じじぃの「グロウワーム(ツチボタルの幼虫)・青白く光る玉スダレ!へんないきもの」

Glowworms in Motion - A Time-lapse of NZ's Glowworm Caves in 4K

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=JC41M7RPSec

New Zealand’s Glowworm


The Gooey Details Behind a Glow Worm’s Starry Night Illusions

Dec. 16, 2016 The New York Times
In the Waitomo caves in New Zealand, thousands of blue lights dangle from the ceilings, twinkling like stars in a night sky.
Tourists flock to the caves, awe-struck by the starry night illusions all around them.
https://www.nytimes.com/2016/12/16/science/glow-worms-new-zealand.html

『僕がロボットをつくる理由-未来の生き方を日常からデザインする』

石黒浩/著 世界思想社 2018年発行

現実を解き放つ力 より

――ロボットは将来、想像力を持つようになりますか?
先ほど話したとおり、想像することは、すごく人間らしい部分で、今のところロボットとの大きな違いなのかもしれないと考えています。
たとえば、星空とか夕日とか、初めて見たときからきれいで、誰もが無条件に感動するものってありますよね。それを連想させるものも、やっぱりきれいだと思うですよね。ゴールドコーストの洞窟にグロウワーム(Glowworm)っていう発光する虫が棲んでいて、むちゃくちゃきれいなんです。洞窟にびっしりいて、ネオンライトみたいに光って、満点の星以上の……なんていうのかな、急に目の前に天の川が落ちてきたようなかんじになるんですよね。あれは見たほうがいいです。感動しますよ。あの美しさは世界一じゃないかな。

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『またまた へんないきもの

早川いくを/著、寺西晃/イラスト バジリコ 2005年発行

さては因果の玉スダレ ツチボタル より

広大無辺、悠久の銀河の輝きが頭上を圧するその壮麗さに人々は息を呑む。ここは、天然のイルミネーションで有名な観光地、ワイトモ洞窟。そして、かのバーナード・ショーに「世界で8番目の不思議」と言わしめたその美観を演出するのは、星屑たちではなく、ツチボタルと呼ばれる昆虫だ。しかし彼等は美の奉職者でもなく、観光収入目当てに光る訳でもない。ここは幼虫たちの狩り場なのだ。
ツチボタルの幼虫は、粘液の玉が並ぶ「玉スダレ」を天井から吊り下げると、蛍のように発行する。飢えるほどに輝きを増すその光こそが、この星々の正体であり、邪知に長けた罠なのだ。
その輝きに見せられた羽虫は、憑かれたように星の世界に飛んでゆく。だが、その魅惑の青い光は真っ赤な偽物、気が付くと羽虫は粘液糸で全身をからめ取られている。糸はもがくほどにその身を縛り、その振動を感知した幼虫は獲物をたぐり寄せ、身動きならぬ犠牲者に食らいつき、肉をかじり、体液をすするのだ。
だが、こうして獲物を食い、旺盛に生き続けた幼虫は、蛹(さなぎ)を経ると、消化器官はおろか口さえ持たない、交尾して卵さえ産めば用済みの、わずか3日で命を閉じる、はかない成虫へとなり果てる。
そして幼虫の罠にかかる獲物にはこのあわれな親虫も含まれる。
未来の希望に胸膨らます新婚の2人が、潤んだ瞳で見上げるその洞窟の美しい輝きは、獲物を喰らい、果ては己が子に喰われて命を落としゆく、業深き生物の因果の光なのだ。