じじぃの「コブハサミムシ・利他行動・進化最大の謎?禁断の進化史」

Forficula auricularia


コブハサミムシ

2018.12.06 白根開善学校 写真部
ハサミムシ目 クギヌキハサミムシ科 コブハサミムシ亜科
Anechura harmandi
カメムシほどではないですが、校内でよく見かける昆虫の一つ。
調べてみると、興味深く感動的で驚きの生態です。
https://shirane.ac.jp/shizen_zukan/?p=1303

『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』

更科功/著 NHK出版新書 2022年発行

第2部 進化にとって意識とは何か より

第12章 進化最大の謎に迫る

意識のメリット、デメリット

仮に総合情報理論(ジュリオ・トノーニによって提唱された理論。意識には情報の多様性・情報の統合という2つの基本的特性があり、ある物理系が意識を持つためには、ネットワーク内部で多様な情報が統合されている必要があるとされる。ネットワーク内部で統合された情報の量は「統合情報量」として定量化され、その量は意識の量に対応しているとされる理論)が正しいとすると、意識が生じるためには、複雑なニューロンの活動が必要になる。
つまり、意識がない場合と比べて、エネルギーが余分にかかるわけだ。そういうデメリットがあるにもかかわらず、意識は進化した。ということは、素直に考えれば、意識には人間が生きていくうえで、あるいは子孫を残していくうえで、デメリットを上回る何らかのメリットがあるということになる。

それでは、意識のメリットとは何だろうか。
意識のメリットは、他人の心を推し量れることだ、という意見がある。たしかに、他人の心をシミュレートして推し量ることができれば、生きていくうえでいろいろと役に立つに違いない。

でもそれは、意識が最初に進化した理由ではないだろう。他人の心を推し量るためには、すでにその他人に、かなり発達した意識がなければならないからだ。とはいえ、意識がある程度発達した後では、他人の心を推し量れることがメリットとなって、さらに意識が高度に進化した可能性はあるだろう。

さまざまな難題に対処して、目的に向かって柔軟に行動できることが、意識のメリットだという意見もある。たしかに、生きていれば、経験したことのないような困難に出くわすこともある。そういうときには、状況をきちんと把握して、それを乗り切るために柔軟で複雑な行動をすることが求められるが、それらは意識があるときに行なわれることが普通である。この100年あまりのあいだに、数十人の哲学者や科学者が、意識のメリットについてさまざまな意見を述べているが、そのなかで比較的多いのが、この意見である。

逆に意識があると、生存や繁殖に振りになる状況は考えやすい。進化によって最適化されている生物の行動を、意識は乱すことができるからだ。

コブハサミムシは日本に生息するハサミムシで、母親は冬に数十個の卵を産む。そして、春先になると卵が孵化(ふか)して、白くて透明な幼虫たちが現れる。そして、1日ぐらいで幼虫は親と同じような黒っぽい色になる。この幼虫たちの最初のエサになるのが母親なのだ。

母親は、幼虫たちが孵化した後も、その場に留まっている。そのうちに、幼虫が、母親の背中に上ったり、足に噛みついたりし始める。逃げようと思えば逃げられそうに見えるけれど、母親は逃げ出さない。やがて、数十匹の幼虫にたかられて、体を少しずつ、食べられていく。数日で母親の体は食べ尽くされ、頭部や鋏(はさみ)などの硬い部分だけが、バラバラになって残されていたりする。それから、幼虫たちは周辺の木や草へと散らばって、単独生活を始めるのである。

母親を食べるというコブハサミムシの行動が、自然淘汰による進化で生じたことは疑いない。
自然淘汰では、子孫をたくさん残せる形質が増えていくのである。コブハサミムシの母親にとっては、自分の体を食べさせるという形質が、子をたくさん残せる形質なのだ。

ところで、コブハサミムシには意識があるのだろうか。もし、なければ、自分の体を食べさせるという形質が進化することに、とくに不思議はない。しかし、もしコブハサミムシの母親に意識があったらどうなるだろう。自分の子供たちに足や体を噛まれる痛さに耐え切れずに、逃げ出す母親も出てくるのではないだろうか。その場合は、意識があるほうが、進化においては不利になる。

いや、もしかしたら、コブハサミムシには意識があるのだが、何らかの理由で体が動かなくて、逃げ出せないのかもしれない。この場合でも、意識に反して体を動かなくする仕掛けをつくるために余計なエネルギーが必要なので、意識があるほうが不利になるだろう。

コブハサミムシの話は極端かもしれないが、意識があるほうが自然淘汰において不利になることは、しばしばあると考えられる。意識には強烈な自己保存に対する欲求があるので、子孫を多く残すことと、自己保存の欲求が対立する場合は、意識があるほうが自然淘汰において不利になるからだ。

もっとも、反対に、自己保存の欲求が子孫を多く残す結果になることだって、ないことはない。たとえば戦国時代に、自分が死にたくないために、あいてを斬って斬って斬りまくり、なんとか生き残ることができたおかげで、その後結婚して、子供をたくさん残せた、そんなケースもあったろう。でも、自己を保存するためなら、とくに意識はないのではないだろうか。

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どうでもいい、じじぃの日記。

意識は、「起きている状態にあること(覚醒)」または「自分の今ある状態や、周囲の状況などを認識できている状態のこと」を指す。これに対して、 無意識は五感に対する刺激が脳で感じ取られず、刺激を認識していない状態である。

具体的には、ほとんどの動物は「針」で刺された場合、痛さを感じて逃げ出すのではないだろうか。

母親を食べるというコブハサミムシの行動が、「進化最大の謎」なのだそうだ。

「ところで、コブハサミムシには意識があるのだろうか。もし、なければ、自分の体を食べさせるという形質が進化することに、とくに不思議はない。しかし、もしコブハサミムシの母親に意識があったらどうなるだろう。自分の子供たちに足や体を噛まれる痛さに耐え切れずに、逃げ出す母親も出てくるのではないだろうか」

卵から孵化した幼虫が母親を食べる動物は、コブハサミムシの他にクモの仲間がいる。

利己的な遺伝子』の著者リチャード・ドーキンスによれば、ハサミムシの母親が自分の体を子供に食べさすことも、次世代にコピーした遺伝子を残すためなのだそうだ。

まあ、こんな生き物は例外なのかもしれないが、遺伝子レベルで何かが起きているのだろう。

話変わって、

  2018年3月、フランス南西部で発生したスーパー立てこもり事件で、人質の身代わりとなり撃たれた憲兵が23日に死亡したと、仏政府が24日発表した。

毎日テレビで、ウクライナ関係の報道番組を見ている。
先日も、
ウクライナ東部ドネツク州でミサイル攻撃、10人が死傷」とか、やっていた。
いろいろな報道を見たりして思うに、
プーチンの「大ロシア構想」のようなものが戦争の原因になっているみたいだ。

報道番組で、中年の女性が言っていた。
「私が何をしたというのよ。息子も、父親、母親も殺されてしまった!」

誰か、プーチンをプッチンしてくれ!