じじぃの「科学・地球_354_健康の世界ハンドブック・高血圧・糖尿病」

What Is Type 1 Diabetes? | 2 Minute Guide | Diabetes UK

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=C3AQIfgthh4

Fig. 1 The age-adjusted prevalence of diabetes, latest available data


TB and diabetes

●Global burden of diabetes
The Global Health Observatory provides national estimates of the prevalence of diabetes in adults (Fig. 1). The median prevalence of diabetes in the 30 high TB burden countries according to latest available data was 8% (Interquartile range [IQR]: 6-9%), and was 10% or more in Gabon (10%), Mongolia (12%), Pakistan (12%), Papua New Guinea (15%) and South Africa (11%) (Fig. 1). The International Diabetes Federation estimates that the number of people with diabetes will increase by about 50% globally between 2019 and 2045, with a median increase in the high TB burden countries of 99% (IQR: 69-151%) (6).
https://www.who.int/publications/digital/global-tuberculosis-report-2021/featured-topics/tb-diabetes

『地図とデータで見る健康の世界ハンドブック』

ジェラール・サレム、フロランス・フルネ/著、太田佐絵子/訳 原書房 2022年発行

世界へのアプローチ より

健康のアトラスが、グローバルなアプローチなしですますわけにはいかないだろう。データがかならずしも比較可能なものではなく、国内の格差が国内平均値を無意味なものにしているとしてもである。本書のタイトルは、世界の健康をめぐる状況の一致点と不一致点を示というす意図を示している。平均余命、栄養状態、慢性病、医療の提供、母体の健康など、ほとんどすべてに関連性があること、そして健康とその決定要因への包括的なアプローチが必要であることはいうまでもない。
とはいえ本書では指標ごとに作業を進めて現状を示し、健康のダイナミズムを理解すること、すべての政策で健康を考慮に入れること、最重要課題の定義のむずかしさ、医療制度の持続性などの重要な問題を紹介している。
そして、特定の集団、疾患グループ、ニーズへの対応という観点から、現在のおもな健康問題に関連する指標を順次とりあげていく。

心血管疾患と糖尿病――文明病なのか

心血管疾患と糖尿病は、非感染性疾患を代表するものであり、文明病というよび方をされることも多い。新しいライフスタイルに関連するものとみられるからだ。感染症ではないが、パンデミックの様相を呈している。

心血管疾患と糖尿病は、古くから知られている。アルフォンス・ドーデの『月曜物語』に出てくるバラゲール僧正を死に追いやったような、「美食家」をおそう脳卒中の発作、そして、すくなくとも紀元前4000年に中国で確認された「密尿」は周知のものだ。心血管疾患と糖尿病という一般的名称には、実際にはさまざまな症状がふくまれている。
心血管疾患については、脳血管疾患、血栓症、四肢の血管疾患、細菌によってひき起こされる急性関節リウマチなどがふくまれる。糖尿病については、膵臓からインスリンが分泌されなくなることによる1型糖尿病、体内細胞でインスリンがうまく使われなくなることによる2型運尿病がふくまれる。心血管疾患の結果はよく知られているように、しばしば致命的である。糖尿病の結果はさまざまだ。適切な治療をしなければ、神経、腎臓、目だけでなく、心臓や動脈へも影響がおよぶ。
ここでは、シンプルだが総括的で予測的なふたつの指標だけをとりあげておく。空腹時に血糖値が125ミりグラム/デシリットルを超える人の割合、そして収縮期血圧140ミリヘクトグラム以上かつ・または拡張期血圧90ミリヘクトグラ以上の人の割合である。
心血管疾患と糖尿病は、年齢や家族の病歴にくわえ、過体重や肥満、偏食、体を動かさない生活など、いくつかの危険因子を共有している。つまり、これらの病気はライフスタイルと直接かかわるものであり、言ってみればライフスタイルのあらわれということだ。そうだとすると、先進国であるほど高血圧の有病率が高くなると思われるかもしれないが、じつはそうではない。

高血圧

豊かな国の病気とみられている高血圧、は貧しい国にも影響をおよぼしている。もっとも有病率が高いサヘル・スーダン地域一帯では、成人の3人にひとり以上が高血圧である。東ヨーロッパ、中央アジア、インド、アフリカの角の南部も高い有病率を示しているが、やや少なく成人の4人にひとりである。世界のその他の地域も例外ではなく、有病率はおよそ20パーセントである。
この地域的分布は、よく知られた危険因子の地理を反映していないことこら、疑問が生じる。アフリカについては、遺伝的要因、とくに塩分の影響を受けやすいといわれているが、まだ議論の余地がある。同様に、社会経済的に低い環境にある若年層にとくに高血圧が多いという事実についても、説明はついていない。

糖尿病、世界的なパンデミック

残念ながら、国ごとに比較できるデータがないため、1型糖尿病2型糖尿病を別の地図であらわすことはできない。
WHOによると、2000年には20歳から79歳までの1億7700万人、2003年には1億9400万人が糖尿病にかかっている。2025年には3億3300万人になると推定され、全人口の増加よりもはるかに速く増加している。同じ推定値によると、空腹時血糖値が125ミリグラム/デシリットルを超える人の数は、2000年には3億1400万人だったが、2025年には4億7200万人になるとみられている。

ただし血糖値異常の有病率が高い地域は、モロッコを起点に北アフリカや中近東のすべての国々をふくめ、アラビア半島、トルコ、カザフスタンにまでいたる、ひとつながりの三日月形を描いている。この特異な地理的分布については、まだほとんど説明されていない。(画像参照)