じじぃの「科学・芸術_621_地球環境システム・氷山モデル」

The Iceberg Model for Systems Thinkers 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9I5YvLm5KXI
「できごと」は、氷山の一角に過ぎない

「袋小路からの脱出」(1) 氷山モデル 2009年10月 1日 News & Topics
●「できごと」は、氷山の一角に過ぎない
例えば、あるメーカーが売上予算に届きそうにない課題状況で、売上不足の一因として卸の販売インセンティブが足りないと分析されました。そこで、流通に対する販促キャンペーンがたびたび実施されました。
https://www.change-agent.jp/news/archives/000325.html
『地球のなおし方』 デニス・メドウズ、ドネラ・H.メドウズ/著、枝廣淳子/訳 ダイヤモンド社 2005年発行
エネルギーや鉱物資源の限界 より
耕地面積や作物が利用できる養分のほかにも、穀物生産量を増やすうえでの限界があります。後で取り上げる水もそうです。作物を育てるには、水がなくてはならないからです。また、作物を効率よく大量生産するためにはビニールハウスをつくり、冬でも温度を一定に保って栽培が行われています。しかし、暖房にはエネルギーが必要ですから、エネルギーの限界が食糧生産の限界やコスト増にもつながるでしょう。化学肥料もそうです。たとえば、リン肥料はリン鉱石という資源からつくられますが、これはまもなく枯渇するのではないかと心配されている資源の1つなのです。リン鉱石の限界が、肥料の生産量の限界となり、作物の生産量の限界やコスト増にもつながります。
エネルギーや鉱物資源など、一見して農業とは関係なさそうなさまざまな要素が、穀物清泉寮に影響を与え、人口という別の要素と相まって、1人当たりの穀物生産量を左右し、それが不足してくると、人口が減少しはじめるかもしれない……というように、さまざまな要素がつながり、互いに影響しあっていることがわかります。システム思考では、このようなさまざまな要素がつながりを全体として理解し、どこに働きかけをすることが最も効果的にシステムを考えることができるのかを考えます。
「できごと」の奥にあるものを見る より
システム構造を変えていくには、どこに働きかけたらよいのでしょうか? システム思考のアプローチをご紹介しましょう。
たとえば、「売り上げが落ちた」という問題が起こると、私たちはすぐに「売り上げを上げるために何をしたらよいか」という対策や解決策を考えようとします。ここでの問題は、氷山にたとえると、海水面山の上に見えている部分で、「できごと」です。
氷山と同じく、水面上に見えているできごとは、全体のほんの一部であって、その下にもっと大きなものがあります。すぐ下にあるのは、「行動パターン」です。表面に見えているできごとを過去にさかのぼって考えてみると、「いつも販促キャンペーンの2ヵ月後に売り上げが落ちている」といったパターンが見えてくるといったことです。
そして、この行動パターンを生み出しのが、その下にある「構造」です。システムの構造が行動パターンをつくっているのです。たとえば、先ほどの販促キャンペーンの2ヵ月後に売り上げが落ちるには、キャンペーンを実地すると販売店が多めに在庫をもつことになるので、その反動で、その後には注文が入らなくなるといったことです。