アボガドロの分子説による説明
アボガドロの法則
コトバンク より
●アボガドロの法則が成立するまで
アボガドロ以前、ドルトンやベルツェリウスが主張した「すべての気体は極限粒子である原子からなる」という考え方が信じられていた。
「気体反応の法則」を説明するために、(2)「分子はいくつかの原子からなるもので、単体の気体では2個の原子よりなる」とした。この二つがアボガドロの仮説である。
これによって水素と酸素の反応が説明できるようになった(図B)。しかしこの重要な考え方は、まだ分子の存在が証明されていなかったため認められず、あらためて評価されるのは、1860年カニッツァーロの紹介まで待たなければならなかった。
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『ケミストリー世界史 その時、化学が時代を変えた!』
大宮理/著 PHP文庫 2022年発行
第12章 資本主義から帝国主義へ より
重商主義、そして産業革命による工業社会の到来は、資本主義というシステムを発展させ、新しい市民階級=ブルジョワジー(資本家)と労働者を生み出しました。ブルジョワジーとはフランス語の「ブール」(町・都市)からきた言葉で、日本語なら「町人」のようなイメージです。シェルブールやストラスブール、ドイツだとハンブルクなど、もとは同じ語源です。
ブルジョワジーによる議会が、政治の中枢になります。フランス革命の到来とともに、アメリカ合衆国に次いで、地球上に新しいステージとなる近代民主主義が生まれます。
1811年 早すぎた分子説――再発見まで50年間無視された天才
●原子説でも説明できない化学反応
物質が原子でできているとするドルトンの学説は、革新的すぎてついていけない科学者が多くいましたが、物質の変化、そしてその量的な変化をうまく説明するものとして、化学の発展の起爆剤になりました。
ところが、この原子説でも説明ができない、化学反応の量的関係があったのです。水素ガス2体積と酸素ガス1体積が反応すると、水蒸気が2体積できることが当時知られていましたが、原子の個数にすると、水素原子2個と酸素原子1個が反応して、水の分子が2個になるため、酸素原子1個を分割しなくてはならないというものです。
ですが、もともと原子はこれ以上分けられない粒子だと定義しているので、矛盾してしまいます。
●アボガドロがすっきりと解明
これを解決したのがイタリアの化学者アメデオ・アボガドロでした。彼は、水素や酸素が原子ではなく、原子が合体した粒、分子というものからできているとしたのです。つまり、酸素原子2個が合体した分子を考えて、水素分子2個と酸素分子1個が反応して水分子2個ができるとすると、うまく説明ができます。
1811年、アボガドロは、「同じ圧力、同じ温度の気体には、(種類を問わず)同じ数の分子がふくまれる」という法則を発表しました。原子だけでも斬新な考え方なのに、それがさらに合体した粒子の分子からできているという突飛な考え方は、発表しても当時の化学者たちからは注目されませんでした。
科学の歴史は常識を打破して、新しい知見を得ることにあります。分子説という斬新な考え方は再発見されるまで50年間も無視されたのです。
ブロック玩具が組み合わさって、「アナと雪の女王」のお城からフェラーリF40まで、いろいろなものができてくるように、約100種の元素の原子を組み合わせて、無数の分子をつくることができます。現在では1000万種類以上の分子があるといわれています。鉱石や石油などの天然の物質から、さまざまな元素の原子をブロック玩具のように組み換えてプラスチックや半導体、抗ウイルス剤などあらゆるものをつくりだす魔法が化学なのです。
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どうでもいい、じじぃの日記。
すべての物質は原子からできている、というのは聞こえがいい。
しかし、地球の物質は原子単体ではなく、原子が組み合わさった分子がほとんどだ。