じじぃの「科学夜話・月の影・ドアの錠のまちがい!屈辱の数学史」

Snake on fire sets house on fire - caught on tape

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1_RNd5XseiA


   

『屈辱の数学史』

マット・パーカ/著、夏目大/訳 山と渓谷社 2022年発行

第4章 幾何学的な問題 より

月の幾何学

地球から見上げると、月は円盤に見える。少なくとも満月のときはそうだ。満月のとき、月は地球から見て太陽とは反対側にある。そのおかげで太陽の光が月の全体に当たるわけだ。そうでないときには、月は常に部分的に太陽の光に照らされる。月はどこか欠けているときが多いため、絵に描かれる場合には、いわゆる「三日月」の形になることが多くなる。ただ、光の当たり方で欠けて見えるだけで、月が本当に欠けているわけではない。

月の一部分が見えなくなっていたとしても、その見えない部分はなくなったのではなく、やはり存在している。新月のときには、太陽の光は完全に月の裏側を照らしているので、地球上の私たちには月は見えなくなるが、そこに月は引き続き存在しているので、月のある場所に星が見えることはない。しばらくの間、月の姿は見えなくても、月の影はあるわけだ。だから、存在している月の影の部分を通して星が見えている絵に私は困惑してしまう。

セサミストリートは何度もこの間違いを繰り返している。アーニーの本『僕は月には住みたくない(I Don't Want to Live on the Moon)』の表紙では、三日月の欠けた部分に星が輝いている。しかも、光っている「C」の形をした部分を見ると、自分の身体を通して星が輝いているにもかかわらず、月はとても嬉しそうだ。月に顔があるのも、感情があるのもそもそもおかしいのだがそれはまあ、子ども向けだからいいとしよう。だが、それでも、子どもに幾何学的に誤ったことを教えていいということにはならないと思う。セサミストリートは教育番組なのだからそこは正確であるべきだ。あるいは、セサミストリートの世界では月面にマベットたちの基地があり、その基地のライトの光が見えていることなのかもしれない。あれは星の光ではない。それならまだ許せる。

死のドア

私はドアや錠、掛け金などの形状にも強く興味を引かれる。住まいの安全を気にしていても、ドアや門の詳しい仕組みまで深く考えている人は少ないのではないか。大きな錠を買ってきてつけたはいいけれど、その錠を固定したネジが丸見えになっている、ということは珍しくない。あるいは、南京錠を取りつけてはあるが、錠を開かなくても位置をかなり大きくずらすことができ、それでドアが少し開いてしまう、ということもあるだろう。私はそういう状況を見るのがとても好きだ。読者の中にそんな例を知っている人がいたら、ぜひ、写真に撮って私に送ってほしい。錠をかけたつもりが、よく見ると全然かかっていないということは本当によくあるのだ。

仮に、私が妻やその家族とともに、妻の故郷の街を訪れたとしよう。妻は、愛する家族の1人が埋葬されている地元の墓地へと私を連れていく。時間をよく確かめずに行ったら、墓地の閉園時間だったようで鍵がかかっていた。門をよく見ると、掛け金の一部を持ち上げてしまえば、南京錠を開けなくても門の鍵はかなり大きく開くことがわかった。これはあくまで仮定の話だが、実際にそういうことがあれば、私はその日、皆のヒーローになれる(もちろん、墓参りを済ませたあとは、掛け金をきちんともとに戻しておく)。

ただ、これは「アマチュア」のレベルのミスである。単にドアに鍵をつけた人間が浅はかだっただけのことだ。最近の建物の出入り口のドアや鍵については、普通は専門家がよく考えて決めているのでさほど心配はいらないが、すべてがそうだとは言い切れない。ちょっとしたドアや鍵の作りの違いが、誰かの生死を分けることもある。

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どうでもいい、じじぃの日記。
自分では自分のことを「バカ」だとか「賢い」とか、あまり考えたことはなかった。
この頃、今までのことを総括してみると、どうもおバカの範疇に入るみたいだ。

おバカなやつ。

以前見た、アニメにこんなのがあった。
家の近くに、大きなヘビがいた。
慌てた家の住民がヘビを追い払うのに、ヘビに向かってガソリンをかけ火を放った。
ガソリンを浴びたヘビは、家に向かって逃げた。
ああ、家が丸焼けだ。

この本に載っていたおバカなやつ。
●三日月状の月。
欠けている部分が太陽か地球の影になっていて、本当に欠けているわけではない。それが実際の月が欠けているように、影の部分で遠くの星が点滅している。
セサミストリートは教育番組なのだからそこは正確であるべきだ」
とか。

●ドアの錠。
ドアにつける錠がセットになっていて、錠を固定するネジが外側についている。
侵入しようとする人間は、鍵を持っていなくても、ネジ回しのドライバーがあれば錠を取り外せてしまう。
「ちょっとしたドアや鍵の作りの違いが、誰かの生死を分けることもある」
とか。