じじぃの「南鳥島・沖ノ鳥島・中国の海洋調査船・日本の島が危ない!あなたの鳥類学」

【タカオカ解説】目的はいったい!? 日本のEEZ内で中・韓が無断海洋調査、高まる”海の緊張”のワケ

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=MLsDeX_Xa80


沖ノ鳥島周辺の中国船、狙いは「資源」と「戦略」 日本に「実力行使」を求める声

2020.7.18 産経ニュース
中国当局が東京・沖ノ鳥島沖の日本の排他的経済水域EEZ)で海洋調査を活発化させている背景には「沖ノ鳥島は島ではなく岩で、EEZや大陸棚は認められない」(華春瑩外務省報道官)との主張を既成事実化する狙いがある。
沖ノ鳥島を基点とする日本のEEZを認めた場合、中国側は周辺の海底資源をめぐる自らの権益と海軍戦略に大きな打撃を被ると認識しているためだ。
https://special.sankei.com/a/international/article/20200718/0003.html

『鳥類学は、あなたのお役に立てますか?』

川上和人/著 新潮社 2021年発行

第6章 鳥類学者は、振り向かない より

3 真夏の夜の夢

C-130はロッキード社のベストセラー輸送機だ。シルエットはダボハゼ風だが、高い輸送性能から世界中で活躍する。4基のターボブロップエンジンが奏でる爆音には耳栓が不可欠である。
エンジン音が収まると、パイプフレームが軋む吊り下げ椅子から解放される。ダボハゼの腹を抜けて4時間ぶりに大地に足をおろす。滑走路は照りつける日差しで揺らめいて見えた。
日に焼けた地元の人がニコニコと出迎え、私たちを観光用看板へ誘う。まずここで記念写真を撮るのが島の慣習のようだ。木彫りの看板が赤字で自己紹介をしている。
「ようこそ南鳥島へ 日本の最東端の島」
出迎えてくれたのは、海上自衛隊南鳥島航空派遣隊の隊長だ。

18時間

地球の表面は多数のプレートに覆われている。日本を支えるプレートはその4枚だ。関東以北は北米プレート、中部以西はユーラシアプレート、伊豆諸島や小笠原はフィリピン海プレートの上にある。
もう1枚は太平洋プレートだ。日本海溝の東に広がり、広く太平洋の海底を支えている。
小笠原諸島の端に位置する南鳥島は、日本で唯一この太平洋プレートにある島だ。
環境省がこの島に鳥獣保護区を設定するあたり、私が現地調査に行くことになったのは2007年7月のことだ。
島には、自衛隊気象庁海上保安庁の職員約40名が常駐していたが、民間の空路はない。環境省から防衛省に協力を要請し、自衛隊機に搭乗させてもらったのである。まずは快く受け入れてくれた防衛省にお礼を申し上げたい。
面積は約1.5km2。直径40cmのマルゲリータピザ換算なら1200万枚相当である。1200万人で食べたら1人1枚しか配給されない程度の小島である。
調査では鳥とともに他の生物のデータも取りたい。だが、輸送機に確保できた席は環境省の担当官と私の2名分だけだ。
輸送機の運行は1週間に1度しかない。2人とはいえこの小さな島なら1週間で各種の調査が完遂できるだろう。
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私に与えられたのはその間の18時間だけだ。

海鳥楽園後始末

右も左もわからぬ我々の身を案じ、ありがたくも隊長がガイドを買って出てくれたまずは車で島の全域を回り、環境を把握する。
南鳥島とんがりコーンのような形をしている。とんがりコーンを立てた形ではなく、うまく膨らまなかったぺちゃんこタイプだ。平たくいうとマルゲリータピザを8等分したような三角だ。最高標高はわずか9mの平坦な島で、中央にはちょっとした森林があり、周囲には草地と低木が散在している。
とんがりコーンの西側の辺に沿って滑走路がある。隊長によると、滑走路に降った雨水を集めて活用しているらしい。小さく平らなこの島には淡水系がない。海水の淡水化装置も調子が悪く水は貴重なのだ。
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この島は海鳥の島なのである。ただし、今見られる鳥達は本来の姿のほんの一部だ。
1896年、この島に約20人の日本人が移住した。海鳥がいたからだ。
当時は11種の海鳥が繁殖していた。小笠原諸島内で最多の海鳥繁殖種数である。オオグンカンドリやコミズナギドリなど、国内ではここでしか繁殖記録のない種もある。数十万、もしかしたら数百万の海鳥がいたかもしれない。
その頃フランスやイギリスでは、羽毛寝具や白い羽毛を飾った帽子がもてはやされていた。おかげで海鳥の羽毛は日本の重要な輸出産品となった。南鳥島にいたコアホウドリはその原料である・捕獲した鳥の翼の羽毛は装飾品に、体の羽毛は布団の材料に、肉や卵は食用に内臓や骨は肥料に利用される。コアホウドリだけでなく全ての海鳥が経済価値を、また島に住んだ人たちの食生活を支えた。
1902年に島を訪れたブライアン博士の記録によると、多産していたはずのコアホウドリクロアシアホウドリはほぼ絶滅状態にあり、その他の海鳥もすでに激減していたようだ。
海鳥がいなくなると、経済活動の対象はグアノの採掘に代わる。グアノは海鳥の糞が蓄積したもので、リンと窒素を多量に含む。化学肥料が開発されるまでは、肥料としてこれもまた重要な産物となった。
海の暮らしは楽ではなかったと記録される。台風が来れば平坦な島は高波に沈む。水や食料は不足し、衛生環境の悪さは感染症を誘う。1930年代にはしまの短い歴史に幕が引かれ、静かな無人島に戻った。
調査をしていると、島の東岸に大きな魚雷が放置されているのが目に入った。最近の大型台風で打ち上げられたそうだ。
南鳥島の名前は天気予報ぐらいでしか耳にしない。しかし、そんな島にも人が住んだ過去があり、その痕跡が残る。
ここは深い傷を負った島なのだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
中国の王毅外相は5月26日から6月4日まで、南太平洋島嶼(とうしょ)国7ヵ国(ソロモン諸島キリバスサモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア)と東ティモールを歴訪した。
中国は南太平洋島嶼国と今回の歴訪を通じて安全保障、貿易など幅広い分野での協定締結を目指していた。しかし、一部の国の反対で、安全保障面の協力については中国の意図したとおりには合意できなかった。
テレビの報道番組を見ていたら、軍事専門家がこんなことを言っていた。
王毅外相が回った南太平洋の国々というのは、海洋資源的にはあまり価値がない。彼は習近平国家主席に忖度して出かけていったのではないか」

習近平さんが唱える「一帯一路」構想は、ユーラシア大陸、及びインド太平洋地域で中国が米国に取って代わるというものだ。
太平洋の地図を見ると、太平洋上にポツンと沖ノ鳥島南鳥島が浮かんでいる。
こんな地図を習近平さんが見て、「沖ノ鳥島南鳥島は中国のものだ」、と思っているんだろうなあ。