じじぃの「人の生きざま_414_CD・デューブ」

【訃報】細胞内小器官発見で1974年ノーベル賞受賞のクリスチャン・ド・デューブ氏、安楽死により死去 95歳 2013年06月10日 サイエンス速報
細胞内小器官を発見し、テイ・サックス病などの遺伝疾患に光を当て、現代細胞生物学の基礎を築いたことにより ノーベル賞を受賞したベルギーの生化学者クリスチャン・ド・デューブ氏がベルギーでは合法の安楽死によりNethenの 自宅で死去した。95歳。
http://blog.livedoor.jp/rikagaku/archives/29081355.html
クリスチャン・ド・デューブ

真核細胞

原核細胞と真核細胞の理解 ponta blog
http://ameblo.jp/akitamamoru/entry-10637070359.html
クリスチャン・ド・デューブ ウィキペディアWikipedia)より
クリスチャン・ルネ・ド・デューブ(Christian Rene de Duve、1917年10月2日 - 2013年5月4日)は国際的に高く評価された細胞生物学者で生化学者。

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分子からみた生物進化 DNAが明かす生物の歴史 宮田隆/著 ブルーバックス 2014年発行
真核生物誕生の謎 (一部抜粋しています)
細菌、ミトコンドリアの共生に関する新しい仮説、水素仮説が提唱され、話題になっている。さらに、ミトコンドリアをもたない、現存する最古の真核生物とかんがえられているランブル鞭毛虫ミトコンドリアの相同小器官、ミトソームが発見された。こうした発見によって、真核生物の初期進化の理解がいま大いに深まっている。
よく知られているように、真核生物の組織は真正細胞や古細菌の細胞に比べて複雑な構造をしている。細胞内には発達した内膜系があり、核をはじめとしてさまざまな小器官が存在している。とりわけ核の存在は特徴的で、エドアール・シャトンが指摘しているように、核をもたない原核細胞と核をもつ真核細胞の違いは誰もが認める進化的不連続になっている。こうした複雑な真核細胞はどのように進化したのかということについては、現在のところほとんど理解されていない。
ノーベル医学・生理学賞受賞者クリスチャン・ド・デューブは、、こうした複雑な構造をもつ真核細胞への進化にとって細胞壁の消失が重要なイベントであったと指摘している。原核生物の多くは細胞壁をもっていて、それは構造の支持と傷害の保護に重要な役割を果たしている。真核生物の祖先は進化の過程でその細胞壁を捨てたのだが、その理由はいくつか考えられる。真核生物の祖先が生きていた太古の時代には、まだ死骸を分解するバクテリアが生存していなかったので、生物の増殖に伴って、特定の有機物が減少していくことが考えられる。たまたま真核生物の祖先が利用していた有機物の量が、彼らが生存していた場所で著しく減少したため、効率よく有機物を細胞内に取り組むために細胞壁を失ったのではないかというのがその理由の1つである。
細胞壁を失った真核生物の祖先は、細胞壁からの制約が消えたため、細胞を大きくすることが可能になった。効率よく有機体を摂取するために細胞表面の細胞膜はひだ状に折れて表面積を増やしていった。さらに、ひだ状の膜から、外来の物質や細菌を取り囲んで細胞内に取り込む機能が生じた。また、DNAを囲んだ細胞膜はちぎれて核を形成し、複雑な内膜系を発達させた。これらに並行して、真核生物の祖先はアクチンやチューブリンといった細胞骨格系の分子を新たに発明して、運動に伴う細胞の変形に対して復元力をもたせた。こうして真核細胞の祖先は捕食性(従属栄養)の食細胞へと進化していった。以上が、ド・デューブが描く真核生物誕生の物語である。現在の白血球が原核細胞を捉える様子がモデルにあったようで、真核細胞の祖先は周囲の細菌を捕食し、餌としていたのではないかというのが彼の考えである。