じじぃの「役に立たない科学・ISS(宇宙)から小包を送るには!ハウ・トゥー」

MOMO F4 "Paters Dream" Rocket | Launch Highlights

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=5LidkTlo5vk


MOMO4号機

インターステラテクノロジズ株式会社
●MOMO4号機一覧
2019/09/25
観測ロケット「ペイターズドリーム MOMO 4号機」打上げ報告書の公開
https://www.istellartech.com/technology/momo_f4

『ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学』

ランドール・マンロー/著、吉田三知世/訳 早川書房 2020年発行

第15章 小包を送るには(宇宙から) より

2001年から2018年までの平均値によれば、どの瞬間にも15億人当たり1人の人間が宇宙におり、そのほとんどは国際宇宙ステーションISS)に滞在している。
ISSの乗組員たちが地球に小包を送るときは、地球に戻る乗組員を乗せた宇宙船に一緒に載せてもらう。しかし、地球に向かう宇宙線の予定がしばらくなければ――あるいは、あなたのネットショッピングの返送品を運ばされるのにNASAがいいかげんうんざりしたら、あなたは自分でなんとかしなければならないだろう。

手紙を送る

大気圏再突入の技術的困難を避ける方法のひとつは、ヒートシールドを使うのをやめて、もっと単純な解決策、茶封筒を使うことかもしれない。
空気抵抗の影響を大きく受ける軽い物体は、大気の密度が低い、より上空で減速を始める。空気が非常に薄くて物体の温度上昇の効率が比較的低いので、再突入にかかる時間が長くなるにしても、到達する最高温度ははるかに低い可能性がある。じつのところ、ジャスティン・アチソンとメイスン・ペックの計算によって紙のような形の物体を縁(へり)ではなく平たい面を下にして落ちるように湾曲させたものは、理論的には、特に高い温度には到達せずに、「穏やかに」大気に入ることが示された。
料理に使うベーキングペーパー、アルミホイル、もしくはその他の耐熱性のある薄くて軽い材料にメッセージを書けば、それをただそのまま扉から外に投げればいいかもしれない。正しい形にさえなっていれば、地面まで無傷で届く可能性もありそうだ。

実際、日本の研究者らのチームがISSから紙飛行機を飛ばして、これを試そうと計画した。紙飛行機は再投入の熱と圧力に耐えられるように設計されたが、悲しいことに、このプロジェクトは今のところ実現していない(この実験は2019年に北海道の宇宙ベンチャー企業インターステラテクノロジズが打ち上げを計画していた観測ロケットMOMO4号機で実行されることになっていたが、ロケットの打ち上げ自体が失敗し、2019年12月現在まだ行なわれていない)。

ISSから手で投げた小包は、多数の地球周回軌道を経て徐々に降下するが、最終的な着陸地点はほとんどコントロールできないだろう。小包の着地点を制御するのは、ただ単純に地球に送るよりもはるかに難しい。
地球に帰還する宇宙船はたいてい、着陸地点をコントロールしようとする。その精度は、宇宙船によってまちまちだ。スペースXの使用済みのロケットブースター(ロケットのエンジンの出力を増強するための、補助用のロケット)は、十分高精度の自動誘導により(つまり自らを高精度で誘導して)船の甲板にあるターゲットに直接着艦できる。一方、アポらやソユーズなど昔の宇宙船は、ターゲットから数キロ外れて着陸(または着水)するのが普通だった。無制御で大気圏再突入を行なう宇宙船――あなたの小包のように――は、予定の着陸地点を数百から数千キロメートル外す可能性がある。
小包をより正確に目的地に着地させるには、力いっぱい投げるといいだろう。速い速度で投げれば、小包をより直接的に大気に突入させることができる。空気抵抗によって軌道がゆっくりと、予測できないかたちで減衰していくのを避けることができるからだ。ちょっと驚いてしまうのだが、このときのコツは、小包を地球に向かって下向きに投げるのではなく、後ろ向けに(ISSの進行方向逆向きに)投げることだ。下向きに投げたとしても、小包は軌道にとどまっていられるだけの前向きの速度を依然として持っている。ただほんの少し異なる軌道に移るだけである。それではダメで、あくまで小包が速度を失う必要がある。

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どうでもいい、じじぃの日記。

ISSから小包を送る際、燃え尽きずに地面に届けるにはどうしたらいいのか

地球への大気圏に入った物体はたいてい燃え尽きてしまう。
しかし、突入の角度を変え、速度を変えると衝撃度が異なるのだとか。

2019年7月、北海道大樹町のベンチャー企業インターステラテクノロジズ」(IST)は、小型観測ロケット「MOMO(モモ)」4号機を同町の発射場から打ち上げた。
4号機は折り紙の飛行機3機を搭載して宇宙空間で放出する計画だった。
残念だが、打ち上げ後に搭載コンピューターが異常を検知して約64秒でエンジンを停止。計画は失敗に終わった。

2022年12月11日、民間初の月探査計画「HAKUTO―R」の日本ベンチャー「ispace」(アイスペース)の月着陸船が積まれたロケット(スペースX社)が、米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。
月探査機は、約4ヵ月半かけて月に向かう。