じじぃの「ノーベル化学賞・吉野彰さん・京都から世界にET革命を!池上彰のニュース検定」

#063 "Salar de Uyuni, Bolivia" in 4K (ウユニ塩湖/ボリビア)世界一周26カ国目

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dTZXSmIWdBg

ノーベル化学賞受賞会見での吉野彰氏

吉野彰氏リチウムイオン電池は環境問題の解決法

2019年10月9日 日刊スポーツ
ノーベル化学賞が9日、スウェーデンストックホルムで、スウェーデン王立科学アカデミーから発表され、旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)ら3人が受賞した。
リチウムイオン電池について「電気を蓄えるのが1番の機能。電気自動車(EV)の普及はリチウムイオン電池がないと出来ない」とEVへの転換が世界で進む中、リチウムイオン電池は不可欠だと語った。
その上で「巨大な蓄電システムが出来る。そこが環境問題への1番大きい影響。再生可能エネルギーで発電する社会システムを、作っていかないといけない。絶対に蓄電システムが必要。でも、そのためには費用がかかる。EVの蓄電池はそういう機能を持つ」と、リチウムイオン電池が環境問題に大きく寄与すると強調した。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201910090000716.html

池上彰のニュース検定

2019年12月6日 テレビ朝日 【グッド!モーニング】
きょうのキーワード「車向けリチウム」。

問題 リチウムが大量に埋蔵されている湖は? バイカル湖、ウユニ塩湖、琵琶湖

バイカル湖
・ウユニ塩湖
・琵琶湖
正解 ウユニ塩湖
「来週火曜日ノーベル賞授賞式です。旭化成名誉フェロー・吉野彰の受賞理由はリチウムイオン電池開発です。リチウムイオン電池スマートフォン、電気自動車などに使われています。電気自動車の量産化はリチウムイオン電池が開発されたからこそ実現したのです。時代はガソリン車から電気自動車へ移り変わろうとしています。リチウムはいわば21世紀の石油。リチウムはチリ、アルゼンチン、ボリビアなどの南米、オーストラリアが有力な産地です。地下にリチウムが多く溶けたかん水がある塩湖が採取場になっています。天空の鏡と呼ばれるウユニ塩湖はリチウムのサウジアラビアとして知られています。埋蔵量が地球上のリチウムの半分はあると言われているからです。国際的なリチウム争奪戦は激しくなるばかりですが、ガソリン車から電気自動車へのシフトはゆっくり進むと見られています。リチウムイオン電池は他の電池より多くのエネルギーが出せますがガソリンに比べれば見劣りします。軽くて長持ちする技術改良にはまだ時間がかかるのです。EUは2040年までにガソリン車全廃を目指しているが、実現は困難だと言われています。そんな中、世界が改めて注目しているのは日本生まれのハイブリッドカーです。電気自動車が本格的に普及するまでの間、ハイブリッドカーの存在感は一段と高まる見通しです」

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文藝春秋』 2019年12月号

京都から世界にET革命を ノーベル化学賞受賞の吉野彰から若者へのメッセージ

授賞式が近づいてきたので、そろそろスピーチの準備をしなければなりません。今回の受賞は、ノーベル委員会から、リチウムイオン電池は環境問題解決のために活躍せんといかんと激励されたようなものです。リチウムイオン電池が広く使われるようになっており、化石燃料が不要な社会が実現する可能性を切り開いたとして評価され、期待されて賞をいただけたのは嬉しい。受賞スピーチでは、それに対する何らかのレスポンスを示したいですね。せっかくの機会なので、世界にメッセージを出したいと考えています。
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リチウムイオン電池が最初に商品化されたのは1991年です。その後、特許の出願件数は少しずつ伸びていきましたが、急伸したのは95年以降。その年、ウィンドウズ95が発売され、IT革命が本格的にはじまったのが最大の要因です。携帯電話の普及も、リチウムイオン電池の市場拡大を後押ししました。
やがてリチウムイオン電池の事業環境は落ち着き、2003年頃から特許件数も減ってきました。どんな製品の開発においても、たくさん製品を売って研究を継続できる人たちと、コストや性能で他社製品に負けて研究を断念する人たち、言いかえれば、勝ち組と負け組が次第に決まってくるものです。
ところが、2007年以降、再び特許の出願件数が伸び始めました。その最大の要因は、車載向けのリチウムイオン電池開発の活発化です。携帯電話やノートパソコンなどモバイル端末に搭載するリチウムイオン電池の改良は進んでいましたが、車載向けに要求される性能とは違うので、新たな材料研究、技術開発が必要になる。2017年にはリチウムイオン電池の販売実績で、車載用途がモバイル端末用途を越えました。
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しかしET革命に向けた日本の取り組みは遅いと感じています。燃費の改善やハイブリッド車では、日本の自動車メーカーが世界を先行してきましたが、電気自動車や、それを活用した電力システム構築の面では出遅れています。
この分野で1番進んでいるのはヨーロッパです。よく知られているように、ヨーロッパの人たちは環境問題に対して高い意識を持っています。私は、国々が地続きでつながっている地理的条件が彼らの環境問題の考え方に影響を与えていると思います。ドナウ川のような長い川は国をまたいで流れています。そのため上流域の工場が汚染物質を垂れ流して、中流域の人が被害を受け、中流域の工場もやはり汚染物質を垂れ流して下流域の人を苦しめるといった事態がしばしば発生します。
島国で、狭い国土の日本と異なり、ヨーロッパでは早くから加害と被害の入り組んだ状況を繰り返し経験したのではないか。だから近年の環境問題に対しても、国の利害を超えて、解決に取り組む姿勢が見られるのだと思います。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ネットで、「リチウム産出国」をキーに検索してみた。
主な産出国は、チリ、オーストラリア、中国など。オーストラリアでは、鉱石ペグマタイトからコンデンサに使われるタンタルを生成する際の副生物として回収されていますが、7割方のリチウムは塩分を含んだ塩湖(ボリビアのウユニ塩湖など)の水が乾いて濃くなったもの(塩湖かん水)を精製して作られます。
リチウムの埋蔵量の多くはアンデス山脈沿いに偏在しています。現在の最大の産出国はチリで、世界の産出量の3分の1近くを生産していますが、それにアルゼンチンとボリビアを加えると、世界の推定埋蔵量で6割~8割を占めると言われており、「20世紀の中東の原油の世紀」から「21世紀のリチウムの世紀」に時代は移ったと捉える人もいるほどです。
ウユニ塩湖の”白い黄金”(塩分を含んだリチウム)は炭酸リチウムで、アメリカ、ロシア、日本などに1トンあたり約284万円で輸出されています。
最近、ドイツの企業と約1,480億円の契約がまとまりました。
とか、書かれていました。