じじぃの「カオス・地球_390_死因の人類史・第3章・長寿と繁栄を」
Life Expectancy by Each Country - 195 Countries Compared
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=r6OQnE4KcNA

プレストン曲線

「"cool-hira" カオス・地球_ 死因の人類史」画像検索
【平成29年度人口問題協議会・第2回明石研究会】 「国連世界人口推計2017年版」をどう読むか(後編)
2017.8.17 明石研究会
3.人口増加・高齢化-出生率低下が決め手
人口増加と高齢化の決め手は何かと言うと、やはり人口転換の一部としての出生力転換の時期とスピードである。
https://www.joicfp.or.jp/jpn/2017/08/17/37763/
「医療経済学」の4つの起源
2014/06/11 医療政策学×医療経済学
(4) 公衆衛生の発展(Public health theory)・・・Prestonはこれが重要であると提唱しました。
1854年にはJohn Snowがコレラの疫学研究をはじめて行い、1880年代には細菌理論(The germ theory of disease)が生まれました。Cutlerによると1940年代までは重要な寄与因子でしたが、それ以降はあまり寄与していないと考えられています。プレストン・カーブは有名ですので、見たことがある方も多いと思います。
https://healthpolicyhealthecon.com/2014/06/11/the-strands-of-health-economics/
死因の人類史
【目次】
序章 シエナの四騎士
第1部 さまざまな死因(死とは何か?;『死亡表に関する自然的および政治的諸観察』 ほか)
第2部 感染症(黒死病;ミルクメイドの手 ほか)
第3部 人は食べたものによって決まる(ヘンゼルとグレーテル;『壊血病に関する一考察』 ほか)
第4部 死にいたる遺伝(ウディ・ガスリーとベネズエラの金髪の天使;国王の娘たち ほか)
第5部 不品行な死(「汝殺すなかれ」;アルコールと薬物依存 ほか)
結び 明るい未来は待っているのか?
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
『死因の人類史』
アンドリュー・ドイグ/著、秋山勝/訳 草思社 2024年発行
疫病、飢餓、暴力、そして心臓、脳血管、癌…人はどのように死んできたのか?
有史以来のさまざまな死因とその変化の実相を、科学的・歴史的・社会的視点から検証した初の試み、壮大な“死”の人類史。
第1部 さまざまな死因 第3章 「長寿と繁栄を」 より
平均寿命のトップは日本
出生時平均寿命は、誕生時の死亡率が変わらなかった場合、新生児が平均でどのくらいの余命があるかを示している。2015年の時点、イギリスの出生時平均寿命は男性79.2歳、女性82.9歳である。西ヨーロッパの国としては標準的な寿命で、世界的には20位に
位置する。トップは日本で男性が80.5歳、女性は86.8歳、以下、スイス、シンガポール、オーストラリア、スペインと続いている。東アジアとヨーロッパの豊かな国、それに、カナダ、オーストリア、ニュージーランドで上位25ヵ国すべてを占めている。
男女を合わせた平均では、アメリカは78.3歳で31位、コスタリカとキューバの中間に位置している。中国は53位で平均寿命は76.1歳、ロシアは110位で70.5歳、インドは125位で68.3歳である。下位37ヵ国はアフガニスタンを除いてすべてサハラ以南のアフリカの国々だった。最下位は西アフリカの西部のシエラレオネ共和国で、男性49.3歳、女性50.8歳である。
世界が日本のような人口動態に変化していく
世界の多くの国がすでに人口転換を経験してきた。平均寿命は74歳を超え、乳児死亡率(生まれた子供が1歳の誕生日を迎える前に死亡する割合)は非常に低く、高齢者の数は増加して、出生率は女性1人当たり2.0以下となっている。いささか逆説的な言い方になるが、平均寿命が長くなると、最終的に人口は減少していく。
日本はいまから50年以上前に人口転換を迎えた。優れた医療のおかげで日本は世界でも有数の長寿国となり、乳児死亡率も非常に低い。成人のおもな死因は冠状動脈性心疾患、ガン、脳卒中、肺疾患、自殺である。出生率はわずか1.4で、そのうえ移民もほとんど受け入れていない。そのため人口は毎年0.2%ずつ減少しており、高齢化も進行している。日本同様、ヨーロッのパの多くの国でも出生率は2.0以下だが、人口減少を回避できる対策として移民を受け入れている。
・
【表】(画像参照)は世界人口に関するデータの一部だ。表からもわかるように1960年以降、とくに直近の20年間で大きな改善が図られていた。その国が先進国か発展途上国であるのか、そして、両者には健康状態や豊かさの点で大きな格差があるというこれまでのモデルはもはや通用しなくない、世界は均質化に向かっている。
こうした傾向は今後さらに広がり、加速していくと考えられている。出生率の低下はほとんどの国で2.1をしたまわるようになり、世界人口歯2064年に100億人弱でピークを迎える。人口構造はトップヘビーになり、減少していく若者労働者が多くの高齢者や退職者を支えていくかたちのなっていくのだ。中東、北アフリカ、とくにサハラ以南のアフリカが世界人口に占める割合が大きくなっていく一方で、ヨーロッパと東アジアの人口は激減していくだろう。そうした変化の典型となる国が中国である。2100年時点の人口歯西大寺のほぼ半分の7億人にまで減少してしまうが、他方でナイジェリアの人口は現在の4倍近い8億人にまで増え、インドに次ぐ人口大国になると予測している。
豊かさと国民の健康
【図】(画像参照)のグラフは、世界44ヵ国を対象に、2013年の1人当たり医療費と平均寿命の総監を示したものだ。保険医療への支出が多ければ、たしかに健康状態は向上しているが、異常値も少なくない。平均寿命75歳に達するには、1人当たり年間約1000ドル、80歳では3200ドルの支出が必要だ。
・
グラフを見ると、国の豊かさと国民の健康は比例しており、とくにその費用が賢く使われればなおさらのように思えるが、物事はそれほど単純ではない。財政しだいというなら、過去150年の平均寿命の向上は単にGDPが増えたからということになる。もちろん、そうでないのは言うまでもない。
病気を治そうと何人もの医者を雇っても、肝心の治療法が存在しなければ意味はない。西暦1800年以前、平均寿命がわずか30歳だったのは、医者がいなかったからではない。医者は大勢したが、前年なことに、かれらの処置のほとんどすべては有害と言わないまでも、役には立たなかった。治療は瀉血(しゃけつ)や嘔吐にかぎられ、患者の便通を正しても手を洗わないまま別の患者を訪問し、むしろ病気を蔓延させていた。詳細な分析の結果、1930年から1960年にかけて達成された健康状態の改善のうち、少なくとも75%は政府による公衆衛生への介入、また抗生物質のような医療の技術革新の幅広い利用など、歳入増以外の要因によるものだった。
時間とともにプレストン曲線(国単位の所得と平均寿命との相関曲線)は上方にシフトしていく。これは、所得が上昇しなくても、国民の健康状態は改善されていくことを意味する。たとえば1930年代、1人当たりの年間所得が400ドル(1963年の米ドル換算)なら平均寿命は54歳だったが、1960年代になると同じ所得額で平均寿命は60歳にまで上昇していた。この事実を踏まえると、一国の保険衛生を改善するうえで、全体的な国の富を増やす必要はないのかもしれない。平均寿命の向上は、医療の進歩によってやがて起こりうるのかもしれないのだ。いまではワクチン接種もずいぶんと安価になった。
所得と健康の相関関係は国レベルだけではなく、個人にも当てはまる。富裕な者はより良質の医療を購(あがな)えるかもしれないが、もうひとつ考えられるのは、社会のなかで自分がどう見られているかでその人の健康が左右される点だ。社会の最下層にいる人たちは、心理的ストレスにさらされることで免疫システムを悪化させ、薬物の摂取などといった健康を損なうような行動に追い込まれる場合もある。
これが事実なら、社会的な格差が大きくなれば、社会全体の健康状態はさらに悪化していくだろう。
私たちの望みが社会全体の健康状態の向上なら、これまで以上に平等な社会の実現を目ざさなくてはならない。