じじぃの「人の死にざま_1774_ウィリアム・ラムゼー(化学者)」

はやぶさ2イオンエンジン始動・加速巡航CG 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=JPu9_A6v_qM
はやぶさイオンエンジンisas.jaxa.jp HPより)


ウィリアム・ラムゼー ウィキペディアWikipedia)より
ウィリアム・ラムゼー(William Ramsay, 1852年10月2日 - 1916年7月23日)はスコットランド出身の化学者である。1904年に空気中の希ガスの発見によりノーベル化学賞を受賞した。なお、同年のノーベル物理学賞希ガスであるアルゴンを発見した功績によりレイリー卿が受賞している。

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『元素118の新知識 引いて重宝、読んでおもしろい』 桜井弘/著 ブルーバックス 2017年発行
元素発見者ランキング より
元素を初めて発見した人々の物語を知ることは、元素の歴史を学ぶことにつながり興味深い。アメリカのシーボーグをリーダーとするグループによる人工元素の合成・発見が群を抜いて多い。
ベルセーリウス、ヒシンイェル(スウェーデン)とクラップロート(ドイツ)によるセリウム(Ce)の同時発見は、元素の第1発見者をめぐる国を挙げての論争となった最初の例である。
順位 発見者(国名)         発見元素数 発見元素

                                                                                                                                  • -

1  シーボーグ(アメリカ)     9      Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No
2  デービー(イギリス)      6      Na K Mg Ca Sr Ba
3  ラムゼー(イギリス)      5      Ar He Kr Ne Xe
4  シェーレ(スウェーデン)    4      Cl Mo W Mn
4  ベルセーリウス(スウェーデン) 4      Se Ce Th Si
6  クラップロート(ドイツ)    3      U Zr Ce
6  ボアボードラン(フランス)   3      Ga Sm Dy
Xe キセノン/Xenon 54 より
キセノンは1898年、イギリスのラムゼーとトラバースによって発見された。液体空気の分留によって、最初にネオン(Ne)、次にクリプトン(Kr)が、そして最も揮発しにくい部分からキセノンが発見された。放射性元素ラドン(Rn)を除き、既に発見されていたヘリウム(He)とアルゴン(Ar)を含めて、不活性ガス5種類はすべてラムゼーが発見した。
キセノンの語源であるクセノスXenos)は、ギリシャ語で異邦人やなじみみくいものという意味であり、キセノンの揮発しにくさを象徴している。キセノンはスズ(Sn)に次いで安定同位体の多い元素である。キセノンは液化空気から得られるが、年間生産量は約1万L、大気の0.00004%(重量)を占める。
キセノンは、ヘリウム(ガラス壁をも透過)、ネオン、アルゴン、クリプトンと同様にゴム、ビニールなどを透過するので、容器には工夫が必要である。
深宇宙探査機、たとえば”はやぶさ”のイオンエンジンでは、静電荷電粒子による推進が用いられ、放射性のラドンを除いて、イオン化エネルギーが最も強い小さいキセノンが用いられた。
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キセノンを含め、希ガスは生体への影響は強くはない。しかし、多くの不活性ガス(特に有名なのは笑気ガス<N2O>。不活性ガスは通常ヘリウムやネオンなどの希ガスを指すが、反応に関与しない機体という意味で用いられることもある)と同様に、キセノンにも麻酔作用がある。このように、多くのガスに麻酔作用があることから、潜水時に生じる窒素酔いという言葉は、ガスナルコーシスと改められたが、そのメカニズムについてはわかっていない。
キセノンもまた、核医学診断分野で利用されている。原子炉でつくられる133Xeは、肺の換気機能の検査に用いられている。