じじぃの「ウクライナ・なぜ中国はロシアと軍事同盟を組まないのか?国際時事」

日中防衛相が対面で会談 中ロの爆撃機に“重大な懸念

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=8Lo5v9sOqqs


ウクライナ侵攻、中国に誤ったメッセージの恐れ…日本は「台湾」「尖閣」に懸念

2022/02/26 読売新聞オンライン
政府は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が、東アジアの安全保障環境に与える影響に警戒を強めている。
国際社会がロシアの行動を制止できなければ、中国に誤ったメッセージを与え、台湾などで一方的な現状変更を試みる可能性があるとみているためだ。
中露両国は、力による領土拡大を辞さない姿勢で共通する。ロシアとウクライナの関係を中国と台湾の関係に重ね、「今すぐ何かが起きなくても、今回のロシアによるウクライナ侵攻が、5年、10年後の中国と台湾に影響する可能性はある」(自民党幹部)との見方も広がる。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220225-OYT1T50345/

中国はウクライナと「仲良し」でロシアと「軍冷経熱」 軍事は賛成しないが経済は支援する理由

2022/3/22 遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)
ロシアによるウクライナ侵攻に直面した中国は、2月25日の国連安保理における対露制裁も、3月2日の国連総会緊急特別会合における対露非難決議も棄権した。しかし、それをもって、「中国がロシアの側に立っている」と考えるのは早計だ。中国はロシアの軍事行動には反対だが、経済的にはロシアを支援するという姿勢を崩していないからだ。
ウクライナと「仲良し」
そもそもウクライナと中国は「大の仲良し」だ。1991年末に旧ソ連が崩壊すると中国はいち早く、92年1月にウクライナと国交を樹立している。以来、旧ソ連の武器製造の拠点であったウクライナの関係技術者を異常なまでの高給で中国に迎え入れ、ミサイルや航空母艦製造の技術のすべてを教授してもらった。
 米国の国防総省ペンタゴン)が今、軍事報告書で「中国のミサイルと造船技術は米国より優れている」と書くほど、この方面における中国の軍事力が成長したのはウクライナのおかげなのである。その友好関係は、中国の習近平氏が「一帯一路」構想を推進し始めてからは、いっそう強固なものとなっている。

おまけに習氏にとって、「一帯一路」だけでなく、中国と欧州を結ぶ「中欧投資協定」は、13年から力を注いできた対欧外交のコアだ。これがあれば米国からの制裁にも勝てると習氏は期待していた。ロシアに足並みをそろえて北大西洋条約機構NATO)と対立することは、その欧州と対立することを意味し、習氏としては絶対に軍事的にロシアの側には立ちたくないのである。

しかし今、米国から制裁を受けている国同士としての結びつきにひびが入れば、それは米中覇権競争の真っただ中にある中国の競争力にもダメージを与える。だから習氏としては真正面からプーチン氏に「ウクライナ軍事攻撃反対」とは言えないが、経済面においては徹底してプーチン氏を支えようというのが揺るがない対露姿勢だ。
http://www.avis.ne.jp/~nihao/22-endo-homare-tyuro.html

『同盟と対立の世界地図』

国際時事アナリスツ/編 KAWADE夢文庫 2022年発行

2章 経済圏を巧妙に主導し、世界を切り取る中国 より

なぜ、中国はロシアと軍事同盟を組まないのか? 中露同盟の可能性

中国とロシアは、緊密な関係にある。ともに「一帯一路」、上海協力機構の一員であり、習近平主席とプーチン大統領の仲もいい。両国は団結して、アメリカを非難し、まるで”秘密同盟”でも結んでいるのではないかと思えるほどだ。
かりに中国とロシアが、秘密裡にでも軍事同盟を組むのなら、それは日本やアメリカにとって大きな脅威になる。日本が尖閣諸島で中国の攻勢に晒(さら)されたとき、中露同盟に合わせてロシア軍が北海道方面で不穏な動きを仕かけるなら、日本は南北で対応を強いられ、尖閣諸島を失いかねない。
ただ、中国とロシアが軍事同盟を結ぶ可能性は低いとされる。中国側がメリットを感じていないからだ。
じつのところ、ロシアは中国に対して「軍事同盟」的な関係を打診したことがあるようだ。中露善隣友好協力条約の締結20周年にあたった2021年、同条約の更新に及んで、ロシアは両国の間柄を軍事同盟的な関係にまで引き上げることを望んだが、中国側はこれを断っている。
ロシアからすれば、中国と軍事同盟を結べば、アメリカにもNATOにも対抗できる。中露同盟相手には、最強国アメリカもNATOも強くは出られない。世界で孤立しがちなロシアからすれば、中国との具体的な緊密化が望ましかった。さらに、インドとも同盟を結び、中露印の三国同盟を結んだら、アメリカに完全に対抗できる。しかし、その構想は、中国側から拒否されたのだ。
    ・
もうひとつ大きいのは、中国はNATOと敵対したくないからだ。たしかにロシアと同盟を結べば、極東でも日本やアメリカ相手に優勢に立つことができるかもしれない。しかし、NATOと敵対するデメリットも大きいのだ。
NATOがつねに対峙しているのは、ロシアである。中国がロシアと軍事同盟を結んでしまうと、NATOは中国も敵視することになる。中国は厄介な敵を増やしたくないし、そもそもヨーロッパ諸国とはうまくやっていきたい。だから、ヨーロッパを敵にまわすような同盟は結ばないのである。