じじぃの「科学・地球_444_世界100年カレンダー・日本の人口減少・増えている都市」

Human Population Through Time

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=PUwmA3Q0_OE


人口減少の日本で需要が増え続ける「三大都市圏」とは

2020/01/10 MONEY PLUS
●人口減少への懸念
今日はデータを読み解きながら、マンション経営に対する疑問点を、少しでも解消していただければと思います。

私がこだわっているのは、弊社の事業の一環でもございます、三大都市圏での供給です。

首都圏、中京圏、近畿圏、この三大都市圏に関しては、今や景気の回復が見込まれ、進学の環境や雇用が充実し、衣・食・住の「住」である利便性の高い住環境により、非常に人気が高いエリアとなっています。

2019年に関しては、日本の総人口は1億2,615万人。そして2025年、2035年2045年と、人口は確かに減少していく予想が、政府からも公表されています。2045年にはなんと2,000万人も減り、日本の総人口は1億人にまで減少してしまうといった懸念もあります。
その内訳としては、15~64歳までの生産年齢人口が減少し、そして65歳以上の高齢者の方たちが増えていく予想がされています。こう見れば「若者をターゲットにしたマンション経営では空室が多くなっちゃうんじゃない?」「家賃が下がっちゃうんじゃない?」というような印象が残る事がわかります。
https://media.moneyforward.com/articles/4072

『世界100年カレンダー 少子高齢化する地球でこれから起きること』

河合雅司/著 朝日新書 2021年発行

第1話 老いゆく惑星のカレンダー より

日本は「家族計画の優等生」

余談だが、ローマクラブの「成長の限界」の影響を最も強く受けた国は、他ならぬ日本である。「成長の限界」が発表された1970年代初頭は人口が激増していた開発途上国出生率を抑えることが、先進各国の喫緊の課題であり、世界人口会議も途上国に出生率の抑制を促すことが目的だった。だが、こうした考え方は、人口増加が掲載的豊かさにつながっていた当時の途上国側には「先に豊かになった国のエゴ」と映った。先進各国は、自らお手本を示さなければ説得力を持たないという状況に追い込まれたのだ。現在の地球温暖化をめぐる先進国と途上国の対立によく似た構図である。
こうした状況下で、いち早く敗戦からの経済復興と短期間での人口膨張の歯止めを成し遂げた日本は「家族計画の優等生」として注目を集めることとなった。先進各国の期待を一身に背負うことになったのである。
1973年の日本の合計特殊出生率は2.14で、人口規模できる2.07をかろうじて上回る水準にすぎなかったのだが、この頃は第二次ベビーブームの最中であり、人口が毎年100万人以上のベースで増え続けていた。第一次オイルショックに見舞われて、エネルギーのみならず、仕事や国民生活を支える住宅、食糧をどう確保すればよいのかということに頭を悩ませていたという事情もあって、1974年に厚生省や外務省が後援・協賛する形で「日本人口会議」が開催され、「子供は2人までという国民的合意を得るよう努力すべきである」との大会宣言を採択したのである。同会議は政府に対して、ピルや避妊リングを公認するよう要望もしたのである。
「子供は2人まで」とは、両親という2人の子どもが2人生まれれば、人口は増えも減りもしない「静止人口」というという考えかたである。
だが、妊娠・出産というセンシティブな問題が、こんな机上の空論通りに進むはずはなく、国民の意識にブレーキをかけ過ぎる結果を招いた。日本の合計特殊出生率は1975年に1.91となり、「2」台を割り込んだことは象徴的である。以後、二度と「2」台を戻ることはなく、今日に至っている。日本の少子化の苦しみは、ここから始まっていると言ってよい。

爆発の裏での増加率下落

すでに人口膨張の熱は冷え始めている。その冷え込みぶりは、世界人口の増加率が下落傾向にあることが証明している。先に紹介した通り、1970年代前半に初めて確認された増加率の下落の流れは、しばらくの足踏み期間はあったものの、以降もずっと続き、「1990~1995年」は1.51%、・・・「2015~2020年」は1.09%にまでなった。増加の勢いが少しずつ鈍化しているのだ。
このように、20世紀の人口爆発の裏で起こっていた「変化」を数字で確認すれば、「世界人口が減少に転じるのは時間の問題」と私が言い切ることをご理解いただけるのではないだろうか。
出生数というのは人々の営みの結果である。結婚や妊娠・出産というのは個々人の価値観に深く根差しており、個々人が育ってきた社会環境や、教育、宗教などの影響を強く受けるからだ。人口が減り始めたからといって、政府が国民に危機を訴え対策を講じたところで、流れを簡単に変えられるわけではない。

人口減少は、前兆を伴いながらゆっくりと、しかしながら確実に進んでいく。また、日本を見れば一目瞭然なのだが、人口が増えていた時代にも過疎の村は存在したし、人口減少社会となった現在も人口が増え続いている都市はある。それは世界規模に置き換えても同じだ。

国ごとに大きな違いが生まれてくる。人口動態というのは実に複雑なのである。
やがて世界全体で人口が減少するわけになるわけだが、それまでに間、世界はどんな表情を見せるのだろうか。ここからは、その過程を追うことにする。