じじぃの「ウクライナに平和を・世界で最も肥沃な土地!世界で飢える日本」

【5分くらいでわかる地理】ウクライナ「『ヨーロッパの穀倉地帯』と呼ばれるウクライナの小麦栽培は、肥沃な土壌チェルノーゼムのおかげだった!」【ヨーロッパ】#025

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=pPCUPjCOc-o

ウクライナを中心に東西に延びる肥沃な黒土地帯がチェルノーゼム


チェルノーゼム(黒土)


ウクライナ地政学と危険な「核の威嚇」

2022/04/28 読売新聞
●欧露境界にもなったドニプロ川
歴史的にロシアと欧州との間でこうした役目を果たしてきたのが、ウクライナ中央を流れるドニプロ川だ。ロシア西部からベラルーシウクライナ中心部を通り、黒海に注ぎ込む全長2200キロの大河で、わずかな距離ではあるが、ウクライナ北部ではベラルーシとの自然的国境にもなっている。

ウクライナの地の利を知る露
ウクライナはまた、ステップ草原の腐植質を多く含むな土壌「チェルノーゼム(ロシア語で黒土)」に支えられた小麦などの穀倉地帯であり、ロシアとは競合関係にある。ウクライナの「地の利」は、ロシアが最も高く評価しているのかもしれない。
プーチン露大統領の真意や狙いがどこにあるのかわからないが、左岸側だけの掌握と、両岸の掌握とでは地政学的な意味はずいぶんと変わってくる。キーウ(キエフ)のほか、鉄鉱、ウラン、石炭の重要鉱床が集中する中部ドニプロ周辺の状況に注目したい。
https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckworld/20220426-OYT8T50114/

『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

鈴木宣弘/著 講談社+α新書 2022年発行

第5章 農業再興戦略 より

農業の大規模化はムリ

「日本は小規模農家が多いので、企業の参入によって大規模化すべきだ」という意見も目にする。だが、農業の規模を見れば、無理な話というほかない。

少子高齢化による人手不足や、低所得により、農家はかなり減ってきている。そのため日本全国で耕作放棄地が増えている。農家が減った分、1軒あたりの耕作面積が広くなればいいが、残念ながらそうなっていない。

日本の場合、山間部が多いため、耕作地は狭くならざるを得ない。オーストラリアのような平野が広がっているなら、1区画100ヘクタールもの耕作地が当たり前だろうが、日本の場合、農地がどうしても細分化してしまう。

日本でも、1軒あたりの耕地面積が50~100ヘクタール程度というケースもあるが、その場合の田んぼは、1000ヵ所以上に点在しているのが普通だ。そんな状態で、農業を効率化するのは無理だろう。これは日本の土地条件の制約によるもので、企業が参入したところで簡単には変えられない。

実際、農業に参入した大企業はほとんど撤退してしまっている。企業がやればうまくいくというのは幻想なのだ。企業が参入したからといって、自然を相手にして、思うように生産をコントロールできるものではない。

それに、企業は生産を合理化することには長けているが、需要を創出できるとは限らない。せっかく農作物を増産したところで、需要をつくれなければ意味がない。一時は工場型の水耕栽培、いわゆる「植物工場」が話題になったが、これには莫大な費用がかかる。それに見合う収益を上げ続けるのはまだまだ現実的ではないのだ。

有機農業で中国にも遅れをとる

そもそも、土を使わない水耕栽培によってできる農産物は、たしかに安心・安全ではあるが、微量栄養素が不足するとも言われている。土には土壌微生物がたくさんいる。それが微量栄養素を作り、人間の健康にも良い影響を与える。

実は、日本には「黒ボク土(ど)」と呼ばれる、非常に肥沃な土がある。世界で最も費用クな土は、先述したウクライナの「チェルノーゼム」だが、その次に良いのが「黒ボク土」とも言われている。しかも、日本にある「黒ボク土」は世界で最も多いという。

つまり、日本の農地は、もともと肥料をやらなくてもよいくらい、力を持っているのである。それをうまく活用した農業をやれば、生産力はもっと高められるともいう。しかしながら、現状、日本の農業はその力をまだまだ発揮できていない。それどころか、有機農業などは、世界からかなり遅れを取っている。

かつての中国は、肥料・農薬の使い過ぎを指摘されていたが、現在は、国策として有機農業を大々的に推進している。EU向けの有機農産物の輸出量ですでに世界1位、有機農産物の生産量で世界3位というデータもある。

ヨーロッパが食の安全基準を厳格化し、消費者を中心に有機農業への支持が広がったことで、ヨーロッパへ食料を輸出する国でも、有機農業を拡大する動きが広がっている。

日本の農業がオーストラリアやアメリカ、ニュージーランドと同じ土俵で戦っても、勝てるわけがない。必要なのは、農家1軒あたりは狭い農地であっても、安心・安全な国産という消費者の評価を確立し、国全体では一定程度の食料自給率を維持していくための「工夫」と「国による支援」である。

もちろん農家には、できる限りのコストダウンが求められる。だが、いま根本的に欠けているのは、農家が農業を続けていける共生システム作りと、補助金を含めた国からの支援なのは言うまでもない。

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じじぃの日記。

鈴木宣弘著『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』という本に、ウクライナの「チェルノーゼム(ロシア語で黒土)」のことが書かれていた。

チェルノーゼムはきわめて養分に富んだ肥沃な土壌で生産力も高く、いわゆる黒土地帯と呼ばれる穀倉地帯を形成している。

その肥沃な土地の中心部にドニプロ川が流れている。
ドニプロ川の支流はベラルーシで、ウクライナ中心部を通り、黒海に注ぎ込んでいる。
ベラルーシウクライナの国境近くに、廃炉になったチェルノブイリ原発がある。

今年の3月、ロシアのプーチン大統領が、隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備する計画を明らかにした。

何となく嫌な予感がします。
(ドニプロ川の河口200キロ上流にロシアが占領しているザポロジエ原発がある)