じじぃの「科学夜話・渋滞学・邪魔な柱があったほうが早く避難できる?面白い雑学」

イグ・ノーベル賞受賞の東大教授に聞く、渋滞が起こらないようにする法則とは?【西成活裕×堀江貴文

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dR816xCRA2Y


「渋滞学」西成教授に聞く!仕事の詰まり解消のカギは待ち時間だった

西成教授:「退出実験」という、火災や地震が起きたとき、建物の中にいる人々の全員が非常口から避難するのにどれくらいの時間がかかるのかを調べる実験があります。

建物のなかにいる時に身に危険がおよぶと、部屋にいる全員がパニックに陥りますよね。そこでたくさんの人がいっせいに非常口に殺到してしまうと、扉の前で人と人とがぶつかって、身動きが取れなくなってしまうんですよ。
https://staff.persol-xtech.co.jp/i-engineer/technology/jutai

『とんでもなく役に立つ数学』

西成活裕/著 角川文庫 2014年発行

3章 ループをまわして、リアルな世界へ より

邪魔な柱があったほうが、早く避難できる?

問 ある2パターンの部屋に大勢の人がいる。部屋の中の小さな出口の前に、邪魔になる柱がある部屋と、何もない部屋。緊急事態が発生し、できるだけ早く全員が部屋から逃げなければいけないが、どちらのほうが早い?

邪魔な柱などない部屋のほうが早いと思うでしょう。でも、障害物があったほうが早い場合があるのです。

――え!? どうしてですか?

NHKの『サイエンスZERO』という番組に出演したとき、実際に50人に協力してもらって6回実験したのですが、障害物の柱を立てたほうが6回とも早かった。毎回約2、3秒違います。なぜこうなるか、わかる?

――柱の部分だけ人がいないから?

ほとんど当たりです。柱のような邪魔なものがあると、その分、人が殺到しなくなるでしょう。何もないとワーッと人が集まって、ぶつかり合って流れがつまってしまう。障害物によって、人が押し寄せるのが抑えられるのです。ビデオで分析してみると、人と人がぶつかり合う回数は、障害物がない部屋のほうが多い。

――どうして障害物を置こうと思いついたのですか?

はじめは障害物があると、どれだけタイムが遅くなるかを知りたかったのです。障害物がどれだけ悪さするかを研究しようと思って、やってみたら「あれ?」って(笑)。狙ってやったわけじゃない。まったく予想外の結果で、後づけです。われ先に、と一人ひとりが自分勝手に最大限逃げようとするより、邪魔な柱があって、それぞれちょっとだけ我慢している状態のほうが、実は全体が早く逃げられる。
フランスの地下鉄では、電車のドアが開くと入り口の真ん中にボールが立っていますが、そのほうが出入りがスムーズになるということを経験的に知っているのではないかと思います。

――このシミュレーションのセルオートマトンでは、どんなルールを使っているのですか。

これは「フロアフィールドモデル」というセルオートマトンです。ライフゲームのところで説明したような、東西南北に動ける2次元のセルを使うのですが、「人がいたら動けない、いなければ動ける」という基本ルールはそのままです。
複数のルールを設定していて、まず、それぞれができるだけ最短距離で動くということと、同時に「パニック度」というものを入れています。

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どうでもいい、じじぃの日記。

「渋滞学」という学問があるのか知らないが、実際、渋滞というのは交通だけでなく、我々の体のなかでも、大問題なのだそうだ。

「老化現象」なども、体の血液の循環がスムーズに働かなくなることなのかもしれない。

この本の著者 西成活裕先生は、2021年のイグ・ノーベル賞の受賞者だ。

受賞対象のタイトル。

「なぜ歩きスマホで歩行者同士がぶつかりそうになるのか」

イグ・ノーベル賞といえば、少女が近づいてきて言う言葉。
「もうやめて! 私は退屈なの!」

これを言われると、傷つく受賞者もいるのだとか。