じじぃの「科学・地球_349_健康の世界ハンドブック・妊産婦の健康」

出生率が最も高い上位の国

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VgbbIdEP0PI


世界の生まれる人が多い国ランキング

5月 10, 2022 fumiblog
日本では出生率が減少していますが出生率が高い国も多く存在しています。
世界ではどの国でどれくらいの人が生まれているのでしょうか?
世界一の出生率世界一はニジェール、世界二位はチャド、世界三位はソマリアです。
https://fumib.net/birth-rate-ranking/

『地図とデータで見る健康の世界ハンドブック』

ジェラール・サレム、フロランス・フルネ/著、太田佐絵子/訳 原書房 2022年発行

世界へのアプローチ より

健康のアトラスが、グローバルなアプローチなしですますわけにはいかないだろう。データがかならずしも比較可能なものではなく、国内の格差が国内平均値を無意味なものにしているとしてもである。本書のタイトルは、世界の健康をめぐる状況の一致点と不一致点を示というす意図を示している。平均余命、栄養状態、慢性病、医療の提供、母体の健康など、ほとんどすべてに関連性があること、そして健康とその決定要因への包括的なアプローチが必要であることはいうまでもない。
とはいえ本書では指標ごとに作業を進めて現状を示し、健康のダイナミズムを理解すること、すべての政策で健康を考慮に入れること、最重要課題の定義のむずかしさ、医療制度の持続性などの重要な問題を紹介している。
そして、特定の集団、疾患グループ、ニーズへの対応という観点から、現在のおもな健康問題に関連する指標を順次とりあげていく。

妊産婦の健康、世界の大きな課題

妊産婦の健康には、妊娠から出産まで、そして出産から月経の再開までの女性のあらゆる側面の健康がふくまれている。出生率と妊産婦死亡率には、深刻な格差がみられる。

ミレニアム開発目標

出生率はとくに産児制限(バース・コントロール)の手段があるかどうかにかかわっており、妊産婦死亡率は出血、感染症、高血圧、安全でない中絶、出産時に発生する合併症にかかわっている。出生率がもっとも高いのは、サハラ以南のアフリカ、インド亜大陸、やや高いのがアメリカ・アンデス地域、アフリカ南部、中近東である。出生率の地図は、人間開発指数HDI)の地図とは正反対であり、全体的に世界の貧困をあらわす地図となっている。
妊産婦の健康を改善することは、持続可能な開発目標(SDGs)のひとつである。そこには複数の課題がふくまれ、次のような人々のあいだでまったく相反する観点の対立がある。    ・
世界の出生率は60年間で半減し、1950-1955年の4.96から、2010-2015年には2.47となった。ほぼすべての国では出生率が低下しているが、アフリカの国々ではわずかな低下があり、アジアの国々では急激に低下している。

出生率はなぜ低下したのか

カトリック教徒が多いブラジル、イスラム教徒が多いイランのように、出産を奨励する宗教が特徴的な多くの国で、出生率が急激に低下している。この現象は、ほとんどがカトリック教徒であるポーランド(マイナス63パーセント)やスペイン(マイナス46パーセント)など、ヨーロッパにもあてはまる。したがって、宗教的要因を絶対視するのではなく、教育やジェンダー関係の刷新を主張するべきである。
出生率と避妊との相反する関係はもっと強いが、アフリカでは考えられているほど直接的なものではない。若い女性が避妊薬を入手できること、望まない妊娠を避けるための緊急避妊や中絶を可能にすることが大きな課題である。
問題は妊産婦死亡率を減らすということである。国連によると、アフリカの女性で生涯のうち妊娠または出産によって死亡するリスクがあるのは39人にひとりだが、先進国の女性では4700人のうちひとりにすぎない。妊産婦死亡率は、フランスでは出生10万人あたり10人未満である。一方アフリカのいくつかの国では1000人を超えているにもかかわらず、その数字が過小評価されている。
妊産婦死亡率を減らすには、妊娠初期の12週のうちに最初の診察を受け、その後出産まで7回の診察をおこなうよう、周産期ケアの改善もなされるべきである。この診察によって死産や生後28日までの死亡に減らすことができるので、母親によっても赤ちゃんにとっても望ましいものである。