じじぃの「エーゲ海の島々・魚屋が露店を出す・魚の王さま・ウナギ!古代ギリシア人の24時間」

Ancient Greece | Learn the History and Facts about Ancient Greece for Kids

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Bfkp1QMhq-E

古代ギリシャ」展 神々に捧げる美と祈り

2016/8/28 産経ニュース
褐色の肌をした青年が、束ねた魚を両手に携えている。エーゲ海に浮かぶギリシャのテラ(サントリーニ)島で見つかった「漁夫のフレスコ画」。
青年が漁の仲間入りをする際の、習わしを描いたものとみられる。前17世紀の作とは思えないほど色鮮やかに残っているのは、古代ローマポンペイのように、この島も火山の大噴火に見舞われ、長らく灰に埋もれていたからという。
青銅器時代クレタ島を中心にエーゲ海の島々で花開いた海洋文明を、同島の伝説的な王の名にちなみ、ミノス文明(前3000年~前1100年頃)と呼ぶ。
https://www.sankei.com/article/20160828-LGP4K7E47JNZXBOMVIQC2HGHRM/

ヨーロッパウナギ

ウィキペディアWikipedia) より
ヨーロッパウナギ(学名:Anguilla anguilla)はウナギ科に属する魚類の1種。
ヨーロッパに分布する唯一のウナギであり、古代から食用魚として利用された長い歴史を持つが、個体数は近年著しく減少している。2007年にワシントン条約の付属書に記載され、2009年から貿易取引が制限されている。
●食用魚として
食用魚としての歴史も長く、欧州各地で干物・塩漬け・燻製・フライ・煮込み・焼き魚など、さまざまな調理方法で利用されてきた。ロンドン・イーストエンドのウナギゼリー寄せなど、郷土料理として知られるものもある。日本のウナギと同じように、捕獲したシラスウナギを成魚まで育てる養鰻場も、ヨーロッパ各地に存在する。

19世紀には河口に大量に押し寄せたヨーロッパウナギであったが、乱獲や工業化に伴う生息環境の攪乱によって資源量は著しく減少しており、近年では絶滅が危惧されている。
ヨーロッパウナギについては、1990年代に稚魚を中国で養殖し日本へ輸出する販路が定着し、輸出が本格化すると資源は激減した。稚魚の乱獲が主な原因と指摘されている。

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古代ギリシア人の24時間――よみがえる栄光のアテネ

フィリップ・マティザック/著、高畠純夫、安原和見/訳 河出書房 2022年発行

昼の第3時(8:00‐9:00)――魚屋が露店を出す より

アルケスティスは昨日、だれかが太鼓腹の小男に呼ばわっていたのを思い出した。何軒か先の露店で上等のリュキアの敷物をいじっている小男に、「よう、ソクラテス! こんなところへなにしに来たの。あんたに必要なのはイグサのマットだけかと思ってたがね」と声がかかったのだ。

身を起こしたのを見ると、びっくりするほど醜い男だったが、その顔は驚きに輝いていた。
「いやいや、ここにはしょっちゅう来ているんだよ」ソクラテスは言いながら、露店の列全体をさすように片腕をふってみせた。「いつも驚いているんだ、わたしに必要ないものがなんと世の中にはたくさんあるものかと思ってね」

ビートの葉を敷いた台に新たな切り身を並べながら、アルケスティスは思った――ふん、たしかにあたしの魚は用なしだろうね。まちがいない、あいつが食べるのはキュウリウオぐらいだろう。カタクチイワシとか塩魚しか口にしない手合いだよ。
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そのような高級食材を扱う露店はいくつもあるが、鐘が鳴って市(いち)が開いたら、まっさきに客が殺到するのはシュラクサイ人アルケスティスの露店だ。なにしろここで売っているのはメッセネ[シチリア北東部の港市。現メッシナ]のウナギである。魚の王さまにして食道楽の極みがこのウナギだというのは、だれしも認めるところだ。かの劇作家が「わたしが神なら、祭壇にウナギもいっしょに並ばなければ犠牲が捧げられたとは認めないだろう[アテネの喜劇作家メナンドロス(前342-292年ごろ)の言葉]」と言っているくらいだ。ふつうのウナギも、特別な時にうやいやしく供されるものだ。しかしどんな晩餐会であろうと、主人の社会的評判を確実に高めてくれるといえば、それは魚介類の黄金の羊毛、すなわちメッセネのウナギである。

「このような食物を口にできるとは、メッセネの市民たちよ、これはほかのどんな人間にもまさる特権である。……そのウナギは美食の王、料理という戦場の覇者である」アルケスティスは名高い詩『美食家』にこう謳っており、アテネ人は一も二もなくこれに賛同している。メッセネのウナギが買えるとなれば、有り金をはたいてでも、文字どおり死に物狂いで手に入れようとするほどだ。次点はボリオティアの湖で獲れるウナギだが、たしかに美味ではあるものの、稀少このうえないメネッセ産のありがたみには欠けている。

そんなわけで15日前のシケリア島で、アルケスティスは夫とともに、所有する小さな商船(テティス)号に商品を積み込んだ、シュラクサイのチーズ、黒っぽく濃いシケリアのワイン、そしてなにより樽に詰めたメッセネ産のウナギもある。アルケスティスは3日前からアゴラで店を開いているが、わざとウナギは品薄にしてある。底なしの財布を持ち、馬を飼える身分のお上品なばかどもがそれを喜んで買うだけでなく、買えて運がよかったと喜ぶのはそのおかげだ――たったひと皿の食料に彼女の5日ぶんの賃金と同じ値段がついていても。

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どうでもいい、じじぃの日記。
古代ギリシア人の24時間』という本に、「ウナギ」のことが書かれていた。
ギリシア」という名前からは、「トルコ」、「エジプト」に近いこともあり、文明の発祥地というイメージがある。
しかし、ギリシアは地中海/エーゲ海を含む海洋国家なのだ。
そのため、ギリシアの人たちは肉よりも、魚介類を多く食べていたようだ。

「魚の王さまにして食道楽の極みがこのウナギだというのは、だれしも認めるところだ」

今年の正月にウナギを食べた。
メイドへ行く前に、もう2度は食べたい。