じじぃの「人の生きざま_743_シェップ・ドールマン(天文学者・EHTプロジェクト代表)」

モ―ガン・フリ―マン 時空を超えて「重力は幻想なのか?」20170210 動画 dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x5bbe6b
Event Horizons Telescope to Photograph a Real Black Hole by 2017 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=J7iGag0lfdg
black hole shadow (image)

EHTに参加している望遠鏡miz.nao.ac.jp HPより)

研究の背景 - Event Horizon Telescopeとは?
Event Horizon Telescopeではプロジェクトに参加している研究機関が保有するミリ波・サブミリ波望遠鏡を結んで観測を行っています。日本の国立天文台保有するASTEもその望遠鏡の一つです。将来的には、初期の科学観測がすでにはじまっているALMA望遠鏡なども参加することが期待されています。
今回の観測ではハワイ島のマウナ・ケア山頂にある望遠鏡群(SMA、CSO、JCMT)、カルフォルニアにある電波干渉計(CARMA)、アリゾナにある電波望遠鏡(SMT/ARO) が参加して観測を行いました(図1)。実効口径の大きさは最大4230 km になります。
EHT が行っている1.3 mm 帯のVLBI 観測は観測技術が現在確立されつつある非常に新しい分野です。これまで天体の画像が得られたのは、同じくEHTプロジェクトによる観測結果で、わずか1ヶ月前の2012年8月にアメリカの天体物理学専門誌 The Astrophysical Journalに掲載されることがきまった観測結果(Lu et al. 2012)のたった1例しかありません。ですので天体の画像が得られるだけでも技術的に大きな成果と言えます。1.3 mm 帯のVLBI 観測で天体の画像を得ることに成功した本成果は世界で2 例目にあたります。
http://www.miz.nao.ac.jp/submilli/content/pr2012/c03
時空を超えて 「重力は幻想なのか?」 2017年2月10日 NHK Eテレ
【案内人】モーガン・フリーマン
ニュートンによる「万有引力の法則」の発見以来、身近な存在とされている「重力」に焦点を当てる。
自然界の基本的な4つの力「電磁気力」「強い力」「弱い力」「重力」のうち、力を媒介する素粒子が発見されていないのは、重力だけ。「重力子」は存在するのか? するならどんなものなのか? また、重力の謎を解く鍵はブラックホールにあると考え、世界各地の望遠鏡を連携させ、ブラックホールを観測しようという壮大な試みも紹介。
シェップ・ドールマン天文学者/EHTプロジェクト・代表)は話す。
「私たちの銀河の中心には巨大なブラックホールがあります。他のブラックホールに比べると地球に近い位置にあるので実態を解明できる可能性があります」
ブラックホールを観測するためドールマンたちが編み出したのは、いくつもの望遠鏡を連携させることで地球サイズのバーチャルな望遠鏡を作る技術でした。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3452/1988015/
おはよう日本 2017年4月11日 NHK
【キャスター】高瀬耕造和久田麻由子
●人類初のブラックホール観測プロジェクト。日本人天文学者の挑戦
太陽系が属する天の川銀河(銀河系)の中心にある巨大なブラックホールを観測する国際プロジェクトが4月から始まった。
チリ・アルマ望遠鏡、米国・ハワイ・マウナケア、メキシコなど、世界6ヵ所にある電波望遠鏡でデータをつなぎ合わせ観測できる。
挑むのは世界の100人を超える天文学者
プロジェクトメンバーの国立天文台・本間希樹教授。1971年生まれ。
本間氏がプロジェクト参加したのは9年前。
電波望遠鏡の第一人者である米国・ドールマン教授の論文を読んだことがきっかけだった。
本間氏は、ドールマン教授にプロジェクトへの参加を申し出た。
当時、本間氏は岩手、鹿児島、小笠原、石垣と離れた場所の電波望遠鏡を連携させより遠い天体の観測を行っていた。
現在はデータ収集の最中で、データを発表できるのは年内だとしている。
成功すればノーベル賞級といわれる。
http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/04/0411.html
『先生、それって「量子」の仕業ですか?』 大関真之/著 小学館 2017年発行
ブラックホールに飲み込まれちゃったら より
さっきまで見ていた星がブラックホールに飲み込まれたとしましょう。遠くからその様子を見ていると、突然、その星の光が途絶えたように見えます。それはその星が出していた光が届かなくなるからです。
別の星に近づいてみると、その星が自転をしているのが見えます。普段の様子と比較して何が変化があるのか注意深く見てみると、自転速度がゆっくりゆっくり遅くなっていきます、そして最後には真っ黒。ああ、飲みこまれたんだな、ということがわかります。最後に真っ黒になるのは先ほどと同じ。光すらも飲みこんでしまうブラックホールですから、、光が届かなくなったということです。それでは消える前に自転速度が遅くなったようにみえたのはなぜか?
光が繰り返し届いていた矢先、光すらも飲み込もうとするブラックホールが背後にできるわけです。光にすれば、必死にもがいて逃げるという状況ですから、光の進みが遅くなります。ブラックホール発生時点で、ある程度の距離まで離れた光はあまり影響を受けずに抜け出してきますから素早く届く。ブラックホールに近いものは到着が遅れます。ダイヤが乱れた電車と同じで、遅延が発生します。そのため最初は同じ間隔で到着していた光の粒も、だんだん遅れて届くので、自転の様子が遅れて見えるというわけです。
もしかしたらまだ届いていない光の粒もいるかもしれない。もっと近づいてみるとまだ到着していなかった光の粒をキャッチすることができます。そして最後に光の粒が止まっているところに到着します。そこには飲み込まれた直後の星の様子が記録されています。光の粒が残っているという形で保存されていて、それこそがその星の宇宙の最後の姿といえます。この様子を見ることができたら、ブラックホールの周辺に何があったのか、という昔の様子を知ることができるわけです。
ブラックホールのもう少し奥まで、引き返すことができないかもしれない恐怖を乗り越えて侵入したとしましょう。抜け出せなかった光がそこに残っていますから、ブラックホール発生からその直後の状況までも記録に残っているだろうと考えられています。ブラックホールは宇宙の記録装置といっていいかもしれません。