じじぃの「アテナ女神のフクロウ・銀硬貨・トラキアの金細工!古代ギリシア人の24時間」

The Athenain Owl - the most famous ancient coin?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Hh1tarxPRcs

アテネの硬貨 「フクロウ」


世界ふしぎ発見!ブルガリア 世界最古の黄金文明と仮面の奇祭」

2023年2月11日 TBS
【レギュラー出演】草野仁岡田圭右黒柳徹子野々村真出水麻衣、【ゲスト】西畑大吾中村獅童鈴木紗理奈
ブルガリアは古くからヨーロッパとアジアをつなぐ交易の要所として栄えてきた。
首都・ソフィアは紀元前より歴史をもつヨーロッパで最も古い都市の1つ。
強さを紐解く手がかりが国立考古学博物館に残されていた。
ギリシャから近く、ギリシャとの交流も盛んで、黄金でできたさまざまな品はギリシャの職人を雇って作らせた。
ギリシャ神話のディオニソスはもともとトラキア人のワインを象徴する神だった。
紀元前5世紀にギリシャ人が作った水差し。中央にはトラキアの騎兵が描かれている。

トラキアの騎兵には独特の戦術があった。戦術をいち早く取り入れたのはマケドニアフィリッポス2世。受け継いだ息子アレクサンドロス大王は騎兵を従え東方へ進軍し10年余りで大帝国を築き上げた。
様々な集団からなるトラキアには束ねる絶対的リーダーが誕生することはなかった。そしてトラキアは黄金とともに歴史から姿を消した。
https://www.tbs.co.jp/tv/20230211_050F.html

古代ギリシア人の24時間――よみがえる栄光のアテネ

フィリップ・マティザック/著、高畠純夫、安原和見/訳 河出書房 2022年発行

夜の第11時(4:00‐5:00)――鉱山奴隷が仕事にかかる より

デイモコス(鉱山で働く奴隷)は10人ひと組みの班に属している。仲間の鉱夫とともに悪臭漂うトンネル(鉱夫にトイレ休憩は認められていない)によろよろと降りていくと、やがて岩盤に達する。主要な縦坑からトンネルが枝分かれし、奴隷たちはふたりずつに分かれてそのトンネルに入っていく。そのうちのひとりは固い岩を削り、もうひとりはその後ろで削られた岩の破片を集めて袋に入れていく。1時間後、短い休憩をとってから交代し、しばらくしたらまた交代して、これを1日15時間続ける。

鉱石袋がいっぱいになったら、鉱夫はそれを中央トンネルの荷車に運んでいく。荷車のそばには監督が立っていて、仕事の遅いふたり組があると、そのトンネルに降りていって活を入れる。監督はまた、荷車が鉱石処理機まで行って帰ってくるのにかかる時間も監視している。デイモコスが蹴りを入れられたのは、この仕事で手間どったからだ。

鉱石処理機は、鉱山主たちが共同で所有している。そこでは女や子供がハンマーで岩を砕いて細かくし、それを桶に流し入れる。桶には注意深く流速を調整して水が流し込まれており、軽い砕石はあふれる水とともに流されてしまうが、方鉛鉱(鉛鉱石)や銀を含有する石は、重い金属を含んでいるため底に沈んで桶に残る。これをあとで取り出して溶かすのである。ラウレイオンには大きな溶鉱所は3つしかなく、そこは昼も夜も休みなく稼働して、アテネに銀をたゆみなく流し込み、この都市の帝国的野心に養分を与えつづけている。
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メロス人の女と話し込んでしまったため、次の荷を運ぼうと荷車を押して戻ったときには、この許しがたい遅れに監督はかんかんになっていた。デイモコスは生き別れの家族のことで頭がいっぱいで、監督の叱責にうっかりぞんざいな返事をしてしまった。それで折檻(せっかん)を食らったわけだ。
このことでデイモコスは生命を失うかもしれないが、少なくともあの監督も職を失うことにはなるだろう。監督は、奴隷の生産性を最大限に引き出すのが務めだ。採掘権を賃借したあとは、鉱山の設備投資といったらほとんどが奴隷だ。無思慮に鉱山設備――デイモコスは鉱山設備にほかならない――を破壊した監督は、職を失ってもしかたがない。

商人だったころ、デイモコスはよくアテネの硬貨を扱っていた。というより、支払いは「フクロウ」で、としばしば念押ししていたものだ。アテネの硬貨は東地中海ではどこでもそう呼ばれている。アテナ女神のフクロウを刻印したアテネの硬貨は、銀の純度と安定の高品質でよく知られている。最も流通しているのは3ドラクマ貨――デイモコスによって主人が得るひと月の収入とだいたい同じだ。

交易のためはるかかなたへ旅する人々によれば、アテネの硬貨はインドの高地やアラビアの港でも使われているそうだ。硬貨を扱いながら、3ドラクマ貨が最後に流れ着くという、そんなはるかに遠い異国の地にときどき思いを馳せたものだ。それがいまでは、硬貨について考えることがあったとしたらだが、考えるのはそれがどこから生まれるかということだ――じめじめしたトンネルの奥、たったひとつのオイルランプの光で、裸の男がツルハシを振って固い岩を打ち欠いている。何時間も何時間も、毎日毎日、終りのない歳月をぶっ通しで。

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じじぃの日記。
古代ギリシア人の24時間』という本に、アテネの硬貨「フクロウ」のことが書かれていた。
2月11日、TBS 世界ふしぎ発見!ブルガリア 世界最古の黄金文明と仮面の奇祭」を観た。
約2500年前から、ロシアや東欧には騎馬遊牧民族スキタイの人々が住んでいた。
彼らの遺跡からは、たくさんの金銀の埋葬品が発掘された。
スキタイの特色とされる金銀工芸品は、スキタイ貴族の要請に応えてギリシャの工人が作ったものであったらしい。

アテネの硬貨はインドの高地やアラビアの港でも使われているそうだ」

ついでに、
「ミネルヴァのフクロウは夕暮れに飛び立つ」
哲学者ヘーゲルの言葉らしい。
ミネルバは知恵の女神。フクロウはその使者である。古い知恵の黄昏の中から、新しい知恵の到来を告げつつ、知恵の女神の使者が飛び立ってゆく。そのようにして、人類は歴史の中を前へ前へと進んでゆく」
のだそうだ。