センシティブな事件だった。

運動の始まりとなったのは、南京伝媒学院で11月26日にライブストリーミング配信された動画だ。動画の中身を説明すると、次のような感じだ。

学院キャンパス内の鼓桜前で、白紙を掲げて無言で女子学生が立っていた。そこに指導員(教師)がやってきて、その白紙を取り上げたが、女子学生は白紙を持っているように手を構えたまま立ち続けていた。この様子を撮影していた別の女子学生が問う。「なぜ白紙を奪うの?」。指導の教師は「白紙に何の攻撃力があるというのか?」。

このシーンは、旧ソ連のある風刺的な笑い話を思い起こさせる。

モスクワの赤の広場で、男がチラシをまいている。官憲が男を逮捕したら、チラシは白紙だった。「白紙をばらまいても逮捕されるのか?」と男が問うと、官憲は言う。「お前が白紙に何を書こうとしていたか知っているぞ」――。

言論統制思想統制が行き着く先で、人々はたとえ無言であっても逮捕される。無言であることが、すでに言論統制への抵抗の意味になってしまう。「白紙」は言葉として何の攻撃力もないはずなのに、独裁者は「白紙」を恐れるのだ。なぜなら、白紙の示す意味が自分たちへの攻撃だと知っているから。

激しい言論統制化で、沈黙自体が雄弁になってしまうという矛盾。そして、そんな社会では沈黙しようが発言しようが、結局、人々は逮捕され虐げられてしまう。声を上げたほうがましではないか?

やがて別の学生が彼女の周りに、次々と白紙を持って集まり始め、群衆となった。ついに1人の男子生徒が最初の女子学生の隣に立って、突然、演説を始める。

「ここに僕が立つのは、勇気があるからじゃない。僕よりも、ここにいる女子学生たちのほうが勇気がある。彼女らの勇気が僕をここに立たせたのだ。これまでの僕は弱々しかった。新疆人として僕は声を上げる」
「あのウルムチ大火災で、親しい人、家族を亡くした同胞ためのの声を上げる」
「すべての犠牲者のために声を上げる」

周囲から拍手と「ハオ!ハオ!」(そうだ! いいぞ!)という歓声が沸き起こった。夜になって学生たちは続々と白い紙を持って集まった。

ウルムチ大火災とは11月24日夜、ゼロコロナ政策によるロックダウンが100日以上続く新疆ウイグル自治区ウルムチ市の集合住宅で発生した大火災だ。死者は、公式発表は10人だが、地元病院の話を綜合すると44人以上が死亡したとも伝えられた。

ここまでの大火災になり犠牲者が多くなったのは、地域がロックダウンで封鎖されていたので、消防車が近づけず消化が効率的に行われなかったこと。マンションの入り口が封鎖され針金で縛られていたので、中の住民が自力で逃げ出せなかったことなどがあったからだという”噂”が広がった。

この事件は、この3年間のゼロコロナ政策に苦しめられてきた人民の不満に火をつけた。各地で一斉にゼロコロナ政策反対の市民運動が広がった。その中で、最も洗練された、パフォーマンスアートといってもいいくらいの美しい抗議スタイルが、この南京伝媒学院で始まった「白紙運動」、あるいはカラー革命に対比させた「白紙革命」と呼ばれている活動だった。
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SNSには、北京、重慶西安などで群衆デモと警察が激しく衝突している動画が流れている。こうした動きは都市部だけでなく、地方の農村地域でも起きているようだ。

こうしてだんだん収拾がつかなくなっていく「白紙革命」の行先が、天安門事件の轍(てつ)を踏まないかと、多くの人たちが心配した。警官隊だけでは騒ぎを制圧できない状況になれば、あの習近平なら武装警官、軍によって治安維持を行おうとするのではないか、と。

11月29日、王丹ら天安門事件の元学生指導者ら十数人が海外のSNSを通じて、「解放軍官兵、武装警察、警察に告げる書」を発表し、天安門での虐殺の悲劇を繰り返してはならない、と強く訴えていた。

在米民主化運動家の王軍濤ら知識人も、「中国人民に告げる書および栗戦書・全人代常務委員長、李克強首相、汪洋・政治協商会議主席への公開書簡」で、ゼロコロナ政策の即刻終了と習近平の辞任を求めている。

国際社会の多くの影響力を持つ人々が注目し、学生たちを擁護し、抗議の民衆を擁護した。

こうして燎原の火のように広がった「白紙革命」は、ついに習近平固執していた「ゼロコロナ政策」を転換させることになったのだ。