じじぃの「科学夜話・増えすぎた鹿はオオカミで解決する?生態系ピラミッド」

How Wolves Saved Yellowstone

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=gc52l5ZcAJ0


インタビュー「地球温暖化の事典」に書けなかったこと [8] 生物史上第6の大絶滅ーヒトが引き起こす生物多様性減少と帰結としての気候変動ー

2015年12月号 五箇公一(生物・生態系環境研究センター 主席研究員)

バイオマスが10%まで落ちて、その都度新しい種が生まれてきて、という繰り返しの中で、現在は少なくとも種数としては絶頂期にあります。生態系ピラミッドは、強いものほど数が少ないことでバランスがとれています。
ところが人間は生態系の頂点にありながら、70億人という極端に大きいバイオマスをもち、生物や資源を食い尽くそうとしている。特に、化石燃料を掘り出してからはものすごいパワーをもち、知恵もあり、人間は本来の動物学的な力以上の力を発揮することができるようになりました。さらに医療によって延命措置もとれるという状況のなかで、かつてない速度で生物多様性を減少させています。恐竜の絶滅には100万年以上もの時間がかかったとされるのに、人間はわずか100年の間に無数の生物種を絶滅に至らしめています。生物学者もこの先何が起こるか読めません。過去にそういうイベントがあれば化石から類推したりできますが、今まで起こったことがなく、しかも破壊のプロセスがぜんぜん違うわけです。
人間は土地を改変して無理矢理生産して生きていますが、それも自然のサイクルではないですから、いずれバランスを崩して崩壊するということが起きます。また、他の動物はだいたい繁殖期を終えると死ぬのですが、人間は子どもを産んでからも長く生きます。もう一つ決定的に違うのは、人間は自分の人生を楽しむことができる動物なのです。
つまり、エゴイスティックなのです。人間はエゴイスティックなうえに長生きし、物を食い、食ったものを自然に返せばいいのにそれすらしないのですから、われわれはこの地球の一番のコンシューマーなのです。
https://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201512/301002.html

『オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか』

山田健/著 集英社インターナショナル 2015年発行

第1章 生き物の世界は必ずピラミッド型になる より

増えすぎた鹿は、オオカミで解決できるか

鹿問題は、オオカミ(とたぶん若い猟師)というアンブレラ種の絶滅が、下位の動物の大発生を招き、ピラミッド全体に引き起こした大混乱の、象徴的な1例にすぎない。
と、こう言うと、
「だったらオオカミを導入すればいいじゃないか」
なんていう素晴らしいアイデアを思いつく人が、必ずいる。
バカなことを言ってはいけない
300万頭以上もいる鹿をオオカミで減らそうとしたら、いったい何万頭のオオカミが必要になるかを想像してほしい。数万頭のオオカミが日本の山野を駆け巡る光景なんか、絶対に見たくない。
その上、オオカミの主食は、通常、もっと小型の動物なのだ。
オオカミなんかを放ったら、鹿のおかげでそれでなくとも激減しているウサギやネズミが真っ先にトドメを刺されてしまうだろう。
かつてオオカミがバランス装置の一角を担うことができたのは、彼らがたまに狩りをする程度でもバランスがとれるくらいに、もともとの鹿の数が少なかったからなのだ。

ピラミッドの上位の動物を滅ぼすことが下位の動物の大繁殖を招きやすいという意味では、農薬問題も、たぶん同じである。
農薬は、害虫だけではなく、肝心の捕食者である益虫やクモまで殺してしまう。

「害虫」は、人間がつくったもの?

さて、鹿の害をさんざっぱら話した直後で恐縮なのだけれど、本来、自然界には、「害獣」とか「害虫」なんてものは存在しない。
もう一度、生態系ピラミッドを思い出してほしい。生態系のすべての構成員は、互いに喰い合ったり、助け合ったりして、密接に絡み合い、全体の調和をつくり出している。
したがって、なにか1種類の種が、他者を滅ぼすような勢いで増殖するようなことは、基本的に起こり得ないのだ。
鹿の場合にも、増える原因をつくったのは人間である。
    ・
山に植樹した経験がある人ならたいてい知っているように、化学肥料で育てた苗は、真っ先に鹿やウサギに喰われてしまう。葉っぱが柔らかくて食べやすいということもあるだろうけれど、もしかすると、自然界では「ミネラル」が希少な栄養素なので、野性動物は、化学肥料に含まれるカリウムやリン、窒素などの匂いに敏感に引きつけられるのかもしれない。同じことが虫でも起こっているのではなかろうか。

つまり、害虫を引きつけるような条件さえ取り除いてやれば、「害虫」もただの「虫」に戻るはずなのである。

現に、有機栽培の田畑で肥料の過剰投与をやめると、虫も病気も劇的に戻るという調査結果が、『有機栽培の病気と害虫』をはじめ、数多くの書物で報告されている。

                  • -

どうでもいい、じじぃの日記。
約10年前までは洗濯せっけんというと、粉状のものだったが、今はほとんど液状のものに代わっている。
確かに液状のものは、さっと洗濯機に入れるだけで全体に溶けてくれる。
この間、スーパーに行って手を洗うための固形せっけんを探したら、棚にはほとんど液状せっけんばかりだった。
なんとなく、固形のせっけんは天然のもので作られて、液状のせっけんは蛍光剤、漂白剤などが添加された合成化学製品で作られているイメージだ。

とか思いながら、洗濯するときは液状せっけんをさっと洗濯機に入れている。
トホホのホ。