Spacetime diagram
The Puzzle of an Eternally-Existing, Self-Reproducing, and Inflationary Universe
JANUARY 9, 2012
Roger Penrose has argued that a universe like ours had to start out in a very particular state and that inflation by itself was not the final answer.
It implies that a theory that states the reasons why inflation started is needed. All models that include inflation predict that it will never completely end.
https://scitechdaily.com/the-puzzle-of-an-eternally-existing-self-reproducing-and-inflationary-universe/
Ironing out Infinities with the Conformal Diagram
Nov 23, 2020 astrobites
Authors: Roger Penrose
Figure 1: Light cone for an event e_get in spacetime, with key properties labelled.
The time direction points upward, while the spatial directions are perpendicular to it. The top half of the lightcone is the future of the event and the bottom half is the past of the event. Points that fall outside the lightcone can never affect or be affected by e_get. The red point corresponds to an impossible event (Adapted from Wald 1984)
https://astrobites.org/2020/11/23/conformal-diagram/
[私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか] 宇宙論の新書シリーズその4 - 『マルチバース宇宙論入門』(野村泰紀)
9/13/2021 モニオの部屋
宇宙の歴史を説明するうえで、ペンローズ図という時空図が出てきます。
ペンローズ図とは、時間方向を縦に、空間方向を横に取り、光の進む経路が45度になるように描かれています。
https://www.monionoheya.com/2021/09/multiverse-cosmology.html
なぜ宇宙は存在するのか――はじめての現代宇宙論
【目次】
第1章 現在の宇宙
第2章 ビッグバン宇宙1――宇宙開闢約0.1秒後「以降」
第3章 ビッグバン宇宙2――宇宙開闢約0.1秒後「以前」
第4章 インフレーション理論
第5章 私たちの住むこの宇宙が、よくできすぎているのはなぜか より
5-1 私たちの宇宙の全貌
第4章までに述べたことは、現在ではある程度確信して語ることができる、私たちの宇宙に関する概要でした。ここからは少し話が違ってきます。そのことを述べる前に、少しここまでの話をおさらいしてみましょう。
宇宙は誕生後10-38秒から10-26秒ほどの間のどこかで、急激に指数関数的に膨脹しました。いわゆるインフレーションです。そしてその膨脹に関与したエネルギーが熱エネルギーに変換されることによって、高温高密なビッグバン宇宙への変換が起きました。そのビッグバン宇宙は、インフレーション期よりははるかにまろやかながら、さらに膨張を続け、そしてそのために冷やされていき、現在の摂氏マイナス270度程度の宇宙になったわけです(図5-1、画像参照)。
これが意味するところは、現在私たちが見る宇宙の全ての構造の起源をたどっていけば、銀河団、銀河、恒星、惑星、さらにはそこに存在する生命に至るまでが、インフレーション期の量子力学的揺らぎによるものだということです。この僅かの揺らぎが、後に重力により増幅されていくことで、現在のこの世界が形作られたのです。さらに、私たちが知る物質は宇宙に存在する全物質の一部でしかなく、それは反物質との大量の対消滅を逃れたほんの僅かな残りカスでしかない、ということも前章までに見てきました。
こうして見てくると、私たちは宇宙にとっては極めて取るに足らない存在であることがわかります。しかし、私たちがそのように小さな存在であるにもかかわらず、この壮大な宇宙像を科学の力によって明らかにしてきたことも、また事実なのです。
ペンローズ図で考える、宇宙の始まりと果て
では、私たちの宇宙は、どこまで明らかにすることが可能なのか、限界はどこにあるのでしょうか。宇宙に始まりはあるのか、果てはあるのか、といった根源的な問題の答えを、これまでに明らかになった宇宙の歴史から得ることはできるのでしょうか。
このことを正確に考えるためによく使われるのが「ペンローズ図」と呼ばれていりのです(図5-2、画像参照)。一般的に「時空図」として知られており、物理学者が物事の因果関係を明らかにするときに用います。
このペンローズ図を使って、私たちの宇宙がどのように表わされるかを考えてみたいと思いますが、まずは描き方のルールを説明します。といってもそう難しいことではありません。基本は、縦方向に時間、横方向に空間を取り、光の進む経路が45度になるように描くということだけです。
図5-2では、А(上の逆三角形と下の三角形の接点くびれた点)という時空上のある一点、つまりАというある時刻にある場所で起こったでき事が、時空のどの領域に影響を与え得るか、また時空のどの領域からの影響を受け取るかを示しています。
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図中のグレーで示した部分(三角形の接点А)がこれらの領域で、Аと因果的につながっている領域を表しています。ここまで述べてきた因果の関係から市銭理解できると思いますが、物理では、この上側の逆三角形の部分をАの未来、下側の部分をАの過去と呼びます。
そして、Аの両横の白い部分(三角形の外側)は、Аと「空間的に離れた」部分となります。この領域は、ある意味で「Аと同時刻における、Аとは異なる場所」の集合体と考えることができます。なぜなら、同時刻の違う場所に影響を与えることは、シグナルが無限に速く伝わらない以上、不可能だからです。そして、このАと互いに影響を与え合うことができないというのが、まさにこの領域の特性だからでもあります。
さて、ペンローズ図の意味がわかったところで、前述したことを少し復習しましょう。宇宙は大きく見れば一様であり、その超初期にはスローロールインフレーション(slow-roll inflation:「ゆっくり転がるインフレーション」と訳されることもあります)からビッグバンにつながる再加熱と呼ばれるでき事がありました。そして、それ以降の宇宙は時間が経つにつれて徐々に冷えていく、その過程で温度が十分に下がって光が自由に伝搬できるようになった時期(宇宙の晴れ上がり、宇宙誕生から38万年後)があり、そこから放たれた光が宇宙背景放射として138億年後の私たちに伝搬してきているのです。
この様子をそのまま描けば、図5-3(単純に考えたときの宇宙のペンローズ図、図の一番下にインフレーション、その上にビッグバン、その上に宇宙背景放射)のようになると考えられます。この図では、横方向はどこも同じで、縦方向はビッグバンという線より上で、上部に行くほど徐々に色が薄くなっていっています。つまりこれは、空間的(横方向)には一様で、時間的(縦方向)には一様性を保ったまま温度が下がっていくという状況を、もっとも単純に図式化したものになります。
もしこの図が正しいならば、宇宙には何らかの始まりがあるが、空間的な果ては存在しないというのが、私たちの「宇宙の始まりや果てはあるのか」といった疑問への答えとなります。そしてそれは、この時空には「現在」私たちの宇宙以外に「他の宇宙」は存在しないということを意味します。なぜなら、宇宙をどこまでいっても、同じ一様な状態が続くのみだからです。