じじぃの「カオス・地球_16_壊れゆく世界の標・中国とどう渡り合うべきか」

中国経済崩壊】中国の中小企業が大量倒産!脱中国の動きに拍車!失業率20%の異次元なレベルへ!【日本の凄いニュース】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=8dM8impO1tk

中国リスク 2027年までに台湾有事が起こる?


ホンダが、マツダが「脱中国」 チャイナリスク回避へ…日本企業、今こそ行動のとき

2023/6/19 Yahoo!ニュース
米中対立が激化する中、米国のブリンケン国務長官と中国の秦剛外相が6月18日に北京で会談し、緊張が続く中でも双方が対話を継続することを確認し、秦剛外相が米国を今後訪問することで一致した。

一方、こういった不透明な世界情勢に、日本企業の間で懸念が広がっている。台湾有事となれば必然的に日本と中国との関係は一気に冷え込むことから、日本企業の間では今のうちからチャイナリスクを回避しようと、これまでの中国依存から脱却する動きが広まっている。
そして、中国では7月から反スパイ法の改正案が施行されるが、スパイ行為の定義が国家機密の提供に加え、国家の安全と利益に関連する資料やデータ、文書や物品の提供や窃取もスパイ行為とみなられるようになる。これによってますます在中邦人が拘束される可能性があり、日本企業の脱中国に拍車がいっそう掛かるかも知れない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/79f3d34dc65a37e0a436e06f1a7a46cbe2d461d5

NHK出版新書 壊れゆく世界の標(しるべ)

【目次】
第1章  命を守らない国家
第2章  アメリカを覆う「被害妄想」
第3章  スローガンを叫ぶだけでは何も変わらない
第4章 変革は足元で始まっている

第5章  可能なる平和を求めて

第6章 持続可能な社会への道標
第7章 知性の悲観主義、意志の楽観主義

                  • -

『壊れゆく世界の標』

ノーム・チョムスキー/著、デイヴィッド・バーサミアン/聞き手、富永晶子/訳 NHK出版新書 2022年発行

第5章  可能なる平和を求めて より

中国とどう渡り合うべきか

――中国の国内課題に一部について伺います。中国北西部におけるイスラム少数民族ウイグルへの弾圧やチベット問題、香港の問題、労働者の蜂起などが起こっています。それと同時に中国では、超富裕層階級が爆発的に増加していますね。

糾弾されるべき弾圧や人権侵害は、各地で起こっている。
中国の資本主義は、おそらくアメリカのものよりさらに不公平だと言えるだろうね――このふたつがよく似ているのは間違いない。非常に不公平な社会だ。

チベット問題はかなり昔から存在するが、近年、新しい動きはないと思う。香港ではより強硬な手段で圧政が敷かれ、民主主義が制限されている。もっとも、香港に民主制が敷かれたのは、まだそれほど昔ではない。イギリスは中国に対して大規模な戦いを仕掛け、香港を奪って植民地にしたときだからね。

われわれは忘れがちだが、中国人はイギリスのこの行ないを忘れてはいない。イギリスとその派生国の富の基盤の大部分が19世紀にアヘン密貿易によって築かれたことを思いだしてもらいたい。これは一大ビジネスだった。イギリスはアヘン貿易を独占するためにインドの大部分を征服し、中国を脅してアヘンを無理やり輸入させた。

当時、中国は世界で最も裕福で先進的な国だったが、残虐性や暴虐性ではヨーロッパにとうてい敵わなかった。ヨーロッパはその残虐性を駆使して世界を征服したのだ。糾弾されるべき非道行為は山ほどある。

広東州の中国人行政官が、イギリスのアヘン商人が同州で与えられた特権を乱用しない法律を施行してほしいとヴィクトリア女王に申し入れたとき、女王はこの申し入れにどう応えたのか? 中国艦隊と防衛部隊を壊滅させ、さらに大量のアヘンを中国に押しつけるために英国海軍を送った。英国軍は中国を侵略し、北京を征服して、頤和園(いわえん、注:皇帝の庭園)を破壊した。すべてアヘン貿易のためだ。その一環として香港を植民地にし、大英帝国のアヘン密売の拠点としたのだ。

実際、アメリカ人もそれに関わっていた。アメリカの大富豪一族や、富の集中に注目してみるとそれがわかる。彼らの多くが、19世紀のアヘン密貿易という不正な金儲けに関わっていた。当時、アヘンは世界の貿易における主要商品だったはずだ。アヘン密貿易に関わったアメリカ人富豪で最も有名なのは、フランクリン・デラノ・ルーズベルトだ。彼の祖父ウォレン・デラノは、中国とのアヘン貿易によって巨万の富を築き、それがフランクリン・デラノ・ルーズベルトを含むデラノ一族に遺された。母のサラ・デラノから祖父の話を聞いて育ったフランクリンは、自分が中国にたいして特別優れた洞察力を持っていると信じた。これが、のちに非常に深刻な影響を与えることになったわけだ。

香港が植民地となった背景には、こうした事情がある。もちろん、だからといって中国のしていることが許されるわけではない。しかし、その背後にどういう原因があるのかを理解するのは重要なことだ。

新疆ウイグル自治区に関しては、深刻な人権侵害が行なわれているという信頼に足る報告がある。アムネスティ・インターナショナルヒューマン・ライツ・ウォッチなどの機関が、100万人ものウイグル族が再教育収容所に送られていると報告している。なかにはひどい暴行や拷問を受けている者もいる。こうした非人道的行為も、糾弾されるべきだ。

――中国はあとわずか数年で世界最大の経済大国となる道を着々と歩んでいます。それによってどんな影響が出るのでしょう?

購買力平価(PPP)を基準にすれば、中国はすでに世界最大の経済大国だ。とはいっても、それ自体に大きな意味はない。中国は18世紀にも世界最大の経済大国だったが、その事実がヨーロッパやアメリカの残虐行為から国家が守ってくれただろうか?

まず国民1人当たりの基準として見てみよう。人口が多ければ、当然ながら経済の規模も大きくなる。中国の人口はアメリカのほぼ5倍だから、1人当たりに換算すれば、アメリカよりもずっと低い。

様々な要因を含めた人間開発の基準とされている国連の人間開発指数はどうか。最後に私が確認したときは、たしか90位だった。中国は途方もない規模の生態環境問題や人口統計の問題などを国内に抱えた、比較的貧しい国であり、国民に過酷な状況を強いている恐ろしい権威主義国家なのだよ。

中国は過去に大きな目標を成し遂げたばかりか、近年、経済発展において前例を見ないほどの進歩を遂げている。しばしば忘れられているが、あるいは見過ごされているだけかもしれないが、おおよそ1949年から1979年頃までの毛沢東時代、中国は同時期のインドと比べて、1億人も多くの人命を救った。この二国は開発途上国という点で非常に似通っている。インドは地方の開発計画――保健、教育、開発を支援するプログラム――を導入しなかったために、毛沢東時代にそれを行なった中国と比較すると、1億の人命を犠牲にした。1億は膨大な数だ。しかも、この比較には、中国の大飢饉による死者数も含まれている。それを含めても、1億もの違いがある。この1億人が、中国ののちの発展における基盤の一部となったのだ。

この件に関しては、様々な事情が複雑に絡み合っている。中国は途方もない問題をいくつも抱えている。欧米諸国と比べると開発面で大きな遅れをとっているのもそのひとつだ。また、欧米社会には存在しない問題も抱えている。将来アメリカの競争相手となりうるから中国の発展を妨げるべきだ、という考えには――言うべき言葉が見つからない。われわれは本来ならば、共通善のために協力し合うべきなのだ。

われわれは彼らの罪を糾弾すべきであり、彼らはわれわれの罪を糾弾すべきだ。互いの罪を糾弾し、それについて何か手立てを講じなければならない――糾弾するだけではなくてね。