じじぃの「科学・地球_446_世界100年カレンダー・21世紀・アフリカの人口増」

Nigeria’s Population Hits 201 Million - United Nations

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fuUXPSj1tBQ

ナイジェリア・ラゴスの街並み


極度の貧困人口、ナイジェリアが世界最多の8700万人

2018.06.26 CNN.co.jp
1日当たりの生活費が1.90ドル(約200円)未満という極度の貧困状態で暮らす層の推定人数を国別に比較した最新のデータで、世界最多はナイジェリアの8700万人という結果が出た。
ナイジェリアはアフリカ最大の産油国だが、石油価格の低迷や産油量の急減で2016年から不況に突入した。同国では毎分、新たに約6人が極度の貧困状態に陥っている。
https://www.cnn.co.jp/world/35121493.html

『世界100年カレンダー 少子高齢化する地球でこれから起きること』

河合雅司/著 朝日新書 2021年発行

第3話 アフリカ台頭のカレンダー より

驚異的な日本の”一人負け”

このように21世紀は主要国でも人口の減る国が少なくないが、日本の減り方は驚異的だ。
第2話でも紹介した通り、2020年の国勢調査における総人口は約1億2622万7000人だが、だが、社人研の推計では2050年には1億192万3000人に減る。下落率を計算すると19.3%減だ。下落幅の大きいポルトガルやイタリアと比べても2倍近い差がある。米国に至っては14.6%増であるから大きな違いである。国・地域によって人口規模は異なり単純に言えないが、21世紀前半で日本はその姿を大きく変えるだろう。よほど思い切った構造転換をしない限り、経済の衰退は避けられまい。
日本の驚異的な縮小は、世界人口ランキングにも鮮明に表れる。国連の資料で人口の多い上位10ヵ国の推移を見ると、日本は1950年もは5位、1990年には7位だったが、2020年には11位となっており、2050年には17位にまで順位を下げる。2100年にはなんと36位に後退する。
長らく人口ランキングといえば中国、インド、米国がトップ3であったが、21世紀中に顔ぶれが大きく変わる。人口を減らす中国は、インドに抜かれて世界2位に転落する。インドは2020年の13億8000万4000人から、2050年には16億3917万6000人に増える。その後は減って、2100年は14億4702万6000人だ。

アフリカ各国は、目覚ましい勢いで増加する。とりわけナイジェリアは、2020年は7位だが、2050年には4億131万5000人を数えるまでとなり、米国を抜いて3位となる。2100年には同じく3位だが7億3294万20000人に膨らみ、人口を大きく減らす中国(10億6499万3000人)に迫る存在になる。
インドの隣国であるパキスタンバングラデシュも人口をかなり増やす。パキスタンは2100年に4億310万3000人で5位を維持する。2050年には「中央・南アジア」が21世紀最大の人口集積地になりそうだ。

IHMEチームが見るリアル

IHME(保健指標・保健評価研究所)チームの国別の予測も紹介しよう。多くの国で人口減少が進むとみている。
人口規模を長期的に維持するために必要な合計特殊出生率を「人口の置換水準」と呼ぶが、数値にすると「概ね2.1」だ。要するに合計特殊出生率が2.1を下回ると人口が減り始める。
現状では、世界人口のおよそ半分がこの置換水準を下回るエリアに住んでいるが、2050年までに151ヵ国で置換水準を下回り、2100年にはその数が拡大して195時ヵ国中183ヵ国が該当するようになるというのだ。先に触れたように、21世紀前半に人口が大きく伸びる「サハラ砂漠以南のアフリカ」の国々も例外ではない。地球規模で少子化が進むということである。
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国連の中位推計は、中国の人口のピークを2031年としていたから、それよりも7年早く人口減少社会を迎えるという予測である。2100年の中国の人口も、国連の中位推計10億6499万3000人に対して、3億3000万余り低い水準だが、それでも現実よりかなり多めの見積もりとなりそうである。
中国に次ぐ人口大国インドの合計特殊出生率は、IHMEの研究チームによれば、2017年の2.14から、2040年には1.42へ急激に低下し、2100年には1.29になるとしている。

こうした世界人口のバランスの変化は、世界情勢にも大きな影響を及ぼし、2100年時点の人口ランキングのトップ10はインド、ナイジェリア、中国、パキスタンコンゴ民主共和国インドネシアエチオピア、エジプト、タンザニアとなる。

トップ10の顔ぶれは、国連の推計と同じであるが、大きく異なるのは中国の順位だ。IHMEの研究チームはインドだけでなくナイジェリアにも抜けれて3位に転落すると予測している。ただ、繰り返すが、中国の合計特殊出生率は2020年がすでに「1.3」であり、IHMEの研究チームが仮定する「1.46」よりかなり低い。このため2100年のトップ10の順位も、IHMEの研究チームが予測する「3位」より、もっと下位にランキングされる可能性が大きい。