じじぃの「人間らしさ・高山病・三半規管・耳の中は複雑な迷路!面白い雑学」

Science Bulletins: Tibetans Show Recent Evolution

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=_IXTUns1Q68

高地の環境に順応した人たち (チベット人


私たちは今でも進化しているのか?

マーリーン・ズック(著) 文藝春秋BOOKS
進化には何百万年という途方もない時間がかかるという考えは誤りだ。動物界では急速な進化を遂げた例が多数見つかっている。
たとえばハワイのコオロギは寄生バエの攻撃から逃れるために、五年で鳴かないように進化した。急激な進化は人間の間でも起きている。牛乳を飲めるようになったのも、チベット人が高地に順応できるようになったのも、青い瞳の人間が現れたのも、たった数千年の間に起きた進化の結果なのだ。進化における我々の常識を覆す、刺激に満ちた一冊。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163901930

『面白くて眠れなくなる解剖学』

坂井建雄/著 PHP研究所 2022年発行

PartⅢ 解剖学から見た人間のカタチ――耳の中は複雑な迷路 より

耳小骨がないと音を伝えられない

耳は、外から見える部分はわずかで、大部分が頭の骨の中に隠れています。外から見える部分は「外耳(がいじ)」といって、耳たぶ(耳介)、耳の穴(外耳道)、その突き当たりにある鼓膜までです。中に隠れている部分は「中耳」と「内耳」で、中耳は鼓膜の奥にある空間をいい、内耳はさらに奥にあって側頭骨に中に迷路のように複雑な形で埋まっている管状の器官です。
耳の解剖は、まず耳介を切り取り、外耳道を切り開いていきます。外耳道は外がわの3分の1が軟骨で、内がわの3分の2は骨でできていますので、軟骨はメスで切り、骨はノミで広げていきます。
奥まで広げていくと鼓膜が見えます。そこから、内がわにある「耳小骨(じしょうこつ)」の1つである「ツチ骨」が張り付いているのが透けて見えます。
鼓膜の周りの骨を慎重に削ってから鼓膜をピンセットで破り、丁寧に取り外します。これによって鼓膜の奥の空洞が見えてきます。この空洞を「鼓室(こしつ)」といって、ツチ骨の奥に別の耳小骨である「キヌタ骨」と「アブミ骨」が見えてきます。
アブミ骨は内耳の入り口にくっ付いており、これによって鼓膜の振動がツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨と伝わって内耳に伝えることができる仕組みです。

しかし、鼓室に空気が入っているのは、とても危険なことなのです。なぜなら、空気は膨脹しますから気圧によって体積が変わります。例えば、高層ビルにエレベーターで上がったときなど、外の気圧が変わると鼓膜の外と内とのバランスが変わって、耳がツーンとなりますね。そこで、気圧の調整をする必要があり、その役目が担っているので鼓室にある「耳管」という管です。

耳管は、咽頭までつながっていて、普段は閉じていますが、耳がツーンとなったときに唾をゴクンと飲み込むと、一時的に開いて気圧のバランスが調整される仕組みです。
そもそも、鼓室を空気にしておくからいけないので、いっそのこと水にして空気の空間をなくせば良いのではないでしょうか。ところが、それも良い方法ではありません。鼓室が空気の空間になり、3つの耳小骨があるおかげで、音が良く聞こえるのです。
音は、空気の振動です。それを感じる内耳では、水の中の細胞が音を感じています。空気の振動が水の中を伝わるかというと、ほとんど伝わりませんね。空気は非常に軽くて密度が低いため、どんなに激しく動いてもエネルギーが小さいので水の分子を動かしません。したがって、空気中の音波のほとんどが、水面で反射して水の中には入らないのです。
そこで、密度の低い空気の振動を水の振動に変えるために、まず鼓膜の広い面積で受けた音が、アブミ骨の底の狭い面積に伝えられることでエネルギーが集中するのです。鼓膜とアブミ骨の底の面積比は17:1なので、鼓膜に加わる圧力は17倍に増強されます。
さらに、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨という3つの骨を経る間に、テコの原理で振幅が小さくなってエネルギーが下に集中し、より大きな力を発揮します。このような仕組みによって、音波のエネルギーの60パーセントを空気から水に伝えることができるのです。

膜迷路の液体の種類

中耳まで解剖したら、次に行うのは内耳ですが、ここも骨の中にできた複雑な洞穴です。形が複雑なので「迷路」と呼ばれています。その洞穴の中に、洞穴とそっくり同じ形をした膜の袋が入っています。骨の洞穴のことを「骨迷路」、中に入っている膜の袋のことを「膜迷路」といいます。
膜迷路の外と中では、入っている液体の成分が違います。膜の外にあるのを外リンパといって、血液と似た成分でナトリウムの多い体液です。膜の中にあるのは内リンパといって、細胞の中と似たカリウムが多い体液です。この成分の違いが、耳の感覚には重要な意味があります。
内耳にある聴覚や平衡感覚を司る感覚細胞は、すべて膜迷路にあってカリウム濃度の高い内リンパに浸っています。
感覚細胞は、頭に手が生えた有毛細胞で、毛が傾くと内リンパのカリウムが細胞内に流入して興奮します。これは、内耳の感覚細胞に共通した感覚受容の仕組みで、理由はわかっていませんが、ナトリウムの中では反応しないのです。
迷路を地形で見ると、3つの部分に分かれています。場所的には、前方に「蝸牛(かぎゅう、カタツムリのこと)」があり、真ん中に「前庭」、後方に「半規管」があります。
前方の蝸牛は、管がとぐろを巻いてカタツムリのような形をしているので蝸牛と呼ばれています。ここでは音を感じます。後方の半規管は、回転運動の加速度を感じます。真ん中の前庭では直線運動の加速度を感じます。

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どうでもいい、じじぃの日記。

私たちは今でも進化しているのか?

人類は約6万年前にアフリカを出て、全世界に広がっていった。
彼らのうち、エベレスト頂上で生活する人々がいた。
高地の環境に順応し、特殊な遺伝子を持つようになった。
現代人は今でも進化し続けているらしい。