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科学の森:スパコンしのぐ粘菌の「知性」「イグ・ノーベル賞」の単細胞生物
2023/2/23 毎日新聞
落ち葉や朽ちた木の表面などでひっそりと生きているアメーバ状の生き物「粘菌」。その意外な驚くべき能力を、最先端の技術に応用する研究が進んでいる。人間はこの不思議な生命体から何を学ぶのか。
粘菌は菌という名がつくが、動物でも植物でも菌類でもない単細胞生物だ。エサをとりながら成長、合体し、ときに分裂する。
中垣俊之・北海道大電子科学研究所教授(生物学)は、粘菌の研究で、ユニークな科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」を2008年と10年に受賞した。明らかにしたのは、粘菌の「賢さ」だ。
https://mainichi.jp/articles/20230223/ddm/016/040/019000c
サイエンスZERO 「粘菌がコンピューターになる!? 単細胞生物が持つ驚異の“情報処理能力”」
2022/11/13 NHK Eテレ
今、SNSなどでひそかなブームとなりつつある生き物「粘菌(ねんきん)」をご存じですか。名前に“菌”とありますが、カビやキノコの仲間ではありません。人類誕生のはるか昔から地球で暮らしている原始的な「単細胞生物」です。
https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/blog/bl/pkOaDjjMay/bp/pd8k3w0eDR/
『かしこい単細胞 粘菌』
中垣俊之/文、斉藤俊行/絵 福音館書店 2015年発行
動物や植物などの生き物の体は、細胞というものがあつまってできています。
わたしたちの手や足や脳、そして、目や血液もたくさんの細胞のあつまりです。
でもひとつひとつはとても小さいので目で見てもわかりません。
細胞の大きさは、ヒトでもクジラでもアサガオでも大きな木でもだいたい同じです。体が大きいのは細胞の数が多いからです。人間の体の場合60兆個ぐらいの細胞からできているといわれています。
60兆個もの細胞のあつまりである人間に対し、細胞がたった1個しかない単細胞生物という生物がいます。動物に病気をおこさえる細菌、海の生き物の栄養になるプランクトンの一部、そしてわたしが研究している「粘菌」などが単細胞生物です。
「単細胞」ということばには、「それほどかしこくない」という意味もありますよね。でも、わたしは長いあいだ粘菌を研究してきて、「単細胞はかしこくない」とはいえないのではないかと思うようになりました。単細胞生物には単細胞生物独特の生活の仕方があって、それは意外とすぐれたかしこい生き方なのかもしれないということがわかってきたからです。
単細胞生物「粘菌」。もうひとつの名前は「変形菌」。どちらもあまり聞いたことがない名前かもしれませんが、じつは身近にいます。藪(やぶ)のなかの枯れ葉や朽ち木が土にまみれて積もってじめじめしているようなところはたいていいる生き物です。ですが、ふつうは目に見えません。細胞ひとつは、とても小さいからです。
ところが、この単細胞の粘菌はときどきとつぜん巨大化して何センチメートルにもなります。目にみえないようなひとつの細胞が何億倍にも巨大化するわけです。
餌を別々に置いたとき、粘菌はどうすると思いますか?
そこでこんなテストをしてみました。
餌をあっちこっちに粘菌からはなして、べつべつ場所に置きます。
(シャーレの真ん中に粘菌を置き、シャーレの両端2ヵ所に餌を置く)
粘菌はどうすると思いますか。ふたつのことが考えられます。
①一度にふたつとも手に入れる。
②初めから、ふたつとるのはあきらめて、片方にだけゆく。
粘菌が、両方の餌にありつくには、はなれているので何か工夫が必要です。1匹としてつまがったまま、体の形を変えて両方の餌にたどりつくには、どのような方法があるでしょう?
粘菌のだした答えは、これです。
1本の太い管(くだ)をつくってふたつの餌をつなぎました。残りの体は、すべて餌のあつまって養分を吸収しています。1本の管は少し曲がっていますが、だいたいまっすぐです。まっすぐということは、もっとも短い距離で2ヵ所の餌をつないでいるということです。
短ければ、管をつくるからだが少なくてすみますから、餌にあつまる体が増えて短い時間にたくさんの餌を食べることができます。こんなふうに考えてみると、粘菌のとった体の形は理屈にあっているようです。
やっぱりばかにできないのかもしれませんよ。
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どうでもいい、じじぃの日記。
「単細胞」ということばには、「それほどかしこくない」という意味もありますよね。
シャーレの真ん中に粘菌を置き、シャーレの両端2ヵ所に餌を置くとどうなるか。
NHK サイエンスZERO より
粘菌に無造作に複数のエサを与えると、粘菌は散らばったエサ全体に体を伸ばします。しかし、しばらくすると、より効率よく栄養を得るために、自らの体を血管のような管状にしてエサとエサの間をつなぎ、体の大部分をエサ全体にまとわりつかせます。
やっぱりばかにできないのかもしれませんよ。
とか。