中国、南太平洋進出~米中の攻防 (2022年6月9日)
Chinese foreign minister starts Pacific tour, offering security and free trade pacts
動画YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=DM1_cgb_Zzk
中国、オーストラリアの北東に点在する島々との安全保障を締結
南太平洋諸国の地図の上部にグアムがある
オーストラリアに誕生した「偽装反中」の新首相と習近平の戦略
2022.5.23 Yahoo!ニュース
【執筆者】遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授)
21日、オーストラリアの選挙で、野党労働党のアルバニージ党首が勝利した。最近の世論動向を受けて反中寄りの発言はしているが、実は親中派。選挙中、「習近平が労働党に一票」という宣伝が与党側からなされていた。
◆政権与党は「習近平が労働党に一票を投じる看板」で労働党攻撃
21日にオーストラリアで総選挙が行われたが、最大野党の労働党が第一党として勝利した。9年ぶりに政権交代が行われることになる。党首のアンソニー・アルバニージ氏は、もともと親中であるため、スコット・モリソン首相が率いる政権与党側(自由党)を応援する選挙活動グループは、「習近平が労働党に1票を投じる看板」をトラックの三方に貼り付け、労働党攻撃を続けてきた。
◆オーストラリアの最大貿易相手国は中国
なぜなら、一つにはオーストラリアの最大貿易相手国が中国であることだ。以下に示すのは2019年から2020年にかけてのオーストラリアの貿易相手国・地域別割合である(画像参照)。
中国が最も多く28.8%で、アメリカは米州(北アメリカ+カリブ海諸島+中央アメリカ+南アメリカ)全体で11.6%にしか達しておらず、 中国の半分にもならない。
もう一つの理由は、オーストラリアには120万人のオーストラリア市民権を持った中国人がいるという事実だ。これはオーストラリア全人口の5.6%を占めている。
◆習近平の長期的戦略
一方、習近平はまるでオーストラリアの北東側を取り囲むように周辺諸国と国交を結んだり、安全保障を締結したりしている。それを時系列的に表すと以下のようになる(画像参照)。
これらを地図に表すと習近平の戦略が歴然としてくる(画像参照)。
◆習近平の「人類運命共同体」vs.バイデンの「民主主義体制と専制主義体制の闘い」
習近平政権がアメリカの裏庭まで手を伸ばしているのは今に始まったことではないが、中国外交部のこの情報の中で、「習近平国家主席は、人類運命共同体の構築に協力し、ラテンアメリカとカリブ海諸国を含む100ヵ国以上から温かい反応を得ている」という王毅の言葉が気になる。
一方では、ウクライナ戦争以降、バイデンの「民主主義体制と専制主義体制の闘い」という概念は、戦争を煽り、人類に災いをもたらす「裏の目的」を孕んだものであることが露呈しつつある。ウクライナ戦争によって利益をむさぼっているのはアメリカの軍事産業であり、LNG(液化天然ガス)などのエネルギー産業だ。アメリカの戦争ビジネスが、人類に災禍をもたらしている。
そこにメスを入れる勇気を、人々はなかなか持てないでいる。
しかし、日米豪印「クワッド」の虚実とともに、バイデンが唱える「民主主義体制と専制主義体制の闘い」が内包している危険性(戦争ビジネスの手段)からも目をそむけないようにするのが、日本国民の「良心」なのではないかと期待したい。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220523-00297363
大下容子ワイド!スクランブル
2022年5月27日 テレビ朝日
【司会】大下容子、佐々木亮太 【コメンテーター】柳澤秀夫(ジャーナリスト)、中野信子(脳科学者)、デーブスペクター(TVプロデューサー)
ピックアップNEWS 王毅外相 南太平洋8ヵ国歴訪 影響力拡大に懸念の声
中国・王毅外相が南太平洋8ヵ国を歴訪。
ソロモン諸島を訪問。ソガバレ首相とは腕を組んで親密さをアピール。
中国はソロモン諸島と2019年に国交を樹立。
2022年4月、安全保障協定を締結。
オーストラリアのアルバニージー首相は、「オーストラリアが安全保障上のパートナーとしてきた地域で中国が影響力を強めている。我々はこれに対応しなければならない」と警戒感を示した。
王毅外相はソロモン諸島、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、東ティモールの計8ヵ国を訪問する。
中国は、太平洋島嶼国14ヵ国のうち10ヵ国と国交を持つ。王毅外相はミクロネシア連邦、クック諸島、ニウエともオンライン形式で会談予定。中国メディアは「太平洋島嶼国を全てカバーする訪問」と強調する。
ミクロネシア連邦の大統領は経済的に中国とつながっても安全保障はアメリカと結ばれている、と中国に警戒感を示す。
柳澤秀夫、「ミクロネシアの警戒感はアメリカそのものの警戒感。南太平洋の地図を見ると分かるように南太平洋の上にグアムがある。中国の狙いの1つはグアムを牽制して南太平洋地域に影響力を強めたいと思っている。アメリカが中国との対立が明確になると、日本、オーストラリア、インド、アメリカのQUAD(クワッド)の姿が明確に見えてくる」
デーブスペクター、「中国の狙いは援助というより軍事目的だ。この数年の中国の振る舞いからは受け入れられない。援助とか投資にしてもインフラなどが担保に取られてあまりいいことはない。ウクライナを見るように後で後悔するようになる」
https://www.tv-asahi.co.jp/scramble/