じじぃの「余命1日・カゲロウ・3億年命をつないできたつわもの!生き物の死にざま」

Muha enodnevnica (Ephemerella danica)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=a6MV9K7opls

“死を受け入れる”とすれば、どのようなときか?


死を受け入れるのは「認識・判断できなくなった時」【現役世代の死生観に関する調査】

2014年11月19日 高齢者住宅【中楽坊】
https://www.highness-co.jp/churakubou/detail/70

『生き物の死にざま』

稲垣栄洋/著 草思社 2019年発行

3億年命をつないできたつわもの――カゲロウ より

人の命の一生のはかなさをたとえて「かげろうの命」と言う。
カゲロウはトンボに似た昆虫だが、トンボのように颯爽(さっそう)と飛ぶことはできない。飛ぶ力は弱く、風に舞うかのように空中を飛ぶ。
空気がゆらゆらと揺らめいて見えることを陽炎(かげろう)と言う。カゲロウは、この陽炎のように不確かではかないことから名付けられたと言われている。あるいは、ゆらゆらと飛ぶようすが、陽炎のように見えたからという説もある。
いずれにしても、弱々しい虫というイメージがあるのだ。
さらに、この弱々しい虫は、成虫になって1日で死んでしまうことから、「はかなく短い命」の象徴として、「かげろうの命」という言葉が作られた。

日本以外でもこのイメージは同じだったようだ。
カゲロウの仲間を意味する学名「Ephemerella」は、「1日」という意味と「翅(はね)」という意味のラテン語から作られた造語である。
切手やはがきなどの使い捨ての一時的な印刷物を「エフェメラ」と呼ぶが、これも「1日」という意味のラテン語に由来しており、「カゲロウのように刹那(せつな)的な」というニュアンスを含んでいる。

このようにカゲロウは、短い命の象徴である。1日で死んでしまうと言われるカゲロウの成虫は、実際には数時間しか生きられない。短くはかない命である。
しかし、本当にそうだろうか。

じつは、カゲロウは、昆虫の世界ではけっして短い命ではない。むしろ、相当の長生きと言っていいくらいだ。
確かにカゲロウは、成虫になると数時間のうちに死んでしまう。「かげろうの命」のイメージどおり、短い命なのだ。
しかし、それはあくまでも成虫の話である。
カゲロウは、幼虫の時代を何年間も過ごす。正確な幼虫の期間はわかっていないが、2~3年と考えられている。セミと同じように、幼虫の時間が長いのだ。
昆虫の多くは、卵から成虫になって死ぬまでが数ヵ月から1年以内である。それと比較すると、カゲロウは何倍も寿命が長いと言っていいだろう。
私たちが目にするカゲロウの成虫は、カゲロウにとっては死ぬ間際の一瞬の姿なのである。
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昆虫の進化は謎に満ちている。
何しろ、私たちの祖先が、ひれを持つ魚類から足を持つ両生類に進化を遂げて、地上への進出を試みていた頃、すでに、カゲロウの仲間は翅を持ち、現在と同じように空を飛んでいたほどだ。
地球に初めて誕生した昆虫は翅がなかったと考えられるが、カゲロウは、翅を発達させて空中を飛んだ最初の昆虫であると推察されているのである。
それから3億年。カゲロウは現在も変わらぬ姿をしているのだからすごい。カゲロウは生きた化石なのである。生き残ったものが勝者という進化の生き残りゲームの中では、カゲロウこそが最強の生物の1つなのだ。
それにしても、どうして3億年もの間、カゲロウは厳しい生存競争を生き抜くことができたのだろうか。

その秘密こそが、「はかない命」にある。
カゲロウにとって、「成虫」というステージは、子孫を残すためのものでしかない。

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どうでもいい、じじぃの日記。

「このようにカゲロウは、短い命の象徴である。1日で死んでしまうと言われるカゲロウの成虫は、実際には数時間しか生きられない。短くはかない命である」

実は、カゲロウは幼虫の時間を入れると結構長生きなのだそうだ。

「カゲロウは、幼虫の時代を何年間も過ごす。正確な幼虫の期間はわかっていないが、2~3年と考えられている。セミと同じように、幼虫の時間が長いのだ」

こんな計算をしてみた。
2~3年(カゲロウの寿命、約2.5年)= 365日x2.5 = 約912日
80年(人の寿命) = 365日x80 = 29200日
29200 / 912 = 32日 ( 約1ヵ月)

カゲロウの1日は、人間の1ヵ月に相当するようです。
あなたは、あと1ヵ月しか生きられません、といわれたら何をしますか。
まあ私は、あまり人の役に立ってこなかったから、どうでもいいみたいです。
トホホのホ。