じじぃの「米中外交トップ会談・人権問題で激突・屈辱の歴史!ワイドスクランブル」

北京議定書の調印式の写真

北京議定書

2019-07-15 世界の歴史まっぷ
●北京議定書(辛丑和約) 1901
義和団事件に関する清朝と11ヵ国(出兵8ヵ国(日本・ロシア・イギリス・フランス・アメリカ・ドイツ・オーストリア・イタリア)とベルギー・オランダ・スペイン)との講和条約
清朝は、責任者の処罰、賠償金4億5000万両テールの支払い、北京公使館区域および特定地域への列国軍隊の常駐などを承認した。
https://sekainorekisi.com/glossary/%E5%8C%97%E4%BA%AC%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8/

大下容子ワイド!スクランブル

2021年3月22日 テレビ朝日
【司会】佐々木亮太、大下容子 【コメンテーター】マライ・メントライン(通訳・作家)、千葉公慈(曹洞宗宝林寺住職)、瀬尾傑(スローニュース株式会社代表取締役) 【解説】 鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)

NEWSドリル 中国“対米連合”が狙い?内政不干渉を掲げ・他国と連携へ

●米中外交トップ会談で激突 人権問題など巡り激しい舌戦
3月18日から2日間に渡って行われた米中のトップ級による外交会談。
両国とも一歩も引かない異例の展開となった。
バイデン政権後初となる米中の会談は米国・アラスカ州で行われた。
米国・ブリンケン国務長官は15日から外務防衛閣僚会合(2+2)に出席するため日本や韓国を歴訪していた。
その足で中国へとはならず米国のアラスカ州に楊潔チ(よう・けつち)政治局委員らを呼び出す形をとった。
中国がこれに応じたのは対米関係改善の糸口を探るためとみられていた。
まずはじめに口を開いたのはブリンケン国務長官
約5分間に渡り中国への懸念を口にした。
これに対し中国は猛反発。
会談冒頭5分間話した米国に対し中国側は20分間も持論を展開した。
本来なら双方一度ずつの冒頭発言でメディアへの公開は終わるはずだったがブリンケン国務長官は退室しようとしていたメディアを呼び止め中国に対し反論を行った。
再び退室しようとしたメディアを今度は中国側が呼び戻し楊潔チ政治局委員は終始、米国に対し強い態度で臨み続けた。
●米中 “対米のエキスパート”楊・トランプ政権下で局面好転の実績
米国はブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、中国は楊潔チ政治局委員(外交担当)と王毅外相が出席。
1973年から外務省職員として英国に留学。その後、米国の中国大使館などに勤務。
2007年に外相に就任。
習近平国家主席の外交顧問の役割を担う。
2017年に党中央政治局委員に選出。
職業外交官が政治局委員に抜擢されるのは異例。
楊潔チ政治局委員は米中対立の局面を打開するキーパーソンと言われている。
トランプ前大統領は当選直後に台湾・蔡英文総統と電話会談を行った。
楊潔チ政治局委員は2017年2月に訪米。
2017年4月に習近平国家主席が訪米。
緊迫していた米中関係を好転させた。
●米中 中国メディア・楊を英雄視・屈辱の歴史「120年前とは違う」
中国の報道では、楊潔チ政治局委員を英雄視している。

米中外交トップ会談後、人民日報が中国のSNSに拡散した写真が話題になっている。

1枚目は1901年の北京議定書の調印式の写真、2枚目は今回の米中外交トップ会談の写真。
写真とともに「120年前、米国を含む列強国にいいようにされた時代とは違う」という言葉があった。
1900年、当時の清は弱っていて、列強国に分割されていた。
怒った民衆が義和団を名乗り、外国人を襲撃。
列強8ヵ国が義和団鎮圧のため軍隊を派遣し、清は占領された。
列強国と北京議定書を結び、多額の賠償金を支払うことになった。
人民日報は「今年は屈辱の歴史から120年。そして中国共産党創立100周年」ということも絡めて、報道している。
楊潔チ政治局委員の発言が、早くもグッズ化している。
●米中 “対米のエキスパート”楊「中国式の民主主義がある」
鈴木一人、「楊潔チ政治局委員の『中国には中国式の民主主がある。米国国民の多くは民主主義への信頼を失っている』という発言に注目している」
ウイグルや香港、台湾などの中国の人権問題を非難されたことに対し、主張したもの。
●米中 対中政策「経済」から「人権」へ・米国・EUや同盟国に呼びかけ
EU欧州連合)は17日、中国・新疆ウイグル自治区での人権侵害をめぐり、中国当局者4人などに制裁を科す方針で一致した。
対中制裁はEUとしては初めて。
22日に外相理事会で正式決定する見通し。
ブリンケン国務長官は22日~25日にかけてベルギーを訪問し、NATO北大西洋条約機構)の外相理事会に出席する予定。
EU首脳とも会談する予定。
バイデン政権が重要視する人権問題を基軸に、同盟国を巻き込んで、対中包囲網の形成を目指している。
●米中 中国“対米連合”が狙い?内政不干渉を掲げ・他国と連携へ
中国、ロシア、北朝鮮など17の国と地域で「国連憲章を守る有志グループ」を結成するという。
中国、ロシア、北朝鮮キューバ、イラン、ベラルーシベネズエラアルジェリアアンゴラ、ボルビア、カンボジアエリトリアセントビンセント及びグレナディーン諸島、シリア、ラオス、国連非加盟国・パレスチナも含まれている。
10日、国連大使17人の署名がある文書で、内政不干渉などを掲げる「国連憲章」を守るとして、他国に合流を呼びかけている。
有志グループの大半は米国から制裁を受けている。対米共闘が狙いではないのか。
ロシア・ラブロフ外相は22日~23日にかけて中国を訪問し、王毅外相と会談する。
中国外務省は「国際問題などについて意見交換をする。戦略的な協力をより緊密にする」としている。
狙いは中国とロシアの連携アピールとみられている。

大下容子、「米国の人権圧力で中国を変えられるか?」

鈴木一人、「習近平は方針を変えることはないので、米国の圧力は続くだろう」

大下容子、「対米共闘は?」
鈴木一人、「中国とロシアの連携といっても都合のよいところのつまみ食いではないか」
大下容子、「日本はどうする?」
鈴木一人、「日本は中国と経済で依存している。中国は経済を管理しようとしている。これからややこしい状況になっていく。日本は中国への依存度を下げた方がよい」
マライ・メントライン、「今世界は重要なところにシフトしている。人権は自分のところでちゃんとやらないと他国に対して説得力を持たない」
大下容子、「一方で、問題があると言えることが大切だ」
千葉公慈、「人権は内政干渉だと言うが、人権は国を超えたものだ」
瀬尾傑、「日本は中国と経済で強く結ばれている。だからこそ米国との関係が重要だ。米国から言われることにきちんと言えるようになっていかないといけない」
●視聴者からの質問・疑問 「中国・軍事行使の懸念は?」
質問者、「日米で中国を追い詰めると軍事力を行使しないか心配。また米国が自衛隊に対して軍事的な協力を求めてこないか」
鈴木一人、「そういう問題はあるかもしれないが、今中国はどちらかというと自分たちを守ることが大事。今問題になっているのは南シナ海東シナ海という領土をめぐる小競り合いの部分。いきなり自衛隊を出して大きな紛争になるということないのではないか。ただ尖閣諸島の問題にはきっちり対応しなければいけない」
https://www.tv-asahi.co.jp/scramble/

文藝春秋』2020年2月号(新春特別号)

世界の知性が日本人に教える 2020年の「羅針盤」 人口減少社会を恐れるな 【執筆者】ジャレド・ダイアモンド より

わたしは今、日本が直面するさまざまな問題を乗り越えられると思うのは、それ以上の危機を見事に乗り切った経験が日本にはあるからです。明治時代の日本は開国という一大事に対し、近現代史で他に例を見ない素晴らしい選択的変化を行いました。あるところでは外国のやりかたを柔軟に受け入れ、あるところでは自国の文化や体制を堅持する。その剣かが現代日本なのです。
日本の目の前にある危機は1854年の開国や1945年の敗戦に比べたら大したことはない。以前やったように、時代にあわない価値観を捨て、新たに価値観を取り入れればいいのです。
わたしは21世紀は北米とヨーロッパとオーストラリア、そして日本の時代になると思っています。

21世紀は中国の時代だという声も聞きますが、ありえません。中国は壊滅的なディスアドバンテージを抱えています。中国は民主主義国家になったことがありません。

民主主義国家にももちろん弱みはあります。みんなで議論をするので何かをするときのスピードが遅いのもそうです。中国は政府が何かをすると決断すればすぐに実行できる。市民の議論を待つ必要がないからです。わたしが住んでいるロサンゼルスでは地下鉄の建設を15年前から計画していますが、中国ならあっという間に開通するでしょう。中国はたった1年でガソリンから鉛を除去しましたが、アメリカは同じことに10年以上かかっています。
ただ、歴史上、いいことだけをした独裁者というのは存在しません。中国も例外ではないのです。
たとえば文化革命。このとき中国は、教育システムを破壊しました。教授や教師を田畑に送って農作業をさせるという”名案”を思い付いたのです。日本の首相はどれだけ愚かでも教育システムをいきなりゼロにすることはできません。それは日本が民主主義国家だからです。