じじぃの「意識と無意識の間・グリアは心を操る細胞か?もうひとつの脳」

60秒でわかる? グリア細胞アストロサイトは脳内で何をしている? 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=uUzszTQ0bxo
ニューロン(青色)を取り囲んでいるグリア細胞(赤、緑色)

シナプス 脳科学辞典
 シナプスとは、神経情報を出力する側と入力される側の間に発達した、情報伝達のための接触構造である。最も基本的な構造はシナプス前細胞の軸索末端がシナプス後細胞の樹状突起接触しているものである。シナプスには大別して化学シナプス chemical synapseと電気シナプス electrical synapseがあり、出力する側の細胞をシナプス前細胞、入力される側の細胞をシナプス後細胞という。
また、従来は神経細胞間の伝達のみだと思われてきたシナプスだが、近年グリアの関与が重要であることがわかってきている。 すなわち、三者シナプス tripartite synapseとして、アストロサイト astrocyteが積極的に情報伝達に関与しているという仮説や、アストロサイト・ミクログリア microgliaがシナプスの維持を制御しているという知見である。
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8A%E3%83%97%E3%82%B9
『もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」』 R・ダグラス・フィールズ/著、小松佳代子/訳 ブルーバックス 2018年発行
「もうひとつの脳」の心――グリアは意識と無意識を制御する より
20世紀も終わりに近づいた頃、マリアン・ダイアモンドは、アインシュタインの非凡な才能に関する手がかりを彼の盗まれた脳の中に探し求めたが、神経細胞には何の手がかりも見つからなかった。だが、細胞係数を集計していた彼女は、グリアの数が突出して多いことに驚いた。これはただの偶然だろうか、それともグリアには、誰もが考えている以上の働きがあることを示唆する手がかりなのだろうか? アインシュタインの傑出した脳はその死後も、科学を想像もつかなかった方向へと道びく灯台となりうるのだろうか?
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私たちの無意識の心、さらにはなかば意識のない心の中で働いている「もうひとつの脳」の機能の数々が、意識的な心にも関与している可能性はあるだろうか? 「もうひとつの脳」は学習や思考、記憶にもかかわっているのだろうか? 「もうひとつの脳」は、ニューロンの集団を協調させ、神経ネットワークの興奮性を調節し、神経伝達物質を放出あるいは吸収してシナプス強度を増大あるいは減弱させ、細胞触手で脳細胞を操り回って、シナプスを剥ぎ取ったり、新しいシナプスを形成できるようにスペースを空けたりしている。これらはどれも、神経ネットワークの機能を変えるうえで中心的な役割を担う働きだが、これまでは「ニューロンの脳」がそのすべてを行っていると想定されてきた。しかし、学習に脳回路の再配線が関与するのだとしたら、ニューロンはどうやって自分自身の結合を作ったり切断しているのだろう? 無数のシナプス結合を介する神経回路にしっかりと編み込まれたニューロンとは対照的に、グリアが自由に動き回れることは、視床下部の例で見たとおりだ。発達期や学習における脳のどんなリモデリングにおいても、脳の改変にあたっている細胞としては、グリアが最有力のようだと今では考えられている。この意味で、ニューロンはグリアにとっての建築資材だと言えるかもしれない。「もうひとつの脳」をよく知る脳科学者の多くにとっては、グリアによるシナプス再構築のメカニズムのほうが、すべての責任をニューロンに負わせる考え方よりも理に適っている。脳の発達や修復の際に動き回って、組織を改変したりニューロンの成長を刺激したりする物質を分泌するグリアの能力は、健常な脳が学習するときに、神経回路を再配線するのに最適である。
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グリアが情報処理にかかわっていることを示す最初で最強の証拠が、喉の渇きや出産、授乳、睡眠、運動制御、性行動など、数々の無意識の脳機能に関連して浮上したことは、不思議に思われる。脳内の無意識的な動きは、意識的な精神活動に比べて、はるかに謎めいて研究の困難な現象だからだ。この不思議な関係性は、たんなる偶然の一致だろうか、それとも「もうひとつの脳」のより普遍的な性質を明かしているのだろうか? 私自身は、後者であると信じている。グリアには、ニューロンが使用しているような急速な発火によるコミュニケーション手段が備わっていない。グリアは電気ショックではなく、化学物質やカルシウムウェーブの緩やかな拡散を介して交信している。しかし、心の中で無意識のうちにゆっくりと展開する変化は、重要な脳機能でありながら、見過ごされがちだ。おそらく、無意識の心が今なお謎に包まれている理由のひとつは、私たちが「もうひとつの脳」について無知であるためだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ニューロン神経細胞)間をつなぐシナプス(神経結合)が情報のやりとりをするといわれている。
しかし近年、グリア細胞のアストロサイトの内部にシナプス小胞が存在することが分かってきた。
グリア細胞こそが情報をコントロールする司令塔ではないかといわれている。
意識と無意識の間で、グリア細胞が働いているのです?