じじぃの「言論の自由・中国メディア・TikTok・どうウクライナを報道しているのか?デマの影響力」

TikTok Stars Are Covering Russia's Invasion of Ukraine (Brian Ross Investigates)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=jzkZa0e-BXM

TikTokは、ロシアのウクライナ侵攻に対し偽情報を拡散している?


ウクライナ侵攻のTikTok動画、専門家でさえ真偽の判別が困難

2022年03月24日 日経クロストレンド
ハーバード大学の研究チームが発表した新たな報告書は、動画投稿アプリ「TikTok」が依然、ウクライナ侵攻に関する誤情報と偽情報にあふれていることを明らかにし、こうした情報がなぜ、これほど容易に拡散するのかを説明している。

研究者らは、ユーザーはもちろん経験豊富なジャーナリストでさえ、TikTok上で真実と噂の違いを見極めるのが難しいと指摘する。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00079/00147/

『デマの影響力――なぜデマは真実よりも速く、広く、力強く伝わるのか?』

シナン・アラル/著、夏目大/訳 ダイヤモンド社 2022年発行

第12章 より良いハイプ・マシンを作る より

現在・私たちは岐路に立っていると思う。プライバシーやセキュリティを守るのか、それとも行動の自由を重要視するのか。言論の自由を守るのか、それともヘイト・スピーチを厳重に取り締まるのか。情報の真実性を大切にするのか、それともフェイスブックの拡散を野放しにするのか。包括化を進めるのか、それとも分極化が進むのを放置するのか。
もちろん、ハイプ・マシン(フェイスブックツイッター、ユーチューブ、TikTokなど)が社会のあり方をすべて決めるわけではないが、社会に大きな影響を与えていることには間違いない。ソーシャル・メディアが民主主義や経済に大きな影響を与え、社会を構成する大きな要素になっていることを認識すると、当然、「私たちはソーシャル・メディアとどうつき合うのが正しいのか」という問いが生じる。ソーシャル・メディアをどう利用すべきか、その設計や規制をどうすべきか。どうすれば、危険を回避して、利益だけを享受できるのか。この問いへの簡単な答えは存在しない。だが、より明るい未来へと向かう道筋は必ずあると私は信じている。

――言論の自由と有害言論

ハイプ・マシンに関してもう1つ大きな問題になるのは、言論の自由と有害言論の線引きをどうするか、ということであある。言論の自由が、自由民主主義、自由な社会の礎であることは間違いない。だが、フェイスブックで大量殺人やテロ攻撃を生中継するとことを、「自由だからよい」と考える人は少ないはずだ。あるべき自由を阻害せずに、有害な言動を抑止するのはどうすればいいのか。
表現の自由と有害表現の線引きは最近になって急に問題になったわけではなく、この問題自体はハイプ・マシンが生まれるはるか前から存在している。アメリカは建国以来、この問題と闘っていると言ってもいい。アメリカ合衆国憲法修正第1条があるため、議会は、言論の自由を阻害する法律を作ることができない。しかし一方で、修正第14条では、すべての市民が法により平等に保護されると規定されている。この2つは、たとえばある人の言論が、他の誰かの権利を阻害するのであれば、対立することになる。レイシストが暴言を吐き、それに怯えたマイノリティが沈黙を強いられるとか、職場に性差別主義者がいて、その言動により女性たちが脅かされるといった状況も対立の例だろう。自由な言論と有害のあいだの境界線はどこに引けばいいのか。どこまでが自由な言論として許容され、どこからが有害な言論として否定されるのか。
自由を無限に許容できないのは明らかだ。テロ攻撃や大量殺人を生中継しても自由だからかまわないという人はまずいないだろう。余りかの最高裁判所も、あらゆるコンテンツが憲法修正第1条で擁護されるわけではないと認めている。児童ポルノ、暴力の扇動、誹謗中傷、名誉毀損などは規制しなくてはならない。ある人の権利を、他者の安全・権利を守るために制限すべき場合があるのは明らかだろう。だが、これが極端になるのもまた問題だ。問題があるといけないので何もかも政府が検閲する事態になれば、もはや社会は自由で開かれたものではなくなる。あっという間に抑圧的な独裁体制になってしまうだろう。

実際、中国のようにソーシャル・メディアを監視している国も存在する。