じじぃの「人の死にざま_1772_イェンス・ベルセリウス(化学者・医師)」

Jons Jacob Berzelius 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=1lgEWZWDago
 Berzelius

まさに近代化学の先生 イェンス・ベルセリウス 2014/10/06 note
イェンス・ベルセリウス(Jons Jacob Berzelius)。スウェーデンの化学者、医師。元素記号の記法を提唱し、原子量を精密に決定した。また新しい元素を発見・単離し、種々の化学概念を創案した。近代化学の理論体系を組織化し、集大成した(1779年8月20日 - 1848年8月7日)。
ベルセリウスは元素を電気的に陰性な元素と陽性な元素とに分類して、原子は反対電荷間の電気的引力により結合して分子を形成するという電気化学的二元論を考えた。さらに、ゲイ・リュサックの気体反応の法則を根拠として化合物中の元素の構成比を推定し、1828年までにそれまで知られていた43の元素の原子量を、2,000以上の化合物を精製・分析することによって決定した。これはジョン・ドルトンの求めた値よりも飛躍的に精度を高めたものである。新元素としてセレン、トリウム、セリウムを発見した。そして、タンタル・ケイ素・ジルコニウムを単体として分離し、リチウムを命名した。また、元素記号ラテン語またはギリシャ語の名称のアルファベット頭文字で表す現在の方法を1813年頃に提唱した。
https://note.mu/toshiro/n/n14eb973f3118
『元素118の新知識 引いて重宝、読んでおもしろい』 桜井弘/著 ブルーバックス 2017年発行
元素発見者ランキング より
元素を初めて発見した人々の物語を知ることは、元素の歴史を学ぶことにつながり興味深い。アメリカのシーボーグをリーダーとするグループによる人工元素の合成・発見が群を抜いて多い。
ベルセーリウス、ヒシンイェル(スウェーデン)とクラップロート(ドイツ)によるセリウム(Ce)の同時発見は、元素の第1発見者をめぐる国を挙げての論争となった最初の例である。
順位 発見者(国名)         発見元素数 発見元素

                                                                                                                                  • -

1  シーボーグ(アメリカ)     9      Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No
2  デービー(イギリス)      6      Na K Mg Ca Sr Ba
3  ラムゼー(イギリス)      5      Ar He Kr Ne Xe
4  シェーレ(スウェーデン)    4      Cl Mo W Mn
4  ベルセーリウス(スウェーデン) 4      Se Ce Th Si
6  クラップロート(ドイツ)    3      U Zr Ce
6  ボアボードラン(フランス)   3      Ga Sm Dy
Se セレン/Selenium 34 より
セレンは硫黄(S)とテルル(Te)の間に隠れていたために未発見のままであったが、1817年になってスウェーデンの化学者ベルセーリウスと、硫酸製造工場のガーンとエゲルツにより、硫酸製造のため硫黄を燃焼した後に生じた沈殿物から、テルルに似た未知の元素として発見された。その名前は、ラテン語の地球(tellus)がテルルの語源に用いられたのに対して、ギリシャ語の月(selene)にちなんで、selenium(英語)、Selen(独語)と命名された。
天然には、セレンは硫黄や硫化物に少量含まれて産出する。セレンの単体を得る一般的な方法は、まず銅や鉛の電界精錬の陽極泥にソーダ灰を加えて500℃で焼き、二酸化セレン(SeO2)とした後、二酸化硫黄(SO2)で還元精製してセレンを得る。
Ce セリウム/Cerium 58 より
1794年にガドリンによってイットリウムが報告された鉱物から1803年、ベルセーリウスとヒシンイェル(スウェーデン)、クラップロート(ドイツ)らは独自に新しい元素の酸化物を分離した。
そして、元素の発見当時(1801年)に小惑星1号として発見され、ローマ神話の女神ケレス(Ceres)の名をとって命名された小惑星ケレスにちなみ「セリウム」と名づけられた。異なる国の科学者が最初の発見者であることを争った最初の元素となった。
セリウムは、地殻には希土類元素中最も多く含まれることもあって、ランタノイドでは最初に発見された。というものの、実際にはセリウムからガドリニウム(Gd)にいたる複雑な化合物であることが後年明らかにされ、1839年モサンダー(スウェーデン)がセリウムとランタンを分離するまで純粋なセリウムは得られなかった。
セリウムは主としてバストネサイト(フッ化炭酸塩)からとれるが、セリウムを主成分とする鉱石(セル石)は元素発見に大きく貢献した。鉱石から1つの希土類元素を分離精製するのは容易ではないが、セリウムの場合は希土類では唯一+4が安定なことを利用して容易に分離精製できる。