じじぃの「知りたくない話・共食いの秘密・なぜ仲間を食べるのか?禁断の世界」

Atapuerca | Fascinating Archaeological Site | Unique Drone Views | Spain

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=7lpQx1i0ll4

ARCHAEOLOGICAL SITE OF ATAPUERCA

食人文化!?スペインの世界遺産アタプエルカの人類考古学ミステリー

2022年1月12日 skyticket
世界遺産アタプエルカから発掘された人骨を調査したところ、ネアンデルタール人の祖先と考えられているホモ・ハイデルベルゲンシス、さらにホモ・アンテッサー、ホモ・ハイデルベルゲンシスなどの旧人類から青銅器時代の人類などが生活していたことがわかりました。人類考古学で非常に貴重な発見がされたこの世界遺産は、ヨーロッパで最初に到達した人類の遺跡と考えられているんですよ。

アタプエルカの古代遺跡の発掘に関わったプ口ジェクトディレクターのカスト口氏によると、発見された人骨は初期のヨ-口ッパ人であり、彼らが人肉を食べていたと発表しています。洞窟から発掘された人骨は狩りなどで得たウマやシカ、サイなどをバラバラに砕いた動物の骨と一緒に混じり、人の骨も発見されたのです。
骨にはかじった跡があり、アタプエルカの別の場所でも食人の痕跡が発見されています。当時のアタプエルカは水や狩る動物は豊富にいたので、食糧不足から人を食べたとは考えられません。そして調査団は「人類史において食人が証明された初めての例」と結論づけたのです。さらに他人によって鈍器で殴られ、致命傷を負った人骨も見つかり、こちらも初めての殺人と言われています。
とくに子供や若い年代が好まれていたとみられ、敵対している相手を殺して食べていたと考えられています。発掘作業はまだ続いていており新たな発見が期待されますが、既に人類史上非常に興味深い事実が判明している世界遺産です。
https://skyticket.jp/guide/103702?page_number=1

『科学で解き明かす 禁断の世界』

エリカ・エンゲルハウプト/著、関谷冬華/訳 ナショナル ジオグラフィック 2022年発行

パート3 タブーを破る より

#13 共食いの秘密 なぜ仲間を食べるのか

何年か前に、私はルイジアナ州のネイチャーセンターで働いていたことがある。展示や教育プログラムで使われる動物の世話も仕事のうちだった。交代で展示される動物は、赤ちゃんワニやフクロネズミ、ヘビなど、地元に生息する動物たちがほとんどだったが、時々、よその動物園やネイチャーセンターから動物を借りてくることもあった。
あるとき、つがいのアメリオオコノハズクがやって来た。フクロウの仲間つぃては小柄なアメリオオコノハズクは、大きな目ともこもこした体が愛らしく、2羽はいつも仲良く寄り添っていた。しかしコノハズクたちがやって来てからまもないある日、エサの時間になって檻を開けるとオスの姿が見当たらないことに気がついた。もしかすると私の目を盗んでオスは逃げてしまったのかもしれない。私はあせった。檻の中をくまなく探したが、コノハズクはいなかった。やがて、私はメスの胸が妙に膨らんでいることに気がついた。
しばらくして彼女を吐き出したエサの中には消化しきれなかった連れ合いの一部が混じっていた。結局私たちの動物園にコノハズクを1羽しか返すことができなかった。新しい環境など何らかの変化によってストレスを感じた飼育動物が共食いに走るのは実は珍しい話ではない。
この事件に私が動揺したのは、あまりにもイメージと現実がかけ離れていたのも理由の1つだったかもしれない。こんなにかわいい動物が、しかもあれほどぴったり寄り添っていたいた相手を貪り食うという事態がどうして起こったのだろう。だが、どれほどかわいらしくても、血に飢えた動物であることには変わりがない。本能には逆らえないのだ。ほとんどの人間社会ではタブーだと考えられているが、動物の世界では仲間を殺して食べることはもっと要領のいいやり方で一般的に行われている。
タツノオトシゴのようにあどけなく見える動物も例外ではない。そう、ディズニー映画や小さな女の子用のシールブックにも登場する愛されキャラのタツノオトシゴは、かわいい口先で自分の子供を吸い込むことがある。チョウチョやリスもイメージをぶち壊すような行動をするし、子ウサギを育てたことがある人なら――どんなことが起こるか、もうわかった読者もいるかもしれない。
動物が共食いに走る理由はさまざまだが、共食いが習性になっている動物もいる。母親が子供を食べることも多い。動物の世界で一番犠牲になりやすいのは、卵や産まれたばかりの赤ちゃんだ。その背景には複雑な事情がある。食べ物がないときに母親が子供を食べることもあるが、研究によれば必ずしもそのような例ばかりではないという。動物によっては赤ちゃんをたくさん産んで、優秀なものだけを残す(育つスピードが遅いものは劣っている個体として振るい落とされる)。だが、子供の側が親を食べることもある。
サソリやイモムシ、クモなどの一部の虫は、母親を食べる習性がある。特にすさまじいのはカニグモだ。カニグモの母親は子グモたちにエサとして無精卵を与える。子供たちは卵を食べ、やがてじわじわと母親も食べてしまう。
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狩りで狙われやすい他の哺乳類と比べると、人間はそれほどいい獲物だとは言えない。それに人肉食があまり広がらなかった理由は他にもありそうだ。ブライトン大学の人類学者ジェームズ・コールの研究では、マンモス1頭で25人の腹ペコのネアンデルタール人に1ヵ月マンモスのステーキを食べさせられるが、人間1人分の肉では同人数の1日分の3分の1のカロリーにしかならないことがわかった(言い換えれば、25人のさすらいのネアンデルタール人の集団にとって、あなた1人では1食分にしかならないということだ)。
人間の大きさが他の動物に比べてちっぽけだからという理由だけではない。重量あたりの栄養価も他の動物に比べて優れているとはいえない。コールの推定によれば、イノシシやビーバーの肉は1ポンド(約450グラム)当たりおよそ1800キロカロリーだが、現代人の肉はたったの650キロカロリーしかない。赤身80パーセントの牛ひき肉1ポンドのカロリーの約半分だ。

なぜ人食いが行われたのか

恐らく、昔の人々はいくつもの理由が重なった結果として、人食いをしていたというのが実際のところだろうと彼は言う。ここ数百年間に行なわれた人肉食は、戦争や精神疾患、宗教信仰など、単なる生存競争を超えた多様な理由がある。
仲間を食べるという点においては、人間だけが特別というわけではない。かつて私が世話をしてしたアメリオオコノハズクたちもそれを教えてくれた。「動物の世界で共食いは本当に広く行われている」と話すのは、ロングアイランド大学ポスト校の生物学教授で『共食い:完璧に自然な歴史(Cannibalism:A Perfectly Natural History)』という著書もあるビル・シャットだ。最も可能性が高いのは、原始人は驚くほどチャンスを捕まえるのがうまく、ときには他の動物と同じように仲間を食べることで生き残ってきたのではないかと彼は指摘する。「人間と動物の違いは、儀式、文化、そしてタブーだ」とシャットは言う。「私たちは、人食いは最悪の所業だという型にはまった考えを信じ込んでいる」
つまり、現代社会では人食いは禁じられている行為であり、どうしようもなくせっぱつまったとき以外には認められない。なかには飢餓とは無関係な理由の人肉食が行われることがある。例えば、アマゾンのワリ族は昔から身内が死ぬと、死者の肉を少しだけ食べて死を悼む儀式を行う習慣がある。彼らは人肉がおいしくて食べたいから食べているわけではない。
人肉のカロリー計算したコールは、その際にちょっと困ったことがあったと話す。実際に人間の肉を食べたことがある人から豚肉のような味がすると聞いた彼は、計算をしながらもそのことが頭を離れなかったようだ。「それから1年くらいは、なかなかベーコンを食べられなかった」と彼は明かした。

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どうでもいい、じじぃの日記。
私たち人類に大きな影響を与えたのは、約7万年前にインドネシアスマトラ島にあるトバ火山が大噴火を起こして気候の寒冷化を引き起こしたことだといわれる。
その後、ふたたび人類はアフリカから全世界に広がって行った。
その頃、ヨーロッパはネアンデルタール人一色の世界であった。
西アジア、ヨーロッパに拡散していったホモ・サピエンスは、5万年前にはネアンデルタール人と共存していた。
彼らが住んでいた洞窟からは、解体されたバイソンやヒツジ、シカに混じって、人間の体が見つかっている。ほとんどは子供か若者の骨で、食べられた痕跡がある。

なぜ人食いが行われたのか?

「私たちは、人食いは最悪の所業だという型にはまった考えを信じ込んでいる」

人肉を食べた人に聞くと、「豚肉のような味」がするそうです。
人食いが行われていたことは現代人にとって、知りたくない話なのかもしれない。