「リンはいくらでもある、しかし循環しなければならない」その1
進化,歴史 Evolution, History
リンは体の中では、DNAやRNAの構成要素、ATPの中心元素、リン脂質(細胞膜)、リン酸カルシウム(骨)などで存在し、生物の自己複製と代謝にとってきわめて重要な役割をはたしている。
人間は、植物と動物を食べることで、リンを摂取している。植物のほとんどは作物である。動物には、家畜と野生動物がある。家畜は飼料で育てるので、その養分は作物に由来する。野生動物のほとんどは、魚介類である。すなわち、人間が摂取するリンの多くは、農地土壌に存在するリン、肥料として施用されるリン、海水中のリンに由来している。
https://jcmswordp.wordpress.com/2016/05/29/%E3%80%8C%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%81%E3%81%97%E3%81%8B%E3%81%97%E5%BE%AA%E7%92%B0%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%B0/
『ケミストリー世界史 その時、化学が時代を変えた!』
大宮理/著 PHP文庫 2022年発行
第12章 資本主義から帝国主義へ より
重商主義、そして産業革命による工業社会の到来は、資本主義というシステムを発展させ、新しい市民階級=ブルジョワジー(資本家)と労働者を生み出しました。ブルジョワジーとはフランス語の「ブール」(町・都市)からきた言葉で、日本語なら「町人」のようなイメージです。シェルブールやストラスブール、ドイツだとハンブルクなど、もとは同じ語源です。
ブルジョワジーによる議会が、政治の中枢になります。フランス革命の到来とともに、アメリカ合衆国に次いで、地球上に新しいステージとなる近代民主主義が生まれます。
1879年 グアノ戦争って何?――資源が戦争を引き起こす
●資源をめぐって戦争の絶えない南米
南米のボリビア多民族国家は内陸国で、海に面していないのに海軍があります。なぜでしょうか。ここにラテンアメリカの戦争の歴史がつまっています。ボリビアは独立後、太平洋岸に面した地方を領土にしています。
ラテンアメリカは1800年初頭、ブラジル(当時はポルトガル領)以外、ほとんどがスペインの植民地でしたが、それかた30年くらいのあいだに続いたさまざまな独立戦争の結果、スペインは駆逐されてしまいました。独立の英雄シモン・ボリバルは、南米統一国家を夢見て独立戦争を戦い抜き、現在でもボリビアにその名前を刻んでいます。
急速な独立はあちこちで国境腺の問題を生じ、戦争が続きました。チリとボリビアの国境には硝石や銅、グアノといわれる鉱物などの豊富な資源があり、ゴタゴタが発生していましたが、ついに1879年、ペルーとボリビアの連合軍に対してチリが戦線を布告して、戦争(グアノ)が起こります。
戦争はチリの圧勝で終わり、ボリビアの太平洋岸の領土もチリにとりあげられました。いつかはまた太平洋岸まで領土を、という思いで、ボリビアhいまだに海岸を残しているようです。
●肥料ブームでリン鉱石が大量採掘
この戦争の名前にもなっている、資源のグアノとは何でしょうか。グアノとはスペイン語で、もともとはケチュア語の「糞」という意味からきた言葉です。海鳥の糞が堆積してできた石のことです。
化学的にはリン酸カルシウムを多くふくみ、リン鉱石といわれます。降水量が少ないチリの太平洋岸や島などに、海鳥の糞が堆積して鉱石になったものです。イワシを食べた海鳥の糞には、元素としてリンや窒素、カリウムという肥料の3大要素がふくまれています。
リービッヒ(ドイツの化学者。応用化学においては、植物の生育に関する窒素・リン酸・カリウムの3要素説、リービッヒの最小律などを提唱し、これに基づいて化学肥料を作った。そのため、「農芸化学の父」とも称される)が、鉱物や、人工の無機化合物の肥料の有用性を説いて、農業も近代的な資本主義的なスタイルに変化しつつありました。折しも肥料ブームの時代、リン鉱石はゴールドラッシュさながらチリなどで大量に採掘され、ヨーロッパやアメリカに輸出されました。リン鉱石はチリ以外では南太平洋の島々にも点在し、なかでもナウル島(ナウル共和国)が有名でした。
資源のあるところに戦争あり、なのです。
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どうでもいい、じじぃの日記。
グアノ戦争って何?
何とペルーとボリビアとの間で「糞」をめぐって戦争があったのだとか。
「健常人では吸収したのと同じ量のリンが腎臓から尿に排泄されています。腎臓の機能が低下すると、不要なリンを尿中に排泄することができず、血液中にリンが溜まってしまいます」
タンパク質とリン(P)は大きく関係しているのだとか。