じじぃの「ガスの精製・新しいアンモニア合成法を発明!ケミストリー世界史」

脱炭素の切り札! アンモニア発電の未来【Bizスクエア】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=at8JHc0gC5k


アンモニアが“燃料”になる?!(前編)~身近だけど実は知らないアンモニアの利用先

2021-01-15 資源エネルギー庁
このアンモニア、昔から肥料として利用されてきたことは知っている人も多いかと思います。今も、化学的に合成されたアンモニアの大半が、肥料の原料として使用されています。
また、アンモニアは、火力発電所が排出する煤(スス)に含まれる、大気汚染物質「窒素酸化物(NOx)」の対策にも利用されています。NOxにアンモニアを結びつけることで化学反応を起こし、窒素(N2)と水(H2O)に還元する「還元剤」として利用するのです。
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ammonia_01.html

『ケミストリー世界史 その時、化学が時代を変えた!』

大宮理/著 PHP文庫 2022年発行

第13章 20世紀の始まり より

ヨーロッパはローマ帝国崩壊後、宗教の違いはあれどキリスト教支配下にありましたが、資本主義により、資本や富という新たな価値が求心力を増し、哲学者フリードリヒ・ニーチェによって「神は死んだ」と喝破されました。
宗教とは別に新たな価値を求める時代になってきたのです。
資本主義の発展とともに、新しい位置を生み出す科学と技術が大きく発達していきます。1903年には、ライト兄弟によって人類の夢であった飛行機の初飛行に成功しました。船も石炭を燃やす蒸気機関から、石油を燃やす大出力のディーゼルエンジンに変わりはじめ、船の大型化が加速されていきます。電気の技術も急速に発展し、都市では電化時代を迎えました。

1913年 空気からパンをつくる――重化学工業の時代へ

●新しいアンモニア合成法を発明
19世紀は急激に人口が増加しました。19世紀の終わりに近づくにつれて、やがて食糧生産が追いつかなくなって飢饉が訪れ、人類絶滅の危機がくるというような世紀末思想がはやりました。
イギリスの科学者ウィリアム・クルックスも、1898年に「人口増加による食糧不足が危機的な状況になる。これを解決するためには、窒素肥料の供給、空気中の窒素を固定することが化学者の責務である」と有名な演説をしています。空気中に78%もふくまれている窒素ガスという無尽蔵な窒素資源を、いかに肥料に変換していくのかが化学者のテーマになりました。
20世紀に入り、相次いで空気の窒素から窒素肥料(アンモニアや硝酸イオンなど)をつくる手法が発明されました。
1905年には、空気の成分である窒素ガスと酸素ガスをアーク放電というやり方で高温(3000℃)で反応させて窒素酸化物をつくり、それを硝酸にする方法(ビルケランド・アイデ法)や、生石灰黒鉛を反応させて炭化カルシウムをつくり(2000℃)、次に高温(1000℃)で窒素を反応させて石炭窒素という物質をつくり、これに水に加えてアンモニアをつくるといった方法が発明されました。
しかし、いずれも高温にするため、アーク放電や電気炉という大電力を必要とした方法なので、水力発電が豊富な場所であるノルウエーなど、工業化にあたっては立地に制限がありました。
場所を選ばず、どこでも可能な新しいアンモニア合成法を発明したのは、ドイツのカールスルーエ工科大学のフリッツ・ハーバーです。空気中の窒素と、石炭の分解でつくれる水素ガスを利用して、アンモニアを合成する手法を検討して、可能性を見出しました。

●20世紀最高の化学技術
1913年からは本格的な工場が稼働しはじめ、1日当たり30トンものアンモニアを生産できるようになりました。現代では1つの工場で、1日当たり1000トン以上の生産が可能になっています。
この実用化の過程で、ガスの精製、分離技術や巨大な反応装置、パイプラインで装置をつないで連続操業できる巨大な設備のシステム、膨大な計測装置によるシステムの管理など、現代の重化学工業、コンビナートにつながる、はじめての大規模な化学工業の技術が生み出されました。
ハーバー法のアンモニア合成工場が世界のあちこちにできて、アンモニアをベースとした肥料が安価に大量生産されるようになると、やせた土地でも肥料によって小麦などの穀物や野菜の収穫量が飛躍的に伸びて、人類の食糧生産はさらに発展します。それにあわせて、20世紀には世界の人口も増えつづけました。
ハーバーは、「空気からパンをつくった男」と賞賛されました。ハーバー・ボッシュ法アンモニアを合成し、肥料として食糧生産を増大させましたが、高温・高圧を維持する反応装置など、操業にはエネルギーを大量に使います。
マメ科の植物、クローバーやアルファルファの根に共生する根粒菌やアゾトバクターといわれるバクテリアは、常温・常圧で窒素からアンモニアを合成しています。人類のテクノは、まだ細菌を超えることはできないのです。

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どうでもいい、じじぃの日記。
地球温暖化が思ったより早く進んでいるようです。
中国・重慶市などの地域で気温が40℃を超える猛暑日が続き、川や湖が干上がる現象が見られた。
次世代のエネルギーとして注目される「アンモニア」。
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、LNG液化天然ガスをいかに安定調達するかが議論されましたが、日本政府がもうひとつ力を注いでいるのが「アンモニア」なのだそうです。