膠原病とは
2021.06.28 SERLA
「こうげん病って何ですか?」
私たちがよく聞かれるご質問です。
「膠原(こうげん)」とは、「コラーゲン」のことです。コラーゲンとは、皮膚や靭帯などを構成するタンパク質の一つです。
1942年(約60年前)、アメリカの病理学者Paul Klempererによって初めて提唱され皮膚・靭帯・腱・骨などの構成成分である膠原(コラーゲン)の異常が起こる病気を総称して「膠原病:collagen disease」と呼ぶようになりました。
痛みの原因の成分が体内を流れて溜まるという考えが語源にあり、関節・骨・筋肉などの筋骨格系器官に痛みが出る病気を「リウマチ性疾患」と呼ぶようになりました。膠原病全般に「関節が痛い」「筋肉が痛い」などの症状が出やすいことから、「膠原病」と「リウマチ性疾患」はほぼ同じ病気を対象としています。
https://nposerla.com/column3
『すばらしい人体 - あなたの体をめぐる知的冒険』
山本健人/著 ダイヤモンド社 2021年発行
第2章 人はなぜ病気になるのか より
免疫が誤作動を起こす病気
アレルギーは、本来安全なものにまで免疫が過剰に作用してしまう病気だ。一方、自分の体を異物として誤認し、攻撃を加えてしまう病衣もある。これを自己免疫疾患という。
関節リウマチは、関節の滑膜などに攻撃を加えることで起こる全身の関節炎である。1型糖尿病の多くは、膵臓のインスリンを産生する細胞を攻撃し、破壊してしまうことで起こる。
橋本病(橋本甲状腺炎)は、甲状腺が免疫に攻撃されて起こる甲状腺機能低下症だ。シェーグレン症候群は、主に涙腺や唾液腺を攻撃し、目や口に極度の乾燥を起こってしまう。
他にも自己免疫疾患は非常に多くあり、その分類も複雑である。ここでは説明を単純化しているが、多くは全身のさまざまな臓器に障害が起き、慢性的な経緯で良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多い。
共通するのは、免疫が「自己」を攻撃して起こる病気であることだ。これらは古典的に「膠原病(こうげんびょう)」とも総称され、専門に扱う診療科は「膠原病内科」「リウマチ膠原病内科」「免疫・膠原病内科」などと呼ばれることが多い。
また、免疫が誤作動を起こす例は他にもある。侵入してきた微生物に対して抗体をつくったものの、それが結びつく抗原と似た物資が自分の体内にもあった、というケースだ。
例えば、のどに感染症を起こす溶連菌という細菌がいる。溶連菌とは、溶血性連鎖球菌の略称である。溶連菌による咽頭炎が起きると、免疫は溶連菌の抗原に特異的に作用する抗体を産生する。ところが、皮肉なことに溶連菌の抗原と同じ構造を持つ物質が、私たちの関節や心臓、皮膚、神経などにも存在するのだ。
咽頭炎から2~3週間後、これらの部位が自分の免疫によって攻撃を受け、時に重篤(じゅうとく)な全身疾患を引き起こす、これが、「リウマチ熱」という病気である。「リウマチ」という名が入っているが、関節リウマチとは全く異なり、小児に多い病気だ。
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どうでもいい、じじぃの日記。