【Mayo Clinic 春若航一路】脳の中で動き回る?! 「ミクログリア」のふしぎ「ヅマの部屋」#23
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QhNILQpTrOk
ミクログリアは脳のお巡りさんと救急隊
日本脳科学関連学会連合
110番と119番、これらは社会システムにとってなくてはならない仕組みです。
脳内には神経細胞の他に数種類のグリア細胞が存在し、神経細胞の正常な活動をサポートしています。脳の中である時はお巡りさん、ある時は救急隊、さらにある時は危険物処理の役割までも担っているのが小さなグリア、ミクログリアです。
https://www.brainscience-union.jp/trivia/trivia880
PartⅠ もっと知りたい!脳のはなし――脳の保護者、グリア細胞 より
縁の下の力持ち「アストロサイト」
シナプス伝達で使用された神経伝達物質(ドーパミン、セロトニン、ノアルアドレナリンなど)は速やかに取り除かなければなりません。
さもなければいつまでも興奮が伝わることになってしまい、てんかん発作が生じてしまうからです。そこで、ニューロンが放出した神経伝達物質の後始末をしてくれているのが、脳細胞の一種であるグリア細胞のアストロサイトです。
アストロサイトは、血管とシナプスのインターフェイスとして働いており、シナプスを取り込みニューロンが放出した、特に興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸を取り込んで、リサイクルして、またニューロンに渡しているのです。
このように、アストロサイトは、正常なシナプス機能に欠かせないため、近年では、シナプスは単にニューロンとニューロンの複合部ではなく、アストロサイトも含めて成り立つというおkとから、三者間シナプスと呼ばれ始めています。
また、血管側では、脳に余分なものを取り込まない、血液脳関門の重要な構成要因の1つです。さらに脳は非常にエネルギーを食いますが、じつはニューロンは直接血管と接触していないため、自分ではエネルギーをとることができないといわれています。そこで、アストロサイトが取り込んだブドウ糖(グルコース)をニューロンが使える形にして渡してあげているのです。
このように、アストロサイトは、裏でニューロンの活躍を支える縁の下の力持ちのような働きをしています。したがって、アストロサイトがヘソを曲げて、「私もう仕事しません」となってしまうと、ニューロンは困ったことになってしまうのです。
実際、多くの神経疾患や精神疾患が、このアストロサイトの機能不全によって生じることがわかり始めています。
さらに、アストロサイトは、ニューロンが放出した神経伝達物質によって活性化すると、グリア伝達物質と呼ばれる独自の伝達物質によって近隣のシナプス伝達の効率を変化させることもわかり始めています。つまり、ニューロンとアストロサイトは密接な相互作用をしており、アストロサイトが神経活動にも関与している可能性があります。これまでアストロサイトは、単なるサポート役と思われてきましたが、むしろ脳の情報処理にも一役かっていると考えられます。
アストロサイトはニューロンと異なり、電気的な活性が低い細胞です。そのため、従来の電気的な活動を測定する手法では、アストロサイトの活動は測定されておらず、その重要性が見逃されてきた可能性があります。
「人間は脳の10%しか使っていない」は本当?
一方、アストロサイトが活動に伴って細胞内のカルシウムイオンを上昇させることが知らされています。カルシウムというと、骨や歯のようなイメージがありますが、細胞の中では信号伝達を行なう重要な物質です。
このカルシウムイオン濃度を光に置き換えて顕微鏡で捉えるカルシウムイメージングと呼ばれる手法を使ってアストロサイトの活動を測定することができるようになりました。その結果、電気的には静かだったアストロサイトが、じつはダイナミックに活動をしていたことが明らかになってきました。
アストロサイトは、脳血管とシナプスの両方と直接コンタクトしている細胞のため、さまざまな治療のターゲットとして注目を集めています。
グリア細胞には、他にも脳の免疫を担当しているミクログリアや、活動電位の伝道を調節しているオリゴデンドロサイトなどが存在しています。
従来は、ニューロンとグリア細胞の比率は、1:9だと考えられてきました。「脳が10%しか使っていない」という話は、これを誤って解釈した結果であると考えられます。現在では、グリア細胞の比率は1:1程度であると訂正されています。脳の半分は、グリア細胞であり、ニューロンを中心とした見方では、脳の半分しか理解できていないと考えるべきでしょう。
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どうでもいい、じじぃの日記。