じじぃの「科学・芸術_422_電気自動車・リチウム資源争奪戦」

SALAR DE ATACAMA 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=7UUHlpketOs
南米の塩湖asahi.com HPより)

リチウム資源 (i1.wp.com HPより)

ワールドビジネスサテライトWBS 2018年3月12日 テレビ東京
【キャスター】大浜平太郎
●“あの国”のEVメーカー 躍進の裏に「国ぐるみ」支援
京都市内で路線バスを運行する「プリンセスライン」は、保有する22台のうち7台がEV=電気自動車のバスです。
充電設備に約1,000万円ほどかかりましたが、燃料費などのランニングコストは従来のバスの3分の1程度。製造メーカーは中国の「BYD」です。
中国・深圳では政府主導でEVの普及が進み、路上のバスはすべてEV、タクシーも6割以上がEVで、どれもBYD製です。
元々電池メーカーだったBYDはEVの電池を自社生産できるほか、電池の原材料リチウムも政府の支援で十分な量を調達しています。政府の後押しはほかにもあり、充電所の整備を進めているほか、深圳でガソリンタクシーに対する特別税を導入、乗客をEVタクシーに誘導しています。BYDは、あらかじめ路線が決まっていて最小限の充電設備で済むEVバスを世界進出のテコと考えていて、担当者は「100年に一度あるかないかの新たなチャンス」と意気込みを語ります。
BYD製のEVバスは既に、日本、フランスなど50ヵ国以上に進出しています。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_151130
電気自動車EV用リチウム資源の現状 最先端科学・技術ニュースと新製品情報
リチウム資源獲得競争が始まったのは中国の自動車政策が原因だ。
中国は19年から自動車メーカーに一定比率のNEVの製造販売を義務付ける規則を導入すると発表した。
世界最大の自動車生産国となった中国が電気自動車EVへの転換を目指す方針を打出したため、電池の主要原料であるリチウム価格が高騰し、世界的なリチウム争奪戦が始まった。オーストラリアが埋蔵量の割合に比べ生産量の割合が大きいのは、生産方式の違いに依る。チリなど南米では塩湖に含まれるリチウムを天日干しにして採取する手法で時間がかかる一方、オーストラリアでは鉱石から精製する仕組みのため南米の手法よりも効率がよいためだ。
南米のリチウムはいずれも塩湖から採取している。
チリはアタカマ塩湖。ボリビアはウユニ塩湖、アルゼンチンはリンコン塩湖がある。
http://taiga8823.com/current-status-of-lithium-resources-for-electric-vehicle-ev/
パナソニック、豪資源企とリチウム供給契約 2017/10/05 NNA ASIA
パナソニックは、電気自動車(EV)に使用される高品質なリチウムイオン電池の生産体制を強化しており、原料の安定供給に向けて調達先を模索していたとみられている。地元紙オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューによると、ギャラクシーのアンソニー・ツェー社長とマーティン・ローリー会長を含む複数人の幹部が、契約調印式のために先ごろ日本を訪れたという。
ギャラクシーはカトリン鉱山でリシア輝石を採掘し、中国に保有する工場で加工事業を行う。同社はオーストラリアのほか、アルゼンチンやカナダでもリチウム開発の事業拡大を目指す方針だ。
リチウム事業を巡っては、WA州ピルバラ地区でリチウム鉱山を開発するピルバラ・ミネラルズが、中国の自動車メーカー長城汽車とリチウム供給に関する協定を結んだばかり。世界的なEV生産の拡大によって、リチウムリオン電池の需要は増加しており、国内外の資源各社がリチウム事業拡大に向けた動きを加速させているという。
https://www.nna.jp/news/show/1670544
『資源戦争――いま世界で起きている本当に凄い話』 ニュースなるほど塾/編 KAWADE夢文庫 2012年発行
次世代自動車に不可欠なリチウムの争奪戦で、日本に勝機はあるか より
リチウムをめぐる争奪戦が南米のチリ、ボリビア、アルゼンチンで起こっている。日本も関与しているため、国内でも注目度が高い。
リチウムとはレアメタルの一つで、電池の材料となる。1991年にソニーが世界に先駆けて量産化したリチウムイオン電池は、パソコンや携帯電話などに使用され普及していった。
最近ではハイブリッド車、電気自動車などの次世代自動車の電池にもリチウムが使われている。地球温暖化対策で次世代自動車売れ行きが伸びている現在、リチウムの需要も急増しており、数年前にはリチウムが一時不足する事態になった。
そのリチウムは世界の埋蔵量の8割が南米に集中している。具体的にはチリのアタカマ塩湖、ボリビアのウユニ塩湖、アルゼンチンのリンコン塩湖。この3湖だけで世界の8割を占めるというから驚きだ。なかでも未開発のボリビアのウユニ塩湖には世界のリチウムの半分が眠っているといわれている。
すでに欧米諸国、中国、韓国などがリチウムを求めて南米に乗り込み、リチウム確保に奔走している。
日本はこれまで、主にチリと中国からリチウムを入手してきたが、入手ルートの分散化をはかるためボリビアに着目。JOGMEC独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)と住友商事がウユニ塩湖リチウム開発をめぐり、ボリビア政府と交渉を開始した。
そかし、ボリビアのモラレス大統領は「リチウムの権益はやすやすとわたせない」と強気の態度で交渉にのぞんでいる。ボリビアにはスペインに銀を搾取されたという苦い過去があり、資源開発はあくまで自国で行いたいという思惑がある。そのため、モラレスは日本側の提案する共同開発には、あまり乗り気ではないのだ。
だが、ウユニ塩湖のリチウムはマグネシウム濃度が高いので、ボリビアの技術力だけでは抽出困難といわれている。そこで日本側は、いずれ日本との交渉に応じるはずだと見て、モラレス大統領の変心を待っている。両国の我慢比べのような駆け引きが繰り広げられているのだ。
ただし、ウユニ塩湖のリチウムに目を付けているのは、日本だけではない。日本に次ぐリチウムイオン電池の生産国である韓国とフランスもこの湖のリチウムを虎視眈々と狙っている。
にわかに熱を帯びはじめた南米のリチウム争奪戦。どの国が権益をえるのか世界が注目している。