じじぃの「ホラー漫画・犬木加奈子World・亡霊の棲む家!実話怪奇譚」

すきま(犬木加奈子)「真夜中の怪談 漫画家たちの競演 16編」

ニコニコ動画
https://www.nicovideo.jp/watch/so37722370

亡霊の棲む家~犬木加奈子恐怖world~


犬木 加奈子(漫画家)

マンガペディア より
漫画家。女性。有線放送勤務のOL時代、ホラー誌に投稿したのがきっかけで、1987年「少女フレンド」の楳図かずお特集号に『おるすばん』を掲載し、デビュー。
その後も「恐怖の館DX」「ホラーサスペリア」「サスペンス&ホラー」「ザ・ホラー」など、ホラー誌で活躍。代表作に『不思議のたたりちゃん』『プレゼント』『ゴキブリの家』『不気田くん』『夢少女ネムリ』などがある。

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『実話 怪奇譚』

蜂巣敦/著 ちくま文庫 2005年発行

日常の恐怖の演出、『犬木加奈子 World 亡霊の棲む家』 より

いまや押しも押されもせぬホラー漫画界のクィーン……というのが「慣用句」にすらなった犬木加奈子が原作。だからといって、登場人物の目がみな以上に大きく、グリングリン動くわけではない。しかし、人間関係の不全からネチネチ神経を締めあげられる恐怖と、どこかユーモラスな人物の雰囲気が組み合わされて、原作のテイストをうまく伝えている。

ある高層マンションを舞台に、そこで起きる怪奇なエピソードをオムニバス形式でみせる。明確に『第何話』と分かれてはおらず、全体が一作品としてつながっているが、主要なエピソードとなるのは、いずれも同じマンションに住む3組の若夫婦にふりかかる怪奇譚3話だ。自意識の膨張や他人への配慮不足……現実的に身近な題材を用い、日常へのちょっとした教訓となっている。これもまた犬木加奈子のマンガの特徴であるといえよう。

1話目は、新婚ムードが去り、会社から帰宅してもろくな会話もせず、食卓でノート・パソコンを開いて料理を見もせずに食べる夫に対し、従順な妻がある復讐を企てる。

2話目は、臭いに過敏で潔癖症の若妻が、ゴミ番の日に分部tでできていないゴミ袋を部屋に持ち帰らせられたことをきっかけに、他人のゴミに対して異様な執着を燃やすようになっていく。非分別のゴミを捨てた犯人探しが高じて、ゴミから他人の生活を推測するのが趣味の女「村崎百郎」と化し、いい暮らしぶりの臭いに勝手に嫉妬心を燃やす。

妻の尻に敷かれ、毎朝腋の下に消臭スプレーをかけてもらってから出勤する情けない夫役は、『鉄男』『バレット・バレェ』等の監督兼役者であるカルト映画の巨匠・塚本晋也。妻の小言に絶えず気弱なニヤニヤ笑いで応じる軟体動物のような男を、また自作のときとは違ったコミカルで怪演、登場人物のなかでも異彩をはなつ。塚本といえば硬派な暴力性をイメージする人には、意表をついたかたちのコワイ演技を見せる。

3話目は、若夫婦の隣の部屋に住む不気味な女性が、ある出会いをきっかけにどんどん妻に外見を似せていき、調度品等もそっくり同じモノを揃えていくというホラー。1番怖かったのは、怪女がバルコニーから不自然に身を乗りだして、ニヤニヤ笑いながら隣を覗いているシーンだった。これは昼間でも想像してしまうとコワイ。怪談映画の記事とかを読むと、女性がどういう場所にどんな表情やポーズで立っていれば怖くみえるかというのは、いくつかのセオリーがあるらしく、演出法としてはベタな部類に入るだろうが、見事にツボを押されてしまった感じである。「じゃあ、身体のみえない部分はどうなっているんだ?」と想像をあおるのが、やはり恐怖のポイント高いと思う。

他にも、観察されているという強迫観念に駆られた妻が壁に聞き耳をたてると、隣も同じことをやっていたというシーンがあって、それも怖いシチュエーションなのだが、ちょっとフランス小咄かもしれない。なんでも飼主の真似をする猿が、留守の間ナニをやっているのだろうと飼主が外の鍵穴から覗くと、猿も覗いていたというやつ。

全体的に、ストーリーがどう転ぶかわからない面白さがある。光の当て方やカメラワークも凝っており、合間あいまに登場する「異形の者」や「恐怖シーン」の演出もうまい。なかなかの和製ホラー秀作である。

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どうでもいい、じじぃの日記。

少し古い本だが『実話 怪奇譚』に、「日常の恐怖の演出、『犬木加奈子 World 亡霊の棲む家』」が書かれていた。
犬木加奈子

漫画家 藤子不二雄Aさんが亡くなって、1年が経った。
本名 安孫子素雄さんは1934年(昭和9年)生まれ、88歳だった。
漫画界の巨人 手塚治虫にあこがれた若者が次から次へと「トキワ荘」に集まった。
東京都豊島区にあった木造2階建てアパート「トキワ荘」は、1952年から1982年にかけて存在し、特に1950年代には、手塚治虫藤子不二雄安孫子素雄&藤本弘)、石森章太郎赤塚不二夫といった、のちの日本漫画界を背負う若者たちが住みつき、創作に励んだ。

ホラー漫画で有名な楳図かずおさんも手塚治虫にあこがれ、漫画家になることを決意し上京したという。
内容は忘れたが、先生の作品『まことちゃん』はよく読みました。

「いまや押しも押されもせぬホラー漫画界のクィーン」

まだ犬木加奈子さんの作品は、1つも読んだことがありません。 (^^;

犬木加奈子さんの場合は、楳図かずおの漫画にあこがれて、北海道から上京したという。

まあ私は、手塚治虫藤子不二雄安孫子素雄&藤本弘)、石森章太郎赤塚不二夫楳図かずおの作品を読んで育ちました。
楳図かずおさん、いつまでもお元気で。