じじぃの「真珠湾攻撃・バターン死の行進・ジャップを殺せ!『戦争の文化』」

The Purple Heart - The Final Speech

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=nv9wbTbS_a4

ジャップを殺せ!


What are you going to do about it?--Stay on the job until every murdering Jap is wiped out!

Library of Congress
Japanese soldier hitting American soldier with gun butt in foreground, and American soldiers captured by Japanese in background.
https://www.loc.gov/item/90712749/

パープル・ハート - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ (1944年製作の映画)

THE PURPLE HEART
製作国:アメリカ上映時間:100分
【感想・評価】
米軍捕虜が殺人罪で起訴され、リンチのような裁判にかけられる。
プロパガンダだから仕方ないと言えばそれまでだが、日本軍の描写が酷い。
そして案の定、デタラメの日本語が飛び交い会話に集中できない。
https://filmarks.com/movies/47212

バターン死の行進とは  コトバンク より

太平洋戦争中、バターン会戦で降伏したアメリカ=フィリピン軍将兵に対し、旧日本軍が行なった残虐な取扱い事件。
1942年4月にアメリカ=フィリピン軍が降伏し、日本軍は捕虜収容所へ移動させるために、マリベレスから 30km離れたバランガまで徒歩で行進させ、ここから 53km離れたサンフェルナンドまでトラックで移送する計画を立てた。しかし、食糧、トラックなどの用意が十分にできず、多くの者がサンフェルナンドまで4~5日かかって歩くことになった。そこからさらにカパスまで鉄道で運び、カパスからキャンプ・オドンネルまで 13kmを歩かせた。7万人中、目的地に達したのは5万4000人でアメリカ兵 2330人を含む 7000~1万人が行進中に死亡、他は途中でジャングルに逃れたといわれる。
戦後、当時フィリピン攻略軍司令官の本間雅晴中将が責任を問われ、アメリカ軍によって処刑された。

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『戦争の文化(下)――パールハーバーヒロシマ・9.11・イラク

ジョン・W.ダワー/著、三浦陽一, 田代泰子, 藤本博, 三浦俊章/訳 岩波書店 2021年発行

第11章 原爆投下の心理――魅惑、美、理想 より

復讐

真珠湾攻撃から3日後に行なわれた世論調査では、アメリカ人の67パーセントが日本の都市に対する無差別攻撃を支持し、これにきっぱりと反対したのはわずか10パーセントにすぎなかった(他に、3パーセントが「軍事上の目的であれば」という条件で爆撃を支持し、13パーセントが「日本がわれわれを爆撃した場合に」爆撃を支持すると回答している)。アメリ海兵隊は、復讐への渇望を「真珠湾攻撃を忘れるな――奴らをぶっ殺し続けよう ”Remember Pearl Harbor――Keep'em dying”」という端的なスローガンで表し、多くの戦闘員はこのスローガンを文字どおりに受け止めた。太平洋の戦局が進んでも、アメリカの従軍兵を対象にした調査によると、戦闘の目的は日本の敗北や自国の勝利ではなく、要するに「ジャップを殺す”kill Japs”」ことにあると答えた者が大部分であった。1944年中頃、太平洋戦争が終局に近づくにつれて、2つの事態によって日本への復讐心はさらに強まった。ひとつは日本の自殺的で狂信的な抵抗であり、もうひとつは日本軍による捕虜虐待が知られるようになったことである。たとえば「バターン死の行進」は、、太平洋戦争の初期、日本の束の間の勝利の帰還に起こったことであるが、アメリカとイギリスの一般市民は、だいぶ後になるまでこのような戦争犯罪を知られされることはなかった。1944年1月、検閲が解除され、フィリピンのバターンで日本軍が行った虐待の事実が知れわたると、当然、一般市民の怒りが沸き起こった。ハリウッド映画は、この怒り(および、しばしばジェノサイドに近いものまで肯定する感情)をとくに鮮やかに表現した、たとえば、映画『目標はビルマだ! Objective Burma!』(エロル・フリン主演)には、制作中に脚本家やプロデューサーの意見があわず、揉めたシーンがある。そのシーンでは、敵の日本兵に米兵が拷問され殺されたことを知った理性的な役割のアメリカ人記者が感情を爆発させて、こう叫ぶ。「脱落した馬鹿ども。胸糞わるい、チビの野蛮人ども。やっちまえばいい。地上からなくせ。奴らを地上から一掃しろ」。
映画『パープル・ハート The Purple Heart』には、もっと長く、なまなましい虐待の場面がある。この映画では、1942年のドゥーリトル空襲で捕虜になった8名のアメリカ人飛行士が虐待を受け、粗雑な裁判で裁かれる(3名は処刑され、4人目は戦争が終わる前に死亡)。捕虜の1人がクライマックスで語るセリフは、日本の男も女も子どもも一掃することを是認するほどの義憤がどういうものかを、完璧に伝えている。
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パープル・ハート』が劇場公開されたのは1944年2月である。日本に対する空爆計画が進み、1945年3月9日の東京大空襲から組織的な空爆が開始される約1年前のことであった。
こうした腹の底からの感情が広がり、人々が復讐の女神(ネメシス)を崇めるようになると、非戦闘員に対する爆撃は野蛮で邪悪な行為だという長年の意識は消え去り、相手の行為との「均衡」という交戦法規の理念を守る姿勢もなくなっていった。旧約聖書の「[1つの]目[を奪われた時]には[1つの]目を[つぶして報復せよ] an eye for an eye」という均衡の原則は、無数の日本人の目 eyes と、敵の残虐行為によって報じられたアメリカ人の1つの目 an eye が均衡する、という意味に変貌してしまった。こうした報復の頂点が原子爆弾であった。公式説明では、原爆は軍事目的のものであり、戦争を早期に終結させ、アメリカ人の生命を救うためのものとされたが、報復の意図を隠そうとしない者も多かった。

8月7日、マーシャル陸軍参謀長が、日本人の犠牲も大きいので、広島への原爆投下をあまり派手に祝うのは慎んだほうがよいと述べたとき、マンハッタン計画の責任者、グローヴス将軍はこう答えた。「私は、日本人の死傷者というより、バターン死の行進の犠牲者のことを考えています」。すると米陸軍航空軍司令官ヘンリー・アーノルド将軍がグローヴスの肩をたたいて、「よく言ってくれた。私も同感だ」と声をかけたという。

8月9日、トルーマン大統領は、広島への原爆投下が実行されたあと、アメリカ国民向けのラジオ放送で、戦争の早期終結や「多数の若いアメリカ人の生命」を救うという目的を語る前に、まずこう述べた。「私たちは原爆を発明し、使用しました。警告なしに真珠湾を攻撃し、アメリカ人捕虜を飢えさせ、殴打し、処刑し、戦時国際法を遵守する素振りさえ見せない者たちに対して、私たちは原爆を使用しました」。