じじぃの「遺伝子・運命を変えるDNAスイッチ?キリンに雷が落ちてどうする」

スペシャル人体Ⅱ 「DNAスイッチ」

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=MLVDFJOh2o4

DNAのスイッチ


運命を変える「DNAスイッチ」子孫まで影響する?「精子レーニング」とは

2021年5月12日 NHK
【司会】タモリ山中伸弥京都大学iPS細胞研究所 名誉所長)
今、遺伝子の研究で最もホットな分野の一つが"DNAのスイッチ"、専門的には「エピジェネティクス(後成遺伝学)」と呼ばれるものです。
なんとDNAにはまるで「スイッチ」のような仕組みがあり、その切り替えによって遺伝子の働きががらりと変化。さまざまな体質や能力、病気のなりやすさなどが変わり、私たちの運命や人生までも左右するというのです。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_972.html

『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』

品田遊/著 朝日新聞出版 2022年発行

スイッチ より

急に下顎(かがく)が震えて歯がガチガチ鳴り始めた。たいして寒くもないのに。しかしすぐに震えは収まってしまった。もういっぺん再現できないか? と顎(あご)を閉じる角度をゆっくり変えてみると……ガタガタガタ! と震える位置を割り出すことに成功した。気分はピッキングのプロだ。スカイリムというゲームで民家に空き巣に入るときも、だいたいこういうミニゲームをやらされる。

足つぼとか鍼灸(しんきゅう)とかが人気なのは「人体にスイッチがある」という事実が面白いからなんじゃないだろうか。ここを押すと、こうなる。というメカニクスを自分で確認できるのは、単純で楽しいんだろうと思う。性的機能を達者にしていくことを「開発」とか言うのもその延長ではないか。顎を自動で震わせながら「もし自分がアンドロイドなら、震える顎の角度を数値で残しておけるのに!」と思った。

試行錯誤して「歯をガチガチさせるゾーン」をついに見つけた。だが、見つけたからといって、役立てる方法はない。じゃがりこがあれば「全自動じゃがりこ」ができたかもしれないが、なかったので、所在なく部屋の中をウロウロしてからまたパソコンの前に戻った。

顎の震えは収まっていた。スイッチを入れればまた震える。

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どうでもいい、じじぃの日記。

品田遊著『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』という本に、「スイッチ」というエッセイが書かれていた。

そういえば、
ニール・シュービン著『進化の技法――転用と盗用と争いの40億年』という本に、こんなことが書かれていた。

長さ1.8メートルのDNAの鎖は、ぎっしりと巻かれ、針の頭より小さくなっている。想像してほしい。そのDNAの鎖が100万分の1秒ほどの間に開いたり閉じたりし、のたくったりねじれたりしながら毎秒数千個の遺伝子を活性化している様子を。卵が受精し、成長して、私たちが成年期を過ごす間、遺伝子は絶えずオンになったりオフになったりする。ヒトはたった1個の細胞から始まる。やがて、細胞が増殖するとともに、種々の遺伝子が活性化されて細胞の活動を制御し、体内の組織や器官をつくり上げる。私がこの本を書いている間にも、あなたがこの本を読んでいる間にも、40兆個の細胞のすべてで遺伝子スイッチが入っている。DNAには多数のスーパーコンピューターに匹敵する演算能力がある。そうした指令に基づき、全部で2万個という比較的少数の遺伝子が。ゲノムに散在する制御領域を用いて、線虫、ハエ、ヒトなどの複雑な体をつくったり維持したりしている。この驚くほど複雑で動的な機構に起きる変異こそが、地球上の全生命の進化の原動力になっている。絶えず巻かれたりほどけたり、あるいは折り畳まれたりしている私たちのDNAは、さながらアクロバティックなマエストロであり、発生と進化をつかさどる指揮官である。
この新しい科学が、40年前にヒトとチンパンジーのタンパク質に違いを見いだそうとしたメアリー=クレア・キングの苦悩を物語っている。キングとウィルソンは当時すでに遺伝子スイッチの重要性を認識していた。
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遺伝子の働きを制御するスイッチに変異が起きると、実にさまざまな形で、動物の胚、あるいは生命の進化に影響がおよびうる。

例えば、脳の発生をつかさどるタンパク質について、発現する期間が延びたり発現する部位が変わったりすれば、それまでよりも大きくて複雑な脳が誕生するかもしれない。遺伝子の働きをいじることで、新たな種類の細胞や組織、あるいはこの後見ていくように、新たな種類の体を生み出すことができるのである。
   
年寄りは、変なスイッチがオンになったりして。
トホホのホ。